福岡の植生調査地の奥には
何年も、いやもしかしたら何十年も
放って置かれたほこらがある
そこへ登るのは容易ではないが
そこも調査地なので
いずれは行かねばならない
ほこらに参るにはどうするか
神主の資格をもつ息子のお嫁さんに聞いてみた
米、塩、水のほか、さらに何でもよいからお供えすると。
長く放っておかれた神様は
いじけていらっしゃる可能性があるから
しっかり慰めてあげて下さいとも。
そのお嫁さんが作っているお米を携えて
森の奥に分け入った
長く人が入っていない場所だ
何が出てくるかわからない
フェンスにつかまりながら斜面を登り
木々の繁る藪をくぐり抜けると
ほこらが見えた
ほこらのまん前に生えているハクサンボクの葉を器にして
塩と米を供え
神楽坂から運んできた水をままごとの木製の茶碗に入れて供えた
「どうぞ神様この御屋敷を私に下さい
あ、いやちごうた、
神様この御屋敷の草や木を私に守らせて下さい
これからも何度もここに参ります」
神前を辞して斜面を下ろうとすると
手前には
伊藤(博文)公爵の記念の桧の石碑と
井上(馨)侯爵の記念の松の石碑が
桧は残っているが松はもうなかった
翌日ほこらまでの近道である
金網越えルートを試そうとして
行くか戻るか心に迷いがあったため
周囲をよく見ずに着地して腕を木にぶつけ
気絶しかけた
いかんいかん、こんなところで倒れては
悔しいけれど青あざと腫れが残った
2日目
12日目
何年も、いやもしかしたら何十年も
放って置かれたほこらがある
そこへ登るのは容易ではないが
そこも調査地なので
いずれは行かねばならない
ほこらに参るにはどうするか
神主の資格をもつ息子のお嫁さんに聞いてみた
米、塩、水のほか、さらに何でもよいからお供えすると。
長く放っておかれた神様は
いじけていらっしゃる可能性があるから
しっかり慰めてあげて下さいとも。
そのお嫁さんが作っているお米を携えて
森の奥に分け入った
長く人が入っていない場所だ
何が出てくるかわからない
フェンスにつかまりながら斜面を登り
木々の繁る藪をくぐり抜けると
ほこらが見えた
ほこらのまん前に生えているハクサンボクの葉を器にして
塩と米を供え
神楽坂から運んできた水をままごとの木製の茶碗に入れて供えた
「どうぞ神様この御屋敷を私に下さい
あ、いやちごうた、
神様この御屋敷の草や木を私に守らせて下さい
これからも何度もここに参ります」
神前を辞して斜面を下ろうとすると
手前には
伊藤(博文)公爵の記念の桧の石碑と
井上(馨)侯爵の記念の松の石碑が
桧は残っているが松はもうなかった
翌日ほこらまでの近道である
金網越えルートを試そうとして
行くか戻るか心に迷いがあったため
周囲をよく見ずに着地して腕を木にぶつけ
気絶しかけた
いかんいかん、こんなところで倒れては
悔しいけれど青あざと腫れが残った
2日目
12日目