goo blog サービス終了のお知らせ 

令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

古今相聞往来(下)編(21)風吹き解(と)くな

2013年10月01日 | 古今相聞往来編(下)
【掲載日:平成25年10月1日】

妹がかど 行き過ぎかねて 草結ぶ 風吹きくな またかへり見む



互い思えば いたい見たい
一目だけでも しずまりするに
伝手つて思案しあんの 日数ひかずぎる
し無い えんと死ぬで 
  
たまかづら けぬ時なく 恋ふれども 何しか妹に 逢ふ時も無き
《気に懸けん 時ないほどに がれるに あの児う時 なんでいんや》【蘰に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九九四)
                          (蘰を懸ける→心に懸ける)
  
あしひきの 山菅やますげの根の ねもころに やまず思はば 妹に逢はむかも
すがの根の ねんごろずっと 思てたら わしはあの児に えるやろうか》【菅に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇五三)
   
殺目山きりめやま 行きかふ道の 朝霞あさがすみ ほのかにだにや 妹に逢はざらむ
殺目山きりめやま 往き来の道の 朝霧きりみたい ぼんやりでも あの児逢えんか》【霞に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇三七)
   
妹がかど 行き過ぎかねて 草結ぶ 風吹きくな またかへり見む
《門の前 たずね出来んで 結ぶ草 風ほどきなや またるのんで》【草に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇五六)
                          (草を結んで 逢うこと祈る)

真澄鏡まそかがみ 直目ただめに君を 見てばこそ いのちむかふ が恋やまめ
真澄鏡まそかがみ じかにあんたを 見られたら いのちけ恋 しずまるのんに》【鏡に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九七九)
                          (鏡を見る→直に見る)
  
我妹子わぎもこに ころも春日かすがの 宜寸川よしきがは よしもあらぬか 妹が目を見む
《あの児とで ころもり(交換) してみたい なんぞ伝手つて ないもんやろか》【川に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇一一)
                         (我妹子に衣貸す→春日)(宜寸川→よしも)
  
あしひきの やますがの根の ねもころに が思ふ人を 見むよしもがも
山菅やますげの 根ちゃうが ねんごろに うち思もとんや 伝手つてしわ》【菅に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇五一 或る本)
   
君に逢はず 久しくなりぬ 玉のの 長きいのちの しけくもなし
ながいこと あんたえんで うち死ぬわ う命 しことないで》【玉に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇八二)