令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(二)(25)安眠(やすい)寝(ね)しめず

2011年05月27日 | 家待・越中編(二)歌心湧出
【掲載日:平成23年7月19日】

・・・菖蒲草あやめぐさ たまくまでに 鳴きとよ
             安眠やすいしめず 君をなやませ



【三月末】まだ鳴かんのか なあ霍公鳥ほととぎす
霍公鳥ほととぎす 鳴き渡りぬと ぐれども 我れ聞きがず 花は過ぎつつ
《ほととぎす 鳴いて飛んだと みな言うが わし聞いとらん 花過ぎてくで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一九四)
我が幾許ここだだ しのはく知らに 霍公鳥ほととぎす 何方いづへの山を 鳴きか越ゆらむ
《ほととぎす わしがこんなに しとてるに 知らんと何処どこへ 飛んでったんや》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一九五)
月立ちし 日よりきつつ うちじのひ 待てど鳴かぬ 霍公鳥ほととぎすかも
《月変わり 始めの日から 恋がれ 待つのに鳴かん あのほととぎす》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一九六)

 四月始】嬉し 嬉しい 初鳴き聞いて
霍公鳥ほととぎす 今鳴きむ 菖蒲草あやめぐさ かづらくまでに るる日あらめや
《ほととぎす やっと鳴いたで 菖蒲草あやめぐさ かずらするまで 鳴き続けてや》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一七五)
我がかどゆ 鳴き過ぎ渡る 霍公鳥ほととぎす いやなつかしく 聞けどき足らず
うちの前 鳴き飛んでいく ほととぎす ゆかしゅ聞いたが まだ足らへんで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一七六)

【四月三日】一緒聞きたい 池主あんたに届け
我が背子せこと 手たづさはりて 明ければ 出で立ち向ひ ゆふされば 振りけ見つ 思ひべ ぎし山に 
なつかしい 池主あんたと手取り 眺めたな 朝来た時に き仰ぎ 夕べが来たら 振り返り こころらしに 見た山は 
八峰やつをには 霞たなびき 谷辺たにへには 椿花咲き うら悲し 春し過ぐれば 霍公鳥ほととぎす いやき鳴きぬ ひとりのみ 聞けばさぶしも 
峰々みねみね霞 棚引いて 谷には椿 花咲かす 春が過ぎたら ほととぎす 今をしきりに 鳴いとるが 独り聞くのん さみしいで》 
君とれ へなりて恋ふる 砺波山となみやま 飛び越え行きて 明けたば 松のさえだに 夕さらば 月に向ひて  
池主あんたとわしを へだてとる 砺波となみの山を 飛び越して 朝来た時は 松の枝 夕方来たら 月こて》
菖蒲草あやめぐさ たまくまでに 鳴きとよめ 安眠やすいしめず 君をなやませ
菖蒲あやめの草を 薬玉たまにする 端午たんごの日まで 鳴き続け ささんといて 悩ましたって》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一七七)

我れのみし 聞けばさぶしも 霍公鳥ほととぎす 丹生ひふ山辺やまへに い行き鳴かにも
《わしひとり 聞いてるのんは さみしいな 丹生にうの山行き 鳴けほととぎす》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一七八)
霍公鳥ほととぎす 鳴きをしつつ 我が背子せこを 安眠やすいしめ ゆめこころあれ
《ほととぎす わしの気持を さっしたら 池主あいつさすな なかじゅ鳴いて》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一七九)





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