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震災救助態勢への疑問
社会・時事批評
/
2011-03-14 14:50:45
この度の
東北地方太平洋沖地震
に伴う被害はまさに甚大で、特に、海岸沿いの被災市町村の非難住民の救助には一刻の猶予も許されない状況に至っている。
今頃のコメントも憚られるのだが、報道を見る限り、あまりにも救助態勢が不自然に感じたので、ここに短く記すことにした。
交通手段が遮断されていることを考えれば、何よりも必要・有効なのはヘリコプターに違いない。ただし、屋根に取り残さた人を救い上げるといったヒーロー的な活動ばかりをイメージしないように注意しよう。単に、危険で通れなくなった道路の交通を代替する荷物と人運びの役でもいいのだ。このように考えれば、何台投入しても多すぎるということはないはずだ。日本中のあらゆるヘリコプターを集結してもいい。しかし、報道画像などを見る限り、ヘリコプターがフルに稼働している気配がない。これはいったいどうしたことなのだろう。
もちろん、自衛隊には多数の高性能ヘリコプターがあるし、ヘリ空母というものもあるはずだ。何故フル展開しない。救助用専用機でなくとも、軍事機材運搬用、哨戒用、迎撃用、何だって輸送には使える。そして、これらの設備は全て国民の税金で購入したものだ。今使わないで、何時何のために使うのだ。
さらに言うならば、ヘリコプター(の少なくとも一定の部分)は、地元をよく知る人の指示に従いながら運用すべきである。まず、市町村内の細かい状況を知っている人を見つけ救い出し、その人の指示で動くのが良い。人命救助の場合は、その人をヘリの助手席に乗せていくのが最も有効だろう。間違っても、「作戦本部」などで時間を費やしてはいけない。
その他、水の排水や給水などといった活動にも、自衛隊の装備が役に立つはずだ(地元の消防の装備とちがい、軍隊の装備は、遠くに運んでいって使うようにできている)。
救助というものは、どれだけ多くの人を救うかどうかで成否が決まる。「正しく状況を判断する」「でき得る限りのことをする」「しっかりやっていく」、こうした総理や官房長官の言葉は、どれも、緊急の救助のあり方の正しい方向を捉えていない。
〔追補〕
日本にヘリコプターが何台あるのかを知るための参考サイトを紹介する。
これによると、自衛隊700機、民間(含非軍事官)1000機、ほどだ。被災の激しい各町に(大小合わせて)十数機以上割り当てることは難しくない。
航空の現代:日本の航空機数
/西川渉 〔← 2013-06 リンク修正〕
(上のサイト情報は、少し古いながら一般人にとって大変貴重である.記事の最後の方に、先見の明と言えるコメントがある.)
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