やっとできあがった、試験問題。
ここにくるまで、ほぼ二週間は頭の中から離れなかった。皆に点数を取らせてあげたいとは思うものの、努力した人の努力がまずは報われる試験にするというのが、私の考え方だ。また、授業で、きちんと話を聞いていなければできない問題も必ず入れる。
昨日は、休みが多くてテストを受けてない生徒を救済すべく学校に行っていた。でも、その生徒にテストを受けさせることはできなかった。
ふとスタッフルームで、進路指導の先生と話している、生徒が目に付いた。悩んでいる様子は、わかっていた。色々な事情があるのだろう。日本にいる外国人留学生は、様々なバッククラウンドを持っている。ひとりひとりに心を配りたいが、担任をはずれると、現在の担任の先生に気を遣って・・・と、いうこともでてきて、なかなか気軽に声をかけることができなくなってしまう。
歩く方向が一緒になった。声をかける。お茶にでも誘おうかな・・・・。名前を呼ぶと、元気のない顔で、それでも微笑んでくれる。ふと、抱きしめてあげたいと思う。往来でだきしめて・・・一年前の私なら、それも簡単にできたのだが・・なんたってバリバリのヤンキーだったから。今は大分日本に適応してきた。ハグすることにも、ためらいを感じてしまう。
USにいるとき、どれほど友達に先生にハグしてもらいながら、慰められたかわからない。喜びに、悲しみに、落ち込んでもハグだった。大きなアメリカ人にハグされると自分がすっぽり甘えられるような心地よさがあった。
国境を越えて日本に来ている外国人に、クラスの壁はないよなあ・・・ごめんね。だめな先生だね。
明日の試験勉強したのかな? 一年前、目が私を受け入れていなかった彼女。今は、すんなりと気負いのない目を私に向けてくれる。でも、その一年で彼女の状態の何かが変わったのだろう。個人的ナ状況に入り込んではならない。それをしてしまうと、どこまでもキリがない。それよりも、しっかりと日本語を教えるプロとして、かかわってほしいというのが、私の敬愛する上司のスタンスだ。
期末試験を作りながら、1年を振り返っていた。