~ピエール・フルニエのチェロ小品集~
フランクール:アダージョとアレグロ
ハイドン:メヌエット
ウェーバー:ラルゲットとロンド
ショパン:夜想曲 op.9‐2
リムスキー=コルサコフ:太陽への讃歌熊/くまばちは飛ぶ
シューマン:アダージョとアレグロ
バッハ/グノー:アヴェ・マリア
チャイコフスキー:感傷的なワルツ
ブラームス:野の寂しさ
ポッパー:よう精の踊り
ドヴォルザーク:ロンド op.39
サン=サーンス:白鳥
パガニーニ:モーゼの主題による変奏曲
チェロ:ピエール・フルニエ
ピアノ:ラマール・クラウソン
録音:1969年1月8日~10日、ミュンヘン、プレナーザール
LP:ポリドール(独グラモフォン 2544 184)SE 7810
ピエール・フルニエ(1906年―1986年)は、フランスのチェリストで“チェロの貴公子”と呼ばれ、その優雅な演奏スタイルで世界中の人々から愛された。度々来日し、わが国でも多くのファンを持っていた。パリで生まれたが、小児麻痺のためピアニストからチェリストへ転向。1923年、パリ音楽院を一等賞で卒業し、1924年、パリでコンサート・デビューを果たす。その後、エコール・ノルマル音楽院、パリ音楽院の教授を務め、1963年、レジオン・ドヌール勲章を受賞する。このLPレコードは、そんなピエール・フルニエの独奏により、珠玉の小品集が聴けるというまたとない一枚であり、懐かしい“チェロの貴公子”の優雅きまわりない演奏を思う存分堪能することができる。どの曲も、フルニエの温かい眼差しが隅々まで行き届いた演奏内容となっている。最近の演奏家の演奏はあまりゆとりが感じられない。我々はフルニエのような慈愛に満ちたチェリストに、もう巡り合うことはないかもしれないと考えると、このLPレコードの存在の貴重さを改めて思い知らされる。このLPレコードは、そんなピエール・フルニエが誰もが親しめる小品を演奏している。フランクール:アダージョとアレグロは、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集の1曲。ハイドン:メヌエットは、全6曲のヴァイオリンとヴィオラのためのソナタ第1番の第3楽章。ウェーバー:ラルゲットとロンドは、ピアノとヴァイオリン・オブリガートのための6曲のソナタ集の第2番と第3番の編曲。ショパン:夜想曲op.9‐2は、ポッパーによる編曲。リムスキー=コルサコフ:太陽への讃歌は、オペラ「金鶏」の第2幕のソプラノのアリアの編曲。同:くまばちは飛ぶは、オペラ「サルタン皇帝の物語」第3幕前奏曲の編曲。シューマン:アダージョとアレグロは、ホルンまたはチェロまたはヴァイオリンとピアノのための曲。バッハ/グノー:アヴェ・マリアは、バッハの前奏曲の上にグノーがメロディーを付けた曲。チャイコフスキー:感傷的なワルツは、ピアノ小品集「6つの小品」第6曲の編曲。ブラームス:野の寂しさは、op.86の全6曲からなる歌曲集の第2曲の編曲。ポッパー:よう精の踊りは、チェロ独自の美しさを生かした曲。ドヴォルザーク:ロンドop.39は、チェロのためのオリジナル作品。サン=サーンス:白鳥は、組曲「動物の謝肉祭」の中のチェロ独奏曲。そして最後のパガニーニ:モーゼの主題による変奏曲は、ヴァイオリンのG線による曲の編曲。(LPC)