NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月一日】放映分
冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど
山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず
秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ 青きをば 置きてぞ嘆く
そこし恨めし秋山我れは
―額田王―(巻一・一六)
【万葉歌みじかものがたり】《秋山われは》
場は 色めきたった
中大兄皇子が 額田王を呼べ と命じたのだ
先刻から 続けられている 「歌競い」
一方が 春を褒め囃せば
他方が 秋を褒め立てる
春組が 花の華やぎを愛でれば
秋組が 黄葉の彩を讃える
集うは 「漢詩」読みの上手ばかり
勝ち負けの いずれは さすがに つけ難い
判定は 額田王の「やまとうた」でとの
皇太子の 粋な 計らいである
ざわめきの 治まりを待ち 額田王が ゆっくりと詠いだす
冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲け・・・
春組は 笑みの頷きを重ねる
・・・咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず・・・
肩落とす春組 秋組「得たり」と手を打つ
秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ・・・
秋組から「おおっ」の声
・・・青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし
一転 天仰ぐ秋組 「やった」と叫ぶ春組
息を詰め 固唾を飲む 宴の場
場の鎮まりを 静かに待った 額田王
おもむろに
・・・・・・秋山我れは
―額田王―(巻一・一六)
一瞬静まり返った 宴席は やがて 万雷の拍手に包まれた
《冬去って仕舞て 春来たら
鳴けへんかった 鳥も鳴く
咲かへんかった 花も咲く
そやけども
山茂ってて 入られん
草深いから 取られへん
秋山入って 葉ぁ見たら
黄葉した葉 好え思う
けど青い葉は も一つや
そこが 適んな
(うう~ん・・・)秋やな うちは》
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【十一月一日】放映分
冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど
山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず
秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ 青きをば 置きてぞ嘆く
そこし恨めし秋山我れは
―額田王―(巻一・一六)
【万葉歌みじかものがたり】《秋山われは》
場は 色めきたった
中大兄皇子が 額田王を呼べ と命じたのだ
先刻から 続けられている 「歌競い」
一方が 春を褒め囃せば
他方が 秋を褒め立てる
春組が 花の華やぎを愛でれば
秋組が 黄葉の彩を讃える
集うは 「漢詩」読みの上手ばかり
勝ち負けの いずれは さすがに つけ難い
判定は 額田王の「やまとうた」でとの
皇太子の 粋な 計らいである
ざわめきの 治まりを待ち 額田王が ゆっくりと詠いだす
冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲け・・・
春組は 笑みの頷きを重ねる
・・・咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず・・・
肩落とす春組 秋組「得たり」と手を打つ
秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ・・・
秋組から「おおっ」の声
・・・青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし
一転 天仰ぐ秋組 「やった」と叫ぶ春組
息を詰め 固唾を飲む 宴の場
場の鎮まりを 静かに待った 額田王
おもむろに
・・・・・・秋山我れは
―額田王―(巻一・一六)
一瞬静まり返った 宴席は やがて 万雷の拍手に包まれた
《冬去って仕舞て 春来たら
鳴けへんかった 鳥も鳴く
咲かへんかった 花も咲く
そやけども
山茂ってて 入られん
草深いから 取られへん
秋山入って 葉ぁ見たら
黄葉した葉 好え思う
けど青い葉は も一つや
そこが 適んな
(うう~ん・・・)秋やな うちは》
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