文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

天下無双 江田島平八伝1,2

2022-09-13 13:42:15 | 書評:その他

 

 

 漫画には、色々と型破りなキャラが出てくるが、この江田島平八は、間違いなくその中の一人に数えられるだろう。元になった作品「魁!!男塾」自体がかなりハチャメチャな作品なのだが、その男塾の塾長である江田島平八は、それに輪をかけてハチャメチャ(笑)。

「ワシが男塾塾長、江田島平八である!」



 男塾ファンでこのセリフを知らない人はいないだろうが、この作品は、平八の前半生を描いたもので、特にこの1,2巻は平八の少年時代を描いたものなので、まだ男塾を開いてはいないので当然このセリフはない。というか「魁!!男塾」(以下本編と呼ぶ)においては、このセリフしか印象にないんだが(もしかしたら他にもあったのかもしれないが)、彼の少年時代は、まさに悪ガキの典型という感じでよくしゃべっている。

 東京は多摩地方の名家に生まれた平八は、父は軍神と言われた、故江田島中将。母は肺結核を患っていたが、優しい人だった。その母も亡くした平八だが、この時点では、才能の片りんは見られるものの、単なる悪ガキである。だが、神童と呼ばれる才能を開花させた平八は、わずか11歳で、小学校から東大に、飛び級で入学する。もうこの時点でハチャメチャな存在なのだ。

 そしておなじみの民明書房の社主である大河内民明丸、親友で中国拳法の達人である王大人、そして因縁の敵である藤堂兵衛(伊佐武光)など本編でもおなじみのキャラも登場してなんとも面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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警視RYO刑事SHO 1

2022-09-11 10:03:26 | 書評:その他

 

 ここは警視庁の杉波署。ここに勤める橘涼と橘翔の二人は兄弟だが、片や警視、片やヒラ刑事と階級に大きな差がある。そこに、警部補として、村沙木蘭という女性警察官が赴任してくる。それも橘翔の上司として。

 ところで、杉波署のモデルは、杉並署であることは、その名前から明らかだろう。橘涼は30歳で警視という設定だ。つまり兄はキャリア、弟はヒラ刑事なのでノンキャリアということだろう。しかし警視というと、所轄なら大規模警察署以外では署長か副署長となる。だから警視と自他ともに言っているのは違和感がある。署長とか副署長と呼ばれるはずだろう。階級でなく役職で呼ばれると思う。

 また赴任してきた村沙木蘭警部補、部下のいる警部補で所轄なら係長のはずなので、係長と呼ばれるのではないか。それに、蘭は28歳で、N.Y.の犯罪心理分析官の下で1年間勉強してきたという設定だ。しかし、残念ながら、この1巻を読む限り、それを活かした場面は見当たらない。その代わりよく股を開く。部下の翔とは完全に彼、彼女の関係だが、捜査のためなら、例え相手が犯人でもだ。そして兄の涼の方も結構な訳アリなのである。

 それにしても、涼といい翔といい、蘭といい、ここはホストクラブかキャバクラかと思ってしまう。とにかく絵柄が濃いのだ。

☆☆☆

 

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人間椅子

2022-09-09 11:29:28 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この作品は、佳子(よしこ)という夫が役人の、美貌の女流作家に元に届いた原稿から始まる。しかし、この部分にはツッコミたい。

仕事にとりかかる前に、先まず、それらの未知の人々からの手紙に、目を通さねばならなかった。
 それは何いずれも、極きまり切った様に、つまらぬ文句のものばかりであったが、彼女は、女の優しい心遣こころづかいから、どの様な手紙であろうとも、自分に宛あてられたものは、兎とも角かくも、一通りは読んで見ることにしていた。



 いや、女性(特に美人)が優しいというのは男の幻想だろう。男の方が優しいことっていくらでもあると思う。女性が優しいのなら、「悪女」というのはいないことになるのだが、実際にはよく聞くよね。

 ところで、原稿の方だが、ある椅子職人から来たものだ。それには、彼が椅子の中に潜み、ホテルに納入され、色々な人々の座られ心地を楽しんでいたが、ホテルの経営者が、何かの都合で帰国することになり、居抜きのまま日本人の会社に譲られることになった。

 件の椅子は、道具やに置かれたが、ある役人に買われて、その夫人が主に使っていた。男はその夫人に恋心を抱く用になる。実はその夫人とはあなたのことだと書かれている。

 彼女は、原稿を読んで気味が悪いと真っ青になるが、そこに同じ男から手紙が来る。その手紙には、原稿は創作で、批評してもらえれば幸いであると書かれていた。

 このオチには驚くが、本当に創作だったのか、真相は藪の中だ。

☆☆☆☆

 

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サブマリン707 1

2022-09-07 10:31:01 | 書評:その他

 

 これは懐かしい。といってもあまり読んだ記憶はないんだが、大昔に雑誌に連載されていたことは知っていた。少年サンデーに連載が始まったのが、1963年(昭和38)というから、戦後それほどたっていないので、昭和の文化を色濃く受け継いでいるといえるだろう。

 最初ぱっとみて感じたのは、横山光輝さんの絵に似ているなということ。一瞬鉄人28号の金田正太郎君と大塚署長が出ていると思ったが、ネットで調べると、大塚署長の髭の形が違った(笑)それにしても、よく似ている。

 実際、横山作品と思っていた「ジャイアントロボ」は12話まで、横山さんとの共作だった。(実際には、横山さんが多忙なため、作画は小澤さんがやっていたようだ。その後諸事情で小澤さんは降板したらしい。)でも、よく考えてみれば、あの頃の漫画は、こんなタッチが多かった。

 さて、本作の内容の方だが、自衛隊の潜水艦707号(正式名称SS-707うずしお)が、日本を脅かす敵と戦うというものだ。この第1巻での敵はU結社だ。このU結社についての詳細は不明だが、たぶんこの時期なので、ナチス・ドイツの残党ではないかと思う。このUはUボートから来ているものだろう。

 このU結社の首領が、シュミット・ウルフといって、707の艦長速水の戦友という設定である。しかし、ウルフって英語だよね。ドイツ語ならヴォルフとなる。もしかして、先祖が英語圏からの移住者か。

 この古いタッチの絵柄がなんとも言えず懐かしい。自衛艦がバンバン砲撃したり、機雷を落としたり、潜水艦が魚雷をちゅうちょなしに発射したりしているのも、時代を表しているようだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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浅見光彦のミステリー紀行〈第6集〉創作の秘密、取材の裏話教えます

2022-09-04 09:30:55 | 書評:その他

 

 2018年に残念ながら亡くなられた内田康夫さんの代表作といえば、なんといっても浅見光彦シリーズだろう。永遠の33歳のはずなのに、(「遺譜」という作品でとうとう34歳になったが)その1年間に、100以上の事件に遭遇している。なんとも忙しいことである(笑)。といいながらも、絶筆となった孤道までは全部読んでいる。(ただ公募した「孤道 完結編」は一応買ってはいるのだが、私のいない間に家人が本を片付けたので、現在行方不明中だ)しかし、主人公がうら若き美女ならともかく、男が主人公なのに、これだけ読んでいる小説は他にない。

 漫画やテレビドラマにもなっているので、楽しみにしているのだが、やはり亡くなられて以後はペースがかなり落ちていると思う。

 さて本書であるが、何冊かに分けて、各作品創作の背景や取材の裏話について紹介したものである。取り上げられているのは、「薔薇の殺人」など10作品。そして、巻末には、山前譲さんの「浅見光彦研究」がついている。本書を読んで、それぞれの作品を読めば(もう読んでいるという人は読み直せば)、より、各作品を楽しめるのではないかと思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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終着駅に行ってきます

2022-09-02 11:40:55 | 書評:その他

 

 鉄オタと呼ばれる人にも色々な種類があるようだが、本書の著者である宮脇俊三さんは、鉄オタの分類でいけば、「乗りテツ」に分類されるだろう。なにしろ、鉄道に乗ることを趣味にしており、日本中の鉄道、いや場合によっては日本を飛び出しているし、ローカルバスに乗った旅紀行もある。中央公論社の常務取締役を務めながらも、紀行作家として、多くの作品を残している。

 本書は、25もの終着駅、すなわちどん詰まりの駅を訪れたときの紀行文である。

 初版を見れば昭和61年だ。国鉄がJRになったのが昭和62年だから、まだ国鉄時代の記録ということになる。それから何十年も経ち、宮脇さんも悪なり、国鉄はご存じの通りJRになって、民営分割された。本書に乗っている線路も廃線になったところが結構ある。また本書には載っていないものの、初版発行時にはまだ残っており、その後廃止されたどんつまりの駅のある線路もある。他の地方のことはよく知らないが、中国地方で言えば倉吉線(鳥取県)、可部線の可部駅~三段峡駅区間(その後可部線~あき亀山駅間が復活)、美祢線 鉄オタと呼ばれる人にも色々な種類があるようだが、本書の著者である宮脇俊三さんは、鉄オタの分類でいけば、「乗りテツ」に分類されるだろう。なにしろ、鉄道に乗ることを趣味にしており、日本中の鉄道、いや場合によっては日本を飛び出しているし、ローカルバスに乗った旅紀行もある。中央公論社の常務取締役を務めながらも、紀行作家として、多くの作品を残している。

 本書は、25もの終着駅、すなわちどん詰まりの駅を訪れたときの紀行文である。

 初版を見れば昭和61年だ。国鉄がJRになったのが昭和62年だから、まだ国鉄時代の記録ということになる。それから何十年も経ち、宮脇さんも悪なり、国鉄はご存じの通りJRになって、民営分割された。本書に乗っている線路も廃線になったところが結構ある。また本書には載っていないものの、初版発行時にはまだ残っており、その後廃止されたどんつまりの駅もある線路もある。他の地方のことはよく知らないが、中国地方で言えば倉吉線(鳥取県)、可部線の可部駅~三段峡駅区間(その後可部線~あき亀山駅間が復活)、美祢線大嶺支線などである。

 最近は地方では、少子高齢化がますます進み、どんどん人口が減っている。それに伴い、鉄道がどんどん廃線になっていく。やがては、そこに線路や駅があったことも忘れられてしまうのだろう。などである。

 最近は地方では、少子高齢化がますます進み、どんどん人口が減っている。それに伴い、鉄道がどんどん廃線になっていく。やがては、そこに線路や駅があったことも忘れられてしまうのだろう。

☆☆☆☆

 

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