文庫になったのが2011年、初版は2006年、「最新作」なので背景も現代に近い。
これで読み終わることになる。
今回の事件は、公園で喧嘩があり殴られたナイジェリア人が大麻を持っていた。鮫島は逃げた男の方が大麻樹脂を持っていたことを知り、大掛かりな故買屋の調査を始める。
不法入国、偽装入国などの不審な外国人が増えてきている。それをたどり、仙田の率いる「泥棒市場」を突き止める。
鮫島と同期で順調にキャリアの階段を上っていた香田が突然、組織防犯対策部の管理官に移動願いを出し、外国人暴力団の撤低排除を目的に活動を始める。
鮫島は香田から組対に誘われるが、彼とは警察官の使命は同じくするものの、その姿勢はお互いそりがあわないことがわかって
いた。鮫島は独自に調査を始める。
香田は外国人の組織を排除するために、裏で広域暴力団(稜和会)と手を組む計画を立てていた。
これは鮫島にとって到底認められるものではなかった。
鮫島は香田により休職処分を受ける。
仙田は意志を曲げて市場で麻薬を扱うことにする、それが稜和会のに繋ながり、関西から直系の幹部が送られてくる。
仙田は商品の目利きに中国人の女を使っていた、彼女は深見(仙田)と名乗る市場の管理者を心の支えにして尊敬していた。
だが関西から送り込まれた暴力団幹部石崎に惹かれ下で働くようになる。
深見(仙田)の過去や本名が判明する。
門野という、かつては警察官であり公安部に所属していたが海外に派遣されてからは、CIAとも関わりのあった人物だった。
仙田は女を愛していた、暴力団と関わりを持った今、市場が香田の手でつぶされれば命が危ない。
そして、鮫島の生き方に深く関わってきた仙田の知らせで 香田と石崎の密約が実現する場面に4人が集まる。
緊張感の盛り上がるシリーズ1、2を争う名場面だ。
これで読みおわった。
これからのことは分からない。さまざまな設定で楽しませてもらった。
だが、これまでの順位となると
1位 「新宿鮫」始まりとして入れておく
2位 「毒猿」
3位 「狼花」 かな
読書
22作目
1990年から始まったシリーズを読み続けて、発行が2000年まで来た。図書館にあった第1刷の単行本。
2段組440p重かった、本が(^^)
一作目に中国やくざとの抗争で刺された真壁が出所し、鮫島と出会うところから始まる。
鮫島と真壁は人生の表と裏を歩んできた。鮫島は真壁の行為を憎み真壁はしつこい鮫島を避けはいるが、事件を通してお互いを知るに連れ、一本気で頑固な、芯の通った生き方に何か通じるものを感じていた。
鮫島は相変わらず単独で、高級車の盗難を追っていた。
目をつけたのは、空き家にある有蓋の駐車場だった。
張り込みに便利な位置にある駐車場の管理人(大江)と親しくなって、そこから監視することにする。
真壁は抗争で足が悪くなり、不健康そうに見えたが、待っていた女とともに暮らし始める、戻ってきた暴力団(藤野組)からは、慰労の意味で閑職を与えられるが、やりがいのない仕事に苛立ちを募らせていた。
鮫島は盗難車の改造場所と保管場所を突き止めるが、見張っていた雑草地の中の井戸から、脂漏化した暴力団員の死体を発見する。
もう時効も成立した、昔の殺人事件だった。
真壁が帰ってきた藤野組は高級車を盗んで代行業者を挟み中国に売っていた、代行業者の頭は、抗争の折に真壁が売った弾で喉をやられて声が出なくなっている「王」だった。
「王」は、真壁が生きていて出所したのを知らなかった。
藤野組の頭脳系やくざが突然撃たれて死ぬ。
そして盗難車のビジネスが真壁に回り、「王」と顔を合わせるときが近づいてくる。
次々に登場する人物たちのつながりが次第に解けて、真壁の命がかかる取引場面に進んでいき緊張する。
シリーズの中では、面白いものに入る。やくざとはいえ、人生の裏を歩いてきて更生しようとする真壁、それを支える女も、その母も何か物悲しい。
ただ、何年かに一冊、新刊を読む人は別として、一度に読みきろうとすると、前作の話や警察機構の解説の繰り返し、地理や、歴史の詳細は少し疲れる。勉強にはなるけど。
ハードボイルドならシーンをスピーディーに流してほしかった。
★3 にする
読書
21作