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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

赤人編(10)伊予の高嶺の

2010年02月09日 | 赤人編
【掲載日:平成22年2月19日】

・・・島山の よろしき国と こごしかも
       伊予いよ高嶺たかねの 射狭庭いさにはの 岡に立たして・・・

【伊佐爾波神社 登り口】



ここ 伊予 伊佐爾波いざにわの岡
古来 多くの天皇すめらみことが 行幸みゆきされた地
赤人は  思いやっていた
〔この地に  立たれたのだ
 古くは 景行けいこう天皇と その皇后
 仲哀ちゅうあい天皇と神功じんぐう皇后
 聖徳太子も  来られた
 さらに 舒明じょめい天皇と皇后
 斉明さいめい天皇は 五度の行幸
 その度に 歌をささげられたと聞く
 また  近くの湊 熟田津は 新羅征討の折
 額田王が「船乗りせむと」の歌を うたわれた所
 まさしく 古くして生まれた歌の 揺籃ようらんの地
 連綿れんめんたる 歌の流れ 
 ここに みなもとを発していたやも知れぬ〕

皇神祖すめろきの 神のみことの きいます 国のことごと はしも さはにあれども 
《神であられる 天皇おおきみの お治めなさる この国に で湯仰山ぎょうさん あるけども》
島山の よろしき国と こごしかも 伊予いよ高嶺たかねの 射狭庭いさにはの 岡に立たして 
おもひ 辞思ことおもはしし み湯のうへの 樹群こむらを見れば
 
《島山立派な 伊予国いよくにの けわしい峰に うち続く  射狭庭いさには岡に その昔 天皇すめらみことが お立ちなり
 かつての昔 みし歌 捧げし言葉 思われた で湯の木立ち 眺めたら》
おみの木も ぎにけり 鳴く鳥の 声も変らず とほき代に かむさびゆかむ 行幸処いでましどころ
もみの木ずっと え続け 鳥鳴く声も 変わらへん 後の世までも 神秘やで 天皇おおきみられた この地こそ》
                         ―山部赤人―〔巻三・三二二〕 
ももしきの 大宮人おほみやびとの 飽田津にきたつに 船乗ふなのりしけむ としの知らなく
何時いつやろか 大宮人が 飽田津にきたつを 船出ふなでしたんは はるか昔や》
                         ―山部赤人―〔巻三・三二三〕 

ここに こうしてることの不思議
それを  感じざるを得ない 赤人




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