犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

★あぢま野ー引き裂かれた恋ゆえに

2007年09月16日 | 紀行アラカルト
中臣宅守(なかとみのやかもり)と 狭野茅上娘子(さののちがみのおとめご)。
天平10年ころ 政争に巻き込まれた宅守は あぢま野に配流。
都に残された娘子。
二人の間に交わされた恋慕の歌63首。

味真野苑に先生揮毫の歌碑がある。
二つの歌碑は せせらぎを挟んで少し離れて向き合っている。
仲を裂かれても 思いを交わしあっている 風情(ふぜい)だ。


君がゆく 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも(娘子)
<あなたの流されて行く長い道を手繰り寄せて焼いてしまいたい!天の火が欲しい!>



塵泥(ちりひぢ)の 数にもあらぬ 吾ゆえに 思いわぶらむ 妹がかなしき(宅守)
<塵や泥のような私なのに心配してくれるあなたがいる 泣けてくるなぁ>

<紀行今昔>あぢま野へ
<紀行今昔>福井・石川へ



――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ

【万葉歌みじか物語】はこちら






■リンク先