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「植物図鑑」 有川浩 角川書店

2012-12-04 | 読書



「植物図鑑」って、どんなストーリーなのかとても興味があった。
勿論植物が絡んだ話にしても、植物にもいろいろある。
何度も書いているが、人に勧められると確かめもしないで読んでみる。そういう方法は当たりはずれがある。
この本も予備知識がなかった。

* * * 

集合住宅の1階に住む「さやか」がほろ酔い加減で帰ってくると入り口に若い男が倒れていた。
「拾ってくれませんか」という。怪しい風体でもなく、結構いい男だと感じたので拾うことにした。

一緒に暮らし始めると、彼は家事もうまい、特に料理がいい。さやかは夕食はコンビニ弁当で済ましていて料理は下手だったが、彼はこれでさらに得点アップ。高校生くらいから旅に出ているという、アウトドアの遊びも好きで、ついつい、さやかも外に出るようになる。

拾った男性(イツキ)に付き合って「さやか」も野山を歩いて、教えられた野草を摘んだりする。
彼はそれをうまく料理して出してくれる。さやかは野の風景を楽しみ季節の植物の料理の味を覚え、自然に触れて、生活観が変化していく。

勿論、お互いに理解が深まると愛情もわく。そして甘い同棲生活になる。

* * *

という話だった。最初の野草は「へくそかずら」から始まる。

恋愛中の二人が、野を歩いて、摘んで、料理して食べる。
イツキが作って持たせてくれるお弁当は、同僚にうらやましがられ、暖かい、いいお話になっている。

春の野草は、つくし、ふきのとう、たんぽぽ、クローバー、せいようからしな、のびる、よもぎ、すべりひゆ、など。
摘むのも楽しいが料理もおいしい。

面白い名前だという「へくそかずら」は何度か、「おおいぬのふぐり」も出てくる。

突然いなくなった彼が、いったい何者なのか、ちょっと気にかかるところもあって面白かった。

現実でも若い人たちはそうなのかもしれないが、二人のあまりの甘さ加減に渋茶が欲しくなった。

田舎で育つと、野草を食べるのは今でも楽しい。一年に一度は春菜を摘んで食べることにしているが、都会周辺の野山は、のびるなど、見られなくなり、たらの芽はスーパーに並んでいる。

花はかわいらしいのに可哀想な名前に「はきだめぎく」というのもあって、あちこちで見るたびに気の毒になる。
こういうことを書き出すと植物図鑑は止まらなくなるだろう。

図鑑コーナー並んだら楽しいなと有川さんは思ったそうだ。


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