令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(二)(27)この布勢(ふせ)の海を

2011年05月20日 | 家待・越中編(二)歌心湧出
【掲載日:平成23年7月26日】

・・・春花の しげさかりに 秋の葉の 黄色もみちの時に
           ありがよひ 見つつしのはめ この布勢ふせの海を




こしへの赴任以来 
丸四年がとうとしていた
かみとしての地方赴任 通常は四年
ひなと思いし 越
  居ついてみると 住めば都とか
  ことに 暗く長い冬を過ごし
 一度に花開く春のおもむき ほかに代えがた
 短い春は またた
 いま  初夏を迎え 水辺が恋しい)

かみ家待の 呼びかけ
仲間うち面々 布勢ふせ水海みずうみを目指す

思ふどち 大夫ますらををのこの くれの しげき思ひを 見あきらめ こころらむと 布勢ふせの海に 小舟をぶねつらめ 真櫂まかいけ いめぐれば 
つかえ仲間の 気の合う同士どうし まったうさの 気晴きばらし仕様しょうと 布勢ふせ水海みずうみ 小船を浮かべ かい取り揃え めぐりする》
乎布をふの浦に 霞たなびき 垂姫たるひめに 藤波ふぢなみ咲きて 浜清く 白波さわき 
乎布おふの浦々 霞がなびき 垂姫たるひめ崎に 藤波ふじなみ咲いて 浜はきようて 白波さわぐ》
しくしくに 恋はまされど 今日けふのみに らめやも かくしこそ いや毎年としのはに 
《楽し気分が 益々ますます湧いて 今日の遊びで 満足出来できん こんな楽しみ 毎年仕様しょうや》
春花の しげさかりに 秋の葉の 黄色もみちの時に ありがよひ 見つつしのはめ この布勢ふせの海を
《春の盛りの 花咲く時に 秋の季節の 黄葉もみじの時に かよい続けて 見てでようや このえ景色 布勢ふせ水海みずうみを》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一八七)

藤波ふぢなみの 花の盛りに かくしこそ 浦つつ 年にしのはめ
藤波ふじなみの 花の盛りに また仕様しょうや 浦々めぐり 来る年々に》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一八八)
                                    【四月六日】





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