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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

人麻呂歌集編(15)ねもころ我れは

2012年03月09日 | 人麻呂歌集編
【掲載日:平成24年3月9日】

見渡しの 三室みむろの山の いはほすげ ねもころれは 片思かたもひぞする



根深小菅こすげは 隠した思い
静か深うに えてる心
野原 出たなら 根を張る草を
しばしめう むすばれ願ごて

港に さ根小菅こすげ ぬすまはず 君に恋ひつつ ありかてぬかも
下根したねう 小菅こすげみたいに しのべんで 焦がれ恋して じっと出来できんわ》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七〇)
やましろの いづみ小菅こすげ なみなみに いもが心を 我がはなくに
《吹く風に 泉の小菅こすげ なびき寄る 並々ちゃうで お前おもうん》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七一)
見渡しの 三室みむろの山の いはほすげ ねもころれは 片思かたもひぞする
いわすげの 根ぇしっかりや うち思い しっかりやけど 片恋なんや》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七二)
                                   (菅→菅の根→ねもころ)
すがの根の ねもころ君が むすびてし 我が紐のを く人はあらじ
《心込め あんた結んだ このひもを よもやく人 るもんかいな》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七三)
やますげの 乱れ恋のみ しめつつ 逢はぬ妹かも 年はにつつ
《恋心 乱れらして その挙句あげく うてくれんで もう何年や》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七四)
あしひきの 名負なおやますげ 押し伏せて 君しむすばば 逢はずあらめやも
《山菅を 押し伏せる様に しっかりと 誓いするなら うてもえで》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七七)
山川やまがはの かげふる やますげの まずもいもは 思ほゆるかも
《山川の みずかげえる やますげの むことないで お前思うん》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十二・二八六二)
あさに 立ちかむさぶる すがの根の ねもころがゆゑ が恋ひなくに
あさの 古びた菅根すがね 胸こう あんたちごたら うち恋せんわ》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十二・二八六三)
さねかづら のちも逢はむと いめのみに 祈誓うけひわたりて 年はにつつ
《そのうちに 逢いたいもんと 夢中ゆめなかで 祈り続けて もう何年や》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七九)
あさはら 小野をのしめふ 空言むなことを いかなりと言ひて 君をし待たむ
《荒れた野に しめうそを ひょっとして 思てこのうち 待ってんのんや》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四六六)
                        (小野=荒れ野=大切でない→標を結う事がない→嘘)
大野おほのらに たどきも知らず しめひて ありかつましじ が恋ふらくは
闇雲やみくもに 誰かまわんと 共寝た児やに 恋し恋しで どう仕様しょもないで》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四八一)



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