犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(238)児らが家道

2014年02月05日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月八日】放映分
らが家道いへぢ ややどほきを ぬばたまの 渡る月に きほひあへむかも
《あの児いえ ちょっと遠いが この月が 照ってるぁに 着けるやろうか》
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻三・三〇二)

【万葉歌みじかものがたり】 たづたづし》

日暮れ 来たなら あの人恋し
されど 闇夜は 逢うことできん
今宵 月夜は せめても機会
 よ明こ照れ 雲隠すなよ

 夜目に遠目に 傘の内かな)
み空行く 月の光に ただいち 相見あひみし人の いめにし見ゆる
月明つきあかり したでちらっと 見た人が 夢て来たわ なんでやろうか》
                         ―安都扉娘子あとのとびらおとめ―(巻四・七一〇)

 お前訪ねる 夜道は暗い
 月よ照らせよ この足もとを)

倉橋くらはしの 山を高みか ごもりに る月の かたかた
倉橋くらはしの 山高いんで 月るん おそて待っても 待ち切れんがな》
                         ―沙弥女王さみのおおきみ―(巻九・一七六三)
倉橋の 山を高みか ごもりに る月の 光ともしき
倉橋くらはしの 山高いんで 月出るん おそてなんやら 薄暗うすぐらいがな》
                         ―間人大浦はしひとのおおうら―(巻三・二九〇)
あまの原 け見れば 白真弓しらまゆみ 張りてけたり 夜道よみちけむ
あおいだら 弓張ったな 月出てる 夜道歩くに 大助かりや》
                         ―間人大浦はしひとのおおうら―(巻三・二八九)
らが家道いへぢ ややどほきを ぬばたまの 渡る月に きほひあへむかも
《あの児いえ ちょっと遠いが この月が 照ってるぁに 着けるやろうか》
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻三・三〇二)
しきやし ちかき里の 君むと おほのびにかも 月の照りたる
ちこに住む あんたるのん わかるんか くまう月が 照っとおるがな》(女歌?男友?)
                         ―湯原王ゆはらのおおきみ―(巻六・九八六)

(待つは長いが 逢瀬おうせは早い
 せめても少し うちそば居って)

夕闇ゆふやみは 道たづたづし 月待ちて ませ我が背子 そのにも見む
夕闇ゆうやみは 道あぶないで 月のを 待ったらやん それまでって》
                         ―豊前國娘子ぶぜんのくにのおとめ大宅女おおやけめ―(巻四・七〇九)
雲隠くもがくり 行方ゆくえみと が乞ふる 月をや君が 見まくりする
雲隠くもかくれ そのまま居って 思う月 あんた出て欲し 思とんのんか》
                         ―豊前国娘子ぶぜんのくにのおとめ―(巻六・九八四)

(鳴いてくれるな 夜明けのかけよ)
あます 月読つくよみ壮士をとこ まひむ 今夜こよひの長さ 五百いほ継ぎこそ
てんで照る おっ月さんよ 礼するで 五百ごひゃくばいして 今夜こんやの長さ》
                                                  ―湯原王ゆはらのおおきみ―(巻六・九八五)



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