終わりの始まりの歴史的な１日

ここまで後場に急落するとは夢想だにしておりませんでした。

まるで目一杯引っ張った弓矢が、一瞬のうちに解き放たれたかのようです。そこまで歪みが極限にまで達しており、そこからのエネルギーの放出が、これほどまでに急激に起こるとは、昨日のペルーの大地震も顔負けの激震でした。

持株は後場のパニック的な下げの時に全て放出。引けにテクニカルにまだ脈が見えた２１５０ケアネットだけ１３８Ｋで買い直し。

結局、今年５月に３８４６エイチアイへのこだわり過ぎでの損失以来の大負けでした。

途中、黄金分割比率の１５６７０円に届いたのですが、そこから先にどうしても行きませんでした。この時点でいさぎよく諦めればまだ少しはキズが浅かったのですが、１度戻しかけたものですから、また戻すのではないかと儚い期待を抱いているうちに大暴落開始でした。ちょうど２時過ぎでしたね。１５６７０円あたりまで一度駆け上がっているのが見えるかと思います。

問題は今後の対策です。

これでトレンド転換したのは確実でしょう。皮肉なことに場が終わってから円・ドルも１８時現在１１３．６４円に戻し、金も６５３ドルに戻しております。しかし、これはいわゆるあや戻しの域を出ないのではないでしょうか。

理解すべきは、「アメリカ経済が早晩行き詰まるであろう」ということです。年間１００兆円のファイナンスをしないと立ちゆかない国が、これまでは、金融の世界での先進テクノロジーを駆使して、証券化商品のようないわば「偽札」に近いとも言える合法的な商品を繰り出しながら、それを世界の金余り国（オイルダラーは英国経由、中国は元高阻止のための米債券買い、欧州のファンド、そして日本の金融機関）に売りつけて、自国の脳天気な消費のための資金の流入を計ってきた、その深謀遠慮の策略に破綻がついに訪れたということでしょうか。

ＦＲＢは金利を下げざるを得ないでしょう。日銀はこれ以上金利を下げることは出来ません。もちろん、今の段階で上げることは狂気の沙汰です。そうなると円高が更に進行します。アメリカが金利を下げただけでも生じる円高を食い止める力は、２００３年の為替介入の時と異なり、今の日銀・財務省にはその資金的余裕はもはやありません。市場もはるかに巨大になっております。

この円高は、「日本が売られる」前の一時的な現象です。今回の弓矢の喩え通り、まず最初の変調をきたした国（アメリカ）の通貨が下落することにより、相対的に円が買われるに過ぎないのです。

短期の政策金利の下げにより更に加速するアメリカの通貨の価値の下落は、いわゆるリスクプレミアムの上昇により、経済学の必然性からも長期金利の上昇を招きます。それが日本にも波及するでしょう。そして、この長期金利の上昇下におけるインフレの加速による経済不況、つまりスタグフレーションが現実のものとなる恐れが強まりました。日本の長期金利が世界で正常値とされる５％に達したなら、国家破綻は確実と再三書いてきました。公務員の給料も遅配です。訳の分からない財務省証券か国債で支払われるかも知れません。それでもなお日本国債を一体誰が買うのでしょうか。更なる金利上昇、そして国家財政破綻の臭いを嗅ぎつけた世界中からの円売り攻勢が現実のものとなります。そうした終局に向かっての始まりが、今日の相場の大激震でないと誰が言えるでしょうか。

こうした迎えたくない現実は、来年の北京オリンピック以降に確実に訪れるのではないでしょうか。

その時に向けて、非力な投資家、あるいは普通の生活人は一体どのような防衛策を講じればよいのかが、問われて来る時代にさしかりつつあると言えるかと思います。

買い玉自爆

いやはや、完全に昨日の引けの上げの騙しにあったようです。

自分で「今回の問題は根が深い」と言っておきながら、目先のリバウンド狙いでの、姑息な利益取りの行動にしっぺ返しが来ましたね。

今回のような問題についてのマーケットの疑念が晴れるのには、数ヶ月かかると見るのが妥当でしょう。それは晴れる場合ですが、逆に曇りから雨に変わって、土砂降りになる危険性さえある訳ですが、それが、たった２時間位の上げ基調への転換を見たからと言って、そこで買いにはいるのはやはり早計でした。

それにしても、今日の雰囲気が悪いのを察知して、なぜ寄り付きで全株売らなかったのか？これは、昨日の後場の「成功体験」が生きていたためでしょう。どこかで、底打ちしての反転があると甘く見ておりました。

先物にしても日経平均にしても、前日安値を割った時には少なくとも処分をしておくべきでした。前場に処分したのは、５７９円の大きな買い支え玉が崩される時に売った４９９７日本農薬だけ。

逆に、買いに向かった６１３６ＯＳＧは大きな買い玉の１つ上で指していたのが、ものの見事にさらわれて、肝心の大きな買い玉もあっという間の大波に海の藻屑と消えました。また、５８５５アサヒプリテックも２９７５円での追撃買いのつもりが、一時２９８５円まで盛り返したものの、それまででした。

今日は金が１２５円も下がって売値が２３００円台に落ちました。久し振りです。

という訳で、今のところ裏目に出ておりますが、ここからの対処が少々難しいかと。

澤上さんはそれにしても偉いですねぇ。ここのところ買い向かっているようです。彼は長期投資信奉者ですからそれが出来るのですね。短期投資家が今更長期投資家に変身できるものならしたいのですが、それは性転換をするようなものであり、いささか、自らの身体への痛みを伴うものとなるでしょう。この年になって、それだけは嫌です。

まだ無性動物にでも変身した方がましです。無性ですから性がありません。しかし、「無性」にオスになりたければいつでもオスに。「無性」にメスになりたければメスに。この変幻自在さが、この世を渡っていく上では、この動物、かなり刺激的ではありませんか。

秘境の露天風呂などではメスにその場限りの性転換をして、女湯で「絶景」を楽しむこともできそうです。しかしよく考えると、秘境にはおばあちゃんしかいないか。。。

いやいや、この暑さと株とゴールドの思わぬ下落で頭が少々変調をきたしたようです。

何とか、後場は正気を取り戻して勝機を掴まねばなりません。しかし、こんな夢想をするということは、やはり我が身のこの先が思いやられます。