株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

まだ昨日の余韻はあるが。

2007-08-24 11:23:39 | 株に出会う
22日(水)のNYダウは上げが一杯一杯だったので、23日は上げないだろうと踏んでおりました。一方日経平均の方は、22日のダウの上昇やら日銀の利上げ見送りそして円安の進行などに後押しされて、この昨日までの4日間で1000円以上も戻しました。まさに急反発ですが、今日はその勢いがまだ余韻として残っているのでしょう。しかし、昨日とは反対にシカゴのCMEが16360円で返ってきているにもかかわらず、朝からその値段を下回ったままです。そろそろ上げエネルギーが枯渇しかかっているのかも知れませんね。

週末要因も重なりますので、ここらでチョイと一服という塩梅ではないでしょうか。

持ち越しの5479日本金属工業は534円で買い戻し、代わりに9433KDDIを864円で売りをかけました。この株、この地合で気を吐いておりますが、865Kあたりが上げの分水嶺になっており、それを大きく超えていくと少々やばいのですが、870Kあたりまでの上昇は我慢することにしております。

市場ですが、今日の調整で一応日経平均も先物も、実は水曜日のNYダウのようないい形に、今のところはなっております。NYダウも、今晩はこのまま何も不測のニュースがなければ、最後の反転を試す形です。

ということは、世界の金融界に波乱がなければ、今日の引けには買い持ち越しも考えられますが、そこは引けにかけての雰囲気から判断したいと思います。

新興市場も逃げ足が速いので、ここからチョイと下げたからと言って買いに入るのは少々リスクを伴うかと見ております。

しかし超短期で対応しようとすると難しい相場です。澤上ファンドのように、先週の下落局面で買い上がって、じっと我慢の子を決め込めれば良いのですが、澤上ファンドのように含みの余裕がない向きには、あまりのパニック的な下げにはやはり耐えることは困難でしょうね。筆者もまさにそうです。どうしても慎重になりすぎてしまいます。

後場は相場が急変動したタイミングを捉えて売りか買いかを決めて、この機会にデイトレ技術の向上に努めることにします。
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住宅バブル資産の毀損

2007-08-24 11:07:38 | 金融全般
今回の問題の深刻さを示す数字を追ってみます。マスコミはあまりはっきりとは書きません。新聞などでご存じの数字も多いかと思いますが、その数字も刻一刻変わっているようです。

サブプライムローンはご存知の通り、最初の2年間はほぼ金利が4-5%と低く抑えられております。(プライムローンは30年固定金利で6.5%)、その後は10%~15%に上がる仕組みです。但し、住宅が値上がりしていれば、プライムローンに移行できる訳ですが、昨年から下落に転じているため、移行できずに高い金利を払うことを余儀なくされます。サブプライムローンは、住宅ローン1500兆円全体の10%の150兆円の残高があります。2007年の今の時点での延滞率は約15%、つまり23兆円が延滞している住宅債券です。

平均の借入額は2400万円ですので、金利が10%に移行すれば、金利だけで年間240万円の支払いになります。15%なら年間360万円です。この金利だけの支払いは年収が1000万円以上ないと苦しいでしょう。サブプライムローンの借り手は、年収が500万円程度です。

ここまでで、ほぼサブプライムローン150兆円が延滞になるのがお分かりかと思います。

延滞が起こっているのはサブプライムローンだけではありません。オルト-Tローンは残高75兆円の5%の4兆円が、プライムローンでも1275兆円の2%の25兆円が既に延滞しているとの数字がファイナンシャルタイムズにあるようです。

それを裏付けるように、「おかねのこねた」さんの8月22日のブログに、クレジットカードでの支払いでリボ払いが急増しているという記事がありました。今年の4月に前年比7.1%の増加だったものが、6月には前年比8.4%も増加しているとのこと。これは何を意味するか?金利が支払えないので、やむなく金利が倍もするクレジットカードのリボ払いで急場を凌いでいる姿です。

その上、ニューズウィークによれば、小口の買い物をするためのカードローンの金利が6.9%から15.8%に上がっているとのこと。それだけ住宅ローンの延滞率が増えているための、カード会社によるリスク低減の自衛行動と言えます。ちなみにリボルビング払いの総額は283兆円にも達するようです。

住宅ローンの延滞率は、これから起こる住宅価格の下落調整で更に増える見込みです。日本の土地バブルでは、時間がかかりましたが(注)価格の下落が約50%は進行しました。アメリカは今はまだ5%程度の下落ですが、これからバブル部分が剥落する過程を辿る筈です。半分までの下落とは言わないまでも25%程の調整は不可避ではないでしょうか。

そうなると延滞ローンの総額は、サブプライムローンの150兆円+オルト-T、プライムローン、も直撃し、その2つの総額1350兆円の10%程度が延滞するとして、135兆円になります。サブプライムローンの全滅分150兆円と合わせて約300兆円です。ローン平均額が3千万円ですから、約1000万世帯が家を失うことになります。

これは大きい問題です。アメリカの1億世帯のうち1割が家を失うことになる訳です。これでもまだ控えめかも知れません。

但し、競売に付された住宅は3千万円の元値が2500万円で仮に売れたとして、17%程度の資産の毀損になりますので、50兆円規模に実質ロスにはなりそうです。しかし、住宅価格の下落が続いて買い手不在になれば、下手するとこれ以上のディスカウント価格でないと売れないかも知れません。7割でしか売れないなら90兆円に膨らみます。日本のバブル崩壊の時の不良債権と同じ程度のバブル資産の毀損があると考えるのが妥当ではないでしょうか。

これがアメリカの住宅業界のみならず、世界の証券会社、銀行を震撼させ、クレジットクランチを招いている理由かと思います。

一体全体、こうした状況で中央銀行ができることは何でしょうか。1つは今回もやってきたマネーの緊急注入です。アメリカの債券市場は国債、社債、住宅ローン債権あわせて24兆ドルもあります。(約2760兆円)これらの買い上げによるマネーの注入です。もう1つは、ゴールドマンサックスや大手銀行などの金融機関がどうにも処理できなくなった時の特別融資です。あるいはりそなの国有化を図った時のような優先株の買い取りを含めた公的資金の注入ですね。

今は、「おかねのこねた」さんによれば、ヘッジファンドは証券会社が尻ぬぐいする、住宅ローン会社は銀行が尻ぬぐいする、という暗黙の了解のもと、事が進められており、束の間の小康状態の時期となっているようです。しかし、この巨額の資産の毀損分が証券会社と銀行で果たしてうまく埋められるのかどうかが焦点かと思います。仮にゴールドマンサックスが転けそうな事態になれば、事態は新たな展開を迎えます。

注)10年ほどの時間がかかったのは銀行が不良債権を抱え込んで明るみにしなかったためです。今度のケースは証券化されてレバレッジを効かせて、世界中にばらまかれているので、不良資産は多重連鎖的に高速で世界の金融市場を駆けめぐります。つまり進行の早い末期癌のようになります。これが住宅価格の下落スピードを上げるのではないかと思います
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