マラッカに行ったのは、プラナカンの文化に興味があったから。
プラナカンとは、欧米列強による統治下にあった現在のマレーシアを中心とする東南アジアの各地域に、15世紀後半から移住してきた主に中華系移民の末裔のこと。
商才に長けていて、交易で英国人と中国人(あるいはマレー人と中国人)との間を取り持つ仲介者として、巨万の富を得ていた。
そんな彼らが実際に暮らしていた豪勢なお屋敷や、使っていた家財道具や財宝が残されていて、博物館になっているのだ。
中心街で、同じゲストハウスに泊まってるイギリス人の男の子に会って、「どこ行くんだ?」と聞かれたので、「プラナカンのミュージアムだよ」と言ったら、興味を持ったらしく一緒に付いてきたんだけど、入場料に1,000円くらいかかると知ったら、悩んだ末に見ずに帰って行った・・・。
そりゃね、聞いたけどね、もう何週間もここに居るって、何年も旅を続けるためになるべくお金をかけないで生活しているって。
けどさ・・・、せっかくここに長期間居ても、こういうこの街の文化、とか歴史、とか全然見てないんじゃない?・・・もったいない・・・と思った。
旅のスタイルは人それぞれでね、楽しいと思うこともそれぞれだけど、あれは私のスタイルとは違うなぁ。
私のは、その街の全てを見てやるイキオイだし、旨そう!と思ったものは全部食べてやる気満々の、非常に貪欲な旅です! 笑
ということで、結局一人で入ったミュージアム。
これが典型的なプラナカンの人々のファッション。
冠には宝石類がたくさん散りばめられ、ドレスには気が遠くなるほど手の込んだ刺繍が施されていて、当時の豪勢な生活ぶりの一端が垣間見える。
お宅の中は、奥に奥にと、とーっても長い・・・・・。
どこも高級な素材を惜しげもなく使った贅沢な装飾がなされていて、当時の繁栄ぶりがうかがえる。
お写真を撮っていいエリアが限られているので、その豪勢っぷりが写真でお伝えしきれないけど、宝物殿みたいなお部屋なんてほんとホレボレするような貴金属の数々が並んでいて、それはそれはたいへんなお金持ちだったんだなぁ、というのが良く分かる展示だった。
これは撮ってもいいエリアに展示してあったパネル 笑
プラナカンは非常~に裕福であったけど、その裕福さゆえの厳しいルールもたくさんあったようで、娘さん達には小さい頃から花嫁修業としていろんなことを習わせたらしい。
ビーズの刺繍もその一つ。
なんとも細かい芸術的な模様を、小さな小さなビーズで作り上げていく。
これはサンダルの甲の部分。
当時は、今ではもう作れる職人さんが居ないというほどのもっともっとちいさーーーーいビーズが存在して、それで気の遠くなるような細かい作品を作っていたらしい。
こちらは、糸で作る方の刺繍。
綺麗~♪
プラナカンの娘たちは、家から出ることを許されず、来客が来ても顔を出すことも出来なかったらしい・・・。
そして、家の繁栄を守るための政略結婚に利用され、一度も会ったことの無い、両親が勝手に選んできた良家のお坊ちゃまと結婚することしか許されず、しかもその男性に初めて会えるのは結婚式の当日だったというから恐ろしい・・・・。
いくらとんでもなく裕福だったとしても、そんな人生死んでも嫌!! と思った・・・・・・・・。
あーーーーー、自由に外を闊歩できて、自分の好きな事を思う存分楽しめて、好きな男性と恋愛や結婚のできる国や時代に生まれて、本当に良かったよぉぉぉぉぉぉ!!!