【掲載日:平成24年10月26日】
立ちて思ひ 居てもぞ思ふ 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を
離れて慕う 恋憧れは
逢瀬求めて 彷徨い歩く
やがて出会いを 果たしてみても
焦がれ慕いは いや増し募る
我妹子に またも逢はむと ちはやぶる 神の社を 祷まぬ日はなし
《またあの児 逢わせて欲しと 神さんに 願うてるんや 日ごと夜ごとに》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六六二)
立ちて思ひ 居てもぞ思ふ 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を
《立ってても 座っとっても 目ぇ浮かぶ 赤い裳裾引く あの後姿》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五五〇)
あらたまの 寸戸が竹垣 網目ゆも 妹し見えなば 我れ恋ひめやも
《竹垣の 網目通して せめてもに お前見えたら 焦がれせんのに》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五三〇)
妹が目の 見まく欲しけく 夕闇の 木の葉隠れる 月待つごとし
《夕闇の 樹茂み隠れの 月待ちや あの児逢いたい 思う気持ちは》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六六六)
ぬばたまの 夜渡る月の ゆつりなば さらにや妹に 我が恋ひ居らむ
《渡る月 西に傾き 沈んだら あの児思うて 切無うなるで》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六七三)
思ひにし あまりにしかば 術をなみ 出でてぞ行きし その門を見に
《恋しいて 思い余って 堪らんで 出かけ来て仕舞た あの児門まで》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五五一)
道の辺の 草を冬野に 踏み枯らし 我れ立ち待つと 妹に告げこそ
《道端の 草を踏み踏み 待ってるて 誰ぞあの児に 伝えて来てや》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七七六)
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