【掲載日:平成24年2月7日】
後も逢はむ 我にな恋ひそと 妹は言へど
恋ふる間に 年は経につつ
強面誇る 男でも
恋の病に 勝てやせぬ
一途に惚れた 恋なればこそ
なぜに諦め 出来ようものか
あたら男に 生まれたからに
他人に言えんで ただただ焦がる
健男の 現し心も 我れはなし 夜昼といはず 恋ひしわたれば
《男やと 言う値打ちなぞ わしないわ 夜昼なしに 焦がれ続けて》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二三七六)
巌すら 行き通るべき 健男も 恋といふことは 後悔いにけり
《岩かても 砕いて通る 男やに 恋のことやと 悔やみ続けや》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二三八六)
いで何か ここだはなはだ 利心の 失するまで思ふ 恋ゆゑにこそ
《なんでまた こんなだらし無 なったんや 恋した所為や 正気やないで》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二四〇〇)
世の中は 常かくのみと 思へども はたた忘れず なほ恋ひにけり
《恋なんか するん忘れよ 思うけど 忘れられんで また恋してる》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二三八三)
よしゑやし 来まさぬ君を 何せむに いとはず我れは 恋ひつつ居らむ
《アホみたい 来えへんあんた 恋続け 忘れられんで 待ってんやうち》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二三七八)
後も逢はむ 我にな恋ひそと 妹は言へど 恋ふる間に 年は経につつ
《その内ネ そんな悩みな 言うけども 焦がれてる間に 年過ぎてくで》
―柿本人麻呂歌集―(巻十二・二八四七)
あらたまの 五年経れど 我が恋の 跡なき恋の 止まなく怪し
《もう五年 経って仕舞たが わしの恋 実りもせんに まだ続いとる》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二三八五)
正述心緒 詠いし心
全て恋歌 男と女
素直心に 捨て鉢心
これぞ世の中 昔も今も
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