犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(082)かにかくに

2012年01月18日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【七月十九日】放映分

かにかくに 物は思はじ 飛騨ひだひとの 打つ墨縄すみなはの ただ一道ひとみち

 《あれやこれ おもうんめよ 墨縄すみなわの ただ一筋ひとすじに あんたしんじて》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六四八)
 

【万葉歌みじかものがたり】《打つ墨縄すみなはの》

二人ふたり間の 関係えと
詠う 歌さえ 穏やか響く
お前 に心 べったり寄るよ
あんた 信じて 一筋うちは

むらさきの 名高なたかの浦の なびの 心はいもに 寄りにしものを
名高浦なたかうら 藻ぉ揺れなびく なびき揺れ わしの心は お前べったり》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二七八〇)
  
葦鴨あしがもの すだく池水 はふるとも 設溝まけみぞに 我れ越えめやも
《池水が 増えてまって あふれても 越えてみぞ 行かんでわしは》
(恋心 がれ募って あふや けどわし一途いちず お前思てる)【比喩】
                          ―作者未詳―(巻十一・二八三三)
  
うちはなひ はなをぞひつる 剣大刀つるぎたち 身にいもし 思ひけらしも
 くしゃみ出た またくしゃみ出た 添い寝して いつも寝る児が わし思とんや》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六三七)
  
うらめしと 思ふさなはに ありしかば よそのみぞ見し 心は思へど
うた時 うらめし気持ち やったから 知らん顔した 心とごて》【正述心緒】
                          ―作者未詳―(巻十一・二五二二)
  
梓弓あづさゆみ すゑのはら野に 鳥猟とがりする 君が弓弦ゆづるの 絶えむと思へや
すえはら 鷹狩たかがゆみの つるれん 二人ふたりなかも れへんでなぁ》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六三八)
  
かにかくに 物は思はじ 飛騨ひだひとの 打つ墨縄すみなはの ただ一道ひとみち
《あれやこれ おもうんめよ 墨縄すみなわの ただ一筋ひとすじに あんたしんじて》【寄物陳思】
                          ―作者未詳―(巻十一・二六四八)
                         (墨縄すみなわ=材木に直線を引く大工道具)


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