森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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オバマ来日。首脳会談の成果は?
オバマが来日しました。
さっそく首脳会談がおこなわれました。
成果をどう考えるのか、それはみる人の立場によるのでしょう。が、私には具体的なやりとりはなく、抽象的な、課題を外からなでるだけのような感じを率直に受けました。
その成果に関して一つ。日本は普天間基地移転の問題では、「時間がたてば解決がむずかしくなる。可能なかぎり早く結論を出す」旨の首相の発言があったそうです。つまり鳩山首相は、閣僚級の作業部会を開催し、早期に結論が出せるようにしたいと言い出したのですから、その点、民主党政府にとってみれば後に引き返すことができなくなったともいえるでしょう。つまり、米国にとっては、これは「小さな前進」であって,なおかつ「大きな成果」なのかもしれません。
会談では、日米関係の深化が強調されました。メディアによれば、「日米同盟をさらに深化、発展させていきたい。50年という節目に、未来志向の日米同盟をめざして、きょうから協議のプロセスをすすめよう」という発信をしたらしく、その点では、首相は国民にむけても日米安保をどのように考えるのか、明確に示してほしいと思うのです。
日本は最初の訪問国であったことは事実ですが、しかし、米国の頭のなかでは、それが最重要国だということを示したものでも何でもない。たしかにオバマは日本にたいして文字どおり外交辞令よろしく、もちあげる発言と思えなくもない表現ももちいて会見していました。同時に、かなりの程度の淡白さも私には感じられましたが、どうでしょうか。おそらく、日本のあとに訪問する予定の中国への米国の関心は、日本へのそれよりはるかに大きいのではないでしょうか。
それにしても、鳩山首相の持論であった、緊密で対等な日米関係はどこにいったのでしょうか。オバマに対等な関係などと先手を打たれていました。(鳩山氏は)それに気をよくしたのでしょうか。ほとんど米国に同等にもの申すとはいかなかったようです。
その一端は、「日米合意は重く受け止めている。県外や国外を訴えたのは事実であり、沖縄県民の期待感が強まっている」とのべるにとどまったわけですね。これで、沖縄県民の思いがオバマに伝わったとは到底、考えられませんし、日米首脳会談についての国民のインタビューをメディアは報道していましたが、その中の一人が「(沖縄に)来て、見てほしい」とオバマにたいしてのべていたのがなおさら印象的でした。鳩山氏の発言は、この端的な国民の思いには少しも及ばないのです。
首脳会談は日本にとってはセレモニーに終わったし、一方、米国にとっては、普天間問題を早期に解決するという言質をとったという意味で成果はあったといえるのではないでしょうか。
(「世相を拾う」09258)
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国会改革というより国会軽視
国会は、たしかに立法府といわれてはいますが。しかし、法案成立マシーンと化してはならない。そもそも、こうした考えが出てくるのは、自覚しているのかどうか、それは別にして、政府提案の法案は成立させて当然、不成立は悪という一種の思い上がりに似た認識がある、と考えてしまいます。
与党:提出法案の会期内成立目指す 審議短縮で質問省略も 民主、社民、国民新の与党3党の国対委員長は12日、国会内で会談し、日本郵政グループの株式売却凍結法案など今臨時国会に提出した各法案の審議を急ぎ、30日までの会期内に成立を目指す方針を確認した。民主党の山岡賢次国対委員長は「審議時間がなければ、与党が我慢せざるを得ない」と述べ、審議時間短縮のため与党質問を省略することを提案。国民新党は同調したが、社民党は質問を行う考えを示した。 これを受け、山岡氏は自民党の川崎二郎国対委員長と会談し、与党単独でも審議入りを目指す意向を伝えた。これに対し、川崎氏は与党が審議入りを強行した場合、衆院議運委員長の解任決議案を提出するなど対抗手段を取る構えを示した。 民主・山岡氏「与党は委員会質問省略も」 法案通過優先 |
たしか、小沢一郎は、国会は野党と与党の議論の対決の場という意味のことをいって国会改革を強調し、政府・与党は一元化されたのだから国会での与党質問は不要などとのべてきましたから、小沢子飼いの山岡氏が上記のように発言するのは、当然といえば当然なのかもしれません。
けれども、野党の提案に合理性があると判断された場合、修正があってしかるべきだと考えるのが常識的なように私には思えます。
議員立法は制限する、また衆院各常任・特別委員会の定数削減や、政府参考人答弁の禁止などをうんぬんする小沢一郎の提案の方向は、審議の充実、とくに十分な審議時間の確保や公聴会や参考人質疑を重視するのを国民に開かれた国会だと考える立場からみるならば、それは真逆を向いていると考えざるをえないでしょう。
民主党の独裁性ということを以前にふれました(参照)。
つまり、議員定数削減問題で端的なように、少数会派への配慮など一顧だにせず、排除しようとする思惑が見え隠れするところに疑念を強く抱くのです。
国会改革ではなく、国会軽視と表現したほうがよいのではないか。
(「世相を拾う」09257)
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事件発生で地位協定の存在を知る屈辱
読谷男性ひき逃げ 米兵が事故車運転 県警、聴取要求へ 7日に読谷村楚辺の道路脇の雑木林で、ひき逃げされた男性(66)=同村=の遺体が発見された自動車運転過失致死、道交法違反(ひき逃げ)事件で、米陸軍トリイ通信施設司令官のジェームス・ウッダード大佐が10日午前、読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人の20代男性が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。実際にひき逃げをしたかについては捜査中とし、氏名も公表しなかった。県警によると、同日午前に米陸軍の捜査機関から「限られた範囲で上司の監視下に置き、通常作業をさせている」との連絡があり、米側が男性をトリイ通信施設内で禁足下に置いていることを明らかにした。 嘉手納署は11日以降、男性から任意で事情聴取をすることを米軍側へ求めていく方針。 |
聴取を要求というところから、まず引っかかりますね。日本国内での事件なのに、聴取するのにも米軍にお伺いをたてるという事実。
ここにこそ、日本国と米国、米軍との関係のありようを示す現実があります。地位協定というやつです。日本での米軍の治外法権を法的に是認している。したがって、たとえば犯人は米軍兵士だと分かっていても日本国は手を勝手には出せない。こうして、これまで米兵の犯罪が見逃されてきたのです。
石破茂は、もちろんこのような現実を知っていながら、ぬけぬけといっていますね。
米兵ひき逃げ「地位協定改定には結びつかない」 自民・石破政調会長 自民党の石破茂政調会長は11日午前の記者会見で、米兵が拘束された沖縄県読谷村での死亡ひき逃げ事件に関連し社民党が日米地位協定の見直しを求めていることに対し、「ストレートに地位協定の改定に結びつくものではない」と指摘した。そのうえで「(協定論議は)かえって困難な立場にある方々の救済を遅らせるのではないか」と述べた。 |
石破の発言とは逆に、地位協定がなかったら、事実解明が格段にすすんでいたであろうことは誰の目にも明らかではないでしょうか。地位協定の存在は、日本国にとって何らの役割も果たしておらず、むしろ米兵の度重なる犯罪を誘引しているようにさえ、私には思える。日本、沖縄では米兵が日本国によって直接逮捕されることなど、ないのですから。俺たちには(日本の)法律などクソ食らえだ、といわんばかりの米兵の姿が浮かぶのです。
上にあげた琉球新報の記事の時点から過去にさかのぼって記事を列記してみます。どうですか、米軍の対応に、その端々に、日本の法律の埒外にある米軍の横柄さが、語られる言葉とかけ離れて感じ取ることができるのではありませんか。
那覇市長 「米兵身柄引き渡しを」 外務副大臣に 那覇市の翁長雄志(おなが・たけし)市長らは11日午前、外務省で武正公一外務副大臣に対し、米兵が拘束された沖縄県読谷村での死亡ひき逃げ事件について、「犯人の身柄引き渡しを政府から強く要請してほしい」と述べ、容疑者の起訴前引き渡しを米軍に要求するよう申し入れた。 |
読谷村のひき逃げ:トリイ司令官、所属軍人の車両運転認める 同村で7日に発生したYナンバー車によるとみられるひき逃げ事件について、米陸軍トリイ通信施設司令官のジェームス・ウッダード大佐は10日午前、読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。同基地は軍人の身柄を容疑者として拘束している。ただ、実際にひき逃げした事実については捜査中として、氏名を公表しなかった。 |
ひき逃げ:雑木林に男性遺体 米軍関係者関与か 沖縄 沖縄県読谷村楚辺(よみたんそんそべ)の雑木林で7日、頭から血を流した男性の遺体が見つかった。県警嘉手納署は現場の状況などからひき逃げ事件とみて捜査。近くの修理工場に同日、米軍関係者の所有を示す「Y」ナンバーで、フロントガラスが割れた車を外国人が持ち込んだことが分かった。県警は関連があるとみて、この車を押収し、米軍に捜査協力を要請している。 |
Yナンバーなど、日本には要りません。
これ以上、米軍の犯罪の犠牲に甘んじろなど、どうしていえましょうか。
(「世相を拾う」09256)
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確信犯なのか- 偽装献金の鳩山氏
この記事の核心はもちろん、以下の部分。
鳩山氏は、「自ら署名した」ことを認めたというところです。確信犯だといえないでしょうか。多額の金額が動くのに頓着しないというのは、どうみても不自然。政治資金に充当していたことは承知の上のこと。こう考えるのが自然でしょう。いよいよ、疑惑は深まります。
献金問題:元秘書が年平均5000万円引き出し…鳩山首相 参院予算委員会で政治資金問題に関する自民党・西田昌司氏(手前右)の質問に答える鳩山由紀夫首相=国会内で2009年11月10日午後0時、平田明浩撮影 鳩山由紀夫首相は10日の参院予算委員会で、元公設第1秘書が、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」から、6年間にわたって年平均5000万円を引き出し、首相の政治資金などに充てていたことを明らかにした。自民党の西田昌司氏の質問に答えた。 5000万円の使途について首相は「私個人の支出や、政治家個人としての支出もあり、一体となった額だと理解いただきたい」と述べ、偽装献金に充てられた分がどの程度になるかは明言しなかった。「どこに使ったかデータは検察に渡っており、そこで調べているところと理解している」とも述べ、東京地検の捜査を見守る意向を示した。 首相は4日の衆院予算委で、元公設第1秘書が政治資金を引き出す際、自ら署名したことを認めた。9日の参院予算委員会で公明党の木庭健太郎氏が「金額は自分の口で語るべきだ」と追及。首相は「引き出した額が毎年どれぐらいか、調べれば正確にわかる」と述べ、調査のうえ予算委に回答する考えを示していた。 |
「六幸商会」に管理されているのは鳩山氏個人の資金だけではないといわれています。母親ほか家族の資金も管理されていた。だとすると、こうした親族の金が使われなかったという証拠があるのかどうかが問われてきます。個人の政治献金は年間150万円だということはこれまでのエントリーでのべてきたことです。
首相は、「どこに使ったかデータは検察に渡っており、そこで調べているところと理解している」などという方便はやめ、ただちに自ら解明の先頭にたたないといけないのではないでしょうか。この循環が、政治不信を生むことになるのでは。
少なくとも衆院選で寄せられた民主党への期待を裏切らないという決意が、首相には強く求められているといえるでしょう。
(「世相を拾う」09255)
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追記;政治資金を集めるためのパーティー券収入を過少に報告していたと疑われている小沢一郎。2000年から08年までの9年間で約10億円集めて、購入先の報告があったのはそのうちの6%に過ぎなかったことが明らかにされています。この政治団体は「小沢一郎政経研究会」。1回のパーティで20万円以上購入した団体は報告が義務づけられています。
こんな事例の連続は、少なくとも「政治とカネ」問題で、自民、民主の区別はほとんどつかないことを示しています。民主党にとっては、二代つづけて代表に疑惑がかけられていることに、どれほどの危機感を抱いているのか、それが問われているのです。
「政治改革本部」新設。先にやることあるだろうに。
「政治改革本部」、トップに小沢氏 民主、まず国会改革案 民主党は9日の役員会で、国会や選挙、政治資金の制度改革案を検討する「政治改革推進本部」の新設を決めた。本部長には小沢一郎幹事長、本部長代行に輿石東幹事長職務代行がそれぞれ就任し、幹事長室主導の体制となった。小沢氏自らが陣頭指揮を執り、まずは官僚答弁禁止など国会改革案をまとめる。 小沢氏は同日、海江田万里氏に事務局長への就任を要請。国会改革の具体策を早期にまとめ、一部は議員立法で今国会提出をめざすよう指示した。 面の課題は官僚答弁禁止と行政監視強化、国会会期の通年化など。続いて、戸別訪問の解禁、選挙活動へのインターネット利用を検討する。衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた企業・団体献金禁止の具体策も練る。 |
でも、おかしな話ですよね。
小沢、鳩山とつづいて自らの政治資金問題が発覚し、世間も注目しているにもかかわらず、それにも自らの態度をなんらはっきり表明することなく今日に至っているのに。政治改革本部の新設の前に、まず自らはっきりさせるべきことでしょう。
秘書の初公判が12月に予定されています。「企業・団体献金禁止の具体策」を練るといっても、これは企業・団体献金を禁止する決断をするかしないか、の問題でしょう。自らの疑惑を前にして、もうとっくに、一度は企業・団体献金を全面禁止といってみた小沢なのですから、それこそ小沢の「トップダウン」を発揮すればよい。
一連の流れをみると、国会改革を小沢がまず打ち上げ、そして民間の団体にすぎない21世紀臨調にも国会改革についての提言を発表させる(という理解が広がっている)という段取りが踏まえられています。その上での、政権党であるとはいえ、一政党が国会改革案をまとめるという今回の記事です。
もっとも懸念するのは、小沢の国会改革では、国会の固有の任務であるはずの国政調査権を縮小しようとする魂胆が透けてみえ、国会の機能が極端に弱まるということです。しかも、通年国会は与党にとって、法案を通過させる最大の手法でしょう。これまでの審議未了・廃案などという概念はふっとんでしまう。多数を握ったものが、政府提案の法案をすべて、ストップさせる便法だといえるでしょう。
今回の「政治改革推進本部」新設というのは、比喩的にいえば、民主党という一政党が国会を改革するという一事業に乗り出す上でのしくみづくりという、最初のステップが示されたということでしょう。それにしても、小沢という男は政治改革がほんとに好きな男ですね。これまでの政治資金規正法「改正」、政党助成法をめぐる彼の動向があらためて思い出されます。
(「世相を拾う」09254)
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米軍基地移転- 沖縄の声が聞こえぬか。
一方で、報道によれば、岡田外相は普天間基地移転問題が来年に持ち越すことを示唆したといわれています(参照)。 一つ前の記事で主張しているように、今この時期に政府はどんな立場をとるのか、これを国民、とくに沖縄県民に明示すること、これが求められているというのに。いよいよ先送りを決め込んでいるようです。ですが、前エントリーで私は民主党が下す結論について日米合意にもとずくへ辺野古に落ち着くのではないか、と推測しているのですが、そうなれば文字どおり沖縄県民と対峙することになるのは必至です。民主党の丁寧な説明を、今、まず沖縄県民にしなければならないでしょう。
民主党が政権について後の米軍基地移転にかかわる当ブログのエントリーを、以下に列記します。
(「世相を拾う」09253)
他党のことはいえても、自己規定ができない政権
正念場の民主党政権- 沖縄県民集会を前に
米軍の「要求基準」とは。
とどのつまり- 辺野古移転へ
日米関係のゆくえ- 基地問題で揺れる民主党政権。
前原さん、移転先にありきでは解決しないよ。。
しょせん「たらい回し』路線-鳩山「県外移転」では解決しない。。
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他党のことはいえても、自己規定ができない政権
政府がどんな結論をだすのか、それが今、求められているのですが、いまだにはっきりしません。
鳩山首相は、これについてメルマガでこういっています(参照)。毎日新聞がこれをとりあげています。
鳩山由紀夫首相は7日配信の「鳩山内閣メールマガジン」で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「前政権のように、対米追従の日米関係に疑う余地もなければ、新たな検討も必要ないのかもしれません。しかし、我々はこの問題で日本の意思を明確に示したい」と、麻生政権の外交姿勢を対米追従と批判。対米追従路線から脱却し、「県外・国外」も視野に入れた見直しを検討する考えを強調した。
首相は「前政権の野党時代から我々が主張してきた沖縄の基地問題に対する考えは、政権交代がなされた今こそ実現しなくてはならない」と指摘。その上で「移設先には沖縄県内・県外、日本国内・国外とありとあらゆる選択肢を真剣に検討し、結論を導き出したい。いたずらに結論を先延ばしする気持ちは毛頭ないが、安易に『いつまでに』と言えるような問題ではない」との考えを示した。 |
麻生政権を対米追従と鳩山氏は指摘しています。これはあたっていると思います。が、では、自らの政権はどんな日米関係をめざすのか。これが問われている。
民主党のマニフェストによれば、「51.緊密で対等な日米関係を築く」という項にこうあります。
- 日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくるため、主体的な外交戦略を構築した上で、米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす。
- 日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。
緊密で対等な日米関係というのはどういうものか見極めるには、具体的には、たとえば日米安保条約をどうするのかが明らかにされないといけません。そして、問題の普天間基地移転問題にかかわっては、「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」というのが、民主党のいわば公約でした。でも、これ自体、抽象的ですね。「見直しの方向で臨む」というのは、見直しを視野に入れることはのべているのですが、見直すかとのべているわけではありません。留保がついている。
公約でも、こんな不透明な部分を残し、現在にいたっても態度を鮮明に、換言すれば統一的な政策の方向を、示しえないところに最大の問題がある。
なるほど、鳩山氏は前政権を対米追従と批判しましたが、その対米従属の大本には日米安保条約があるのですから、具体的に民主党政権は日米安保にどんな態度をとるのか、それがはっきりしてこそ、今後の日米関係のあり方が決まるはずです。
鳩山氏のメルマガに典型なように、民主党政権の態度はこうだということを明示することなく日米関係という言葉が一人歩きし、沖縄の基地移転問題にしても、政府のとるべき方向が明確にされないまま、事態が動いているという点では、ストレスは溜まる一方でしょう。方向性がみえないという不安。これは、他者をいろいろと規定できても、自らを規定することはできないという民主党現政権の事情がある。仮にそうすれば、膨れすぎた同党の存在そのものを脅かしかねないからです。
政府は、国民・有権者の不安をとりのぞくこと、これも重要な仕事のはずなのですから、早々に懸案事項で統一した見解を明らかにしないならば、国民・有権者との溝は広がるばかりだということははっきりしているでしょう。
(「世相を拾う」09252)
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正念場の民主党政権- 沖縄県民集会を前に
この間の予算委員会では、民主党が野党として選挙に臨んだときの姿勢と、政権についてのちの発言の矛盾が浮き彫りになりました。国外・県外移転がそもそもの主張でしたが、時間が経つにつれて、まるで七変化のようにそれが変わり、岡田外相は嘉手納統合をもちだし、北沢防衛相は県外を諦めたような態度をとっています。いずれも、沖縄県民からすれば、公約違反の噴飯ものと即座に反発を買うにしか値しない民主党の対応といわなければなりません。
ですから、明日開かれる予定の沖縄県民集会は、今のこの状況のなかで沖縄の意思を明確にするという意味だけではなく、民主党現政権にむけてこの意思を突きつけ、公約違反を国内にアピールする重要な機会になると考えられます(参照)。
片方で、オバマ大統領の来日が近づき、その意味でも同集会は時宜にかなったものになりそうです。
新基地に新しい基地機能をもたせることが米国のねらいであることがすでに伝えられました。そうであるから、それだけに移転という課題を日本に実行させることに米国は力を集中し圧力をかけています。
そうした伏線もあるのでしょう、この数日、平野外相の集団的自衛権をめぐる発言がマスメディアをにぎわせています。
この発言は、オバマ来日もふくめて、今後の日米関係にたいする日本政府の位置づけ、別の言い方をすれば決意をあらためて米国に示すというねらいがあるように私には思えます。現行見解を捨て、集団的自衛権を解釈によって認めていくという筋道を米国に予め示すための発言だろうと思うのです。
日経新聞が「どうみる日米関係」と題して識者の意見を掲載する模様です。第1回は、北岡伸一東大教授(同紙7日付)。保守派として彼は日米安保を「アジアの安定に役立っている」と前置きしながら、鳩山氏が強調している緊密で対等な日米関係のあり方について発言しています。この論旨は、当然ながら、日経が支持する立場でしょう。
日本が安全保障上の役割を高めて対等に近づくならいいが、米国の役割を低めて対等に近づけるのは困る。これでは、「緊密で対等な関係]にはならない。
在日米軍再編問題などについて、鳩山政権がいつまでも決定を先延ばしするようだと、双方の不信感が高まり、「弱体で対等な日米関係」になってしまう |
このように米国からみれば涙がでるほどうれしくなるであろう見地からものをいっています。まあ、「日米同盟の強化」こそ民主党のとる態度だというわけですね。
その米軍基地移転問題ですが、北岡氏はこう受け止めている。ずいぶん身勝手な論理だと思わざるをえません。負担をかけてきたのは申し訳ないが、今後もそれに甘んじよというに等しいものです。
沖縄の県民に負担がかかるのは本当に申し訳ないことだ。だが、地政学的に沖縄はとても重要な場所に位置している。・・・・・・沖縄からすれば、同県は本当に不運な位置にある。その分、日本政府は沖縄にもっと例を尽くし、色々な支援をすることで地元の負担を補うべきだ。首相自身も沖縄に行って、基地受け入れを説得すべきだ |
しかし、地政学的に、とここでと表現するのは、その視点がまさに戦略を遂行する立場であることの表明です。戦略上、重要か否か、そこに住む住民にそれ自体は無関係のことです。
そうではなく、こう考えることはできないのか。
同じ民主党政権は、内容が具体的になってないとはいえ、東アジア共同体構想なるものを一度は打ち出しています。それを真に東アジアの平和と安定に寄与するものとして、隣国と手をつなぎ確立する道は開けないのか。沖縄県民もふくめて、もし同党の考える構想が平和・安全のためのものだと理解されれば、多勢の賛同をうることが可能でしょう。
北岡氏のような、現行安保条約を所与のものとしてそこから出発する考え方を一度、横こに置いた上で検討に値するものではないでしょうか。沖縄の人びとにこれ以上、犠牲を払えということはもう止めたらどうでしょう。今後は即座に止めることを私は支持します。
前段でふれたように、平野官房長官の発言は、今後の首脳会談の行方を暗示しているようでもあります。北岡氏は、平野氏がとりあげた集団的自衛権について記事でつぎのように語っています。
そもそも日米安保条約で日本は米国とは対等な役割を担っていない。米国は日本を守るが、日本は米国を守らない。その代わり、日本は基地を提供している
日本やアジアの平和と安定を守ろうとする米軍の活動に対し、日本がより大きな役割を担うことが必要だ。そのためには集団的自衛権行使を禁じている解釈を少し、見直すことがカギになる |
もちろん北岡氏のいう対等な関係とは、軍事面での対等という留保がつきます。ようは対等な軍事的役割をもつということにほかなりません。いまや北岡氏と平野氏の発言の意味と両者の脈絡は明白でしょう。
北岡氏の発言は、民主党と同政権内の保守・改憲潮流を外からはげますものであって、平野氏はそれを加速させ、内外に広める点で一役買っています。
ですから、たとえば先の衆院予算委員会で、岡田外相のとったほとんど訳の分からない態度も了解される。岡田氏は、自分が同党代表のときの発言を指摘され、最近の彼の嘉手納統合案との矛盾を衝かれ、事実上、回答不能という状態にほかならなかった。理由は、代表だったときと今とは状況が違うというものでしたが、そういうだけで、何がどうかわったのか、明らかにしなかったのですから。
米軍基地再編問題はSACOに遡らなければならない(参照)。SACO合意は、岡田氏が代表を務めるずっと以前のものなのです。
こうした、無理をとおそうとする姿勢は、一皮むけばもう民主党の態度は日米政府合意、つまり辺野古に決定しているのではないかという疑いすら強くもつのです。しかも、集団的自衛権行使を約束するとなれば、この間の経過もふまえて、いよいよ対等な日米関係とはほど遠いものにならざるをえません。
(「世相を拾う」09251)
追記;当然、社民党のとる態度が注目されます。福島氏の態度は、結果的に、政権保持を沖縄県民への共感に優先させるものといってもよいのかもしれません。
福島党首、沖縄県民集会への出席取りやめ 内閣に遠慮
官僚答弁禁止のロードマップ- 解釈改憲という自民党との連続性
平野官房長官が4日、政府の憲法解釈を国会で示してきた内閣法制局長官の過去の答弁にしばられないとの見解をのべました(参照)。
過去の法制局長官の答弁が(自民党)政府の見解として保持されてきたのは周知の事実です。一方で、この間の一連の動きは、民主党が強調してきた官僚答弁禁止という態度が、どこにいきつくのかを暗示しています。いうまでもなく集団的自衛権に照準をあてているということです。
すでに小沢一郎は10月7日、国会での官僚の答弁を禁じる国会改革に関連し、「内閣法制局長官も官僚だ。官僚は(審議に)入らない」とのべ、憲法や法律に関する政府解釈を行う内閣法制局長官の国会答弁を禁止する考えを明らかにしていました(参照)。
この記事にあるように、内閣法制局長官は、人事院総裁・公正取引委員会委員長・公害等調整委員会委員長と並んで、政府特別補佐人として国会に出席させることができると、国会法69条2項は定めています。法制局長官はまた、閣議に非認証官として唯一出席できる。これにしたがい、歴代政府は、幸か不幸か、内閣法制局長官の解釈をもとに、統一した見解を保ってきたといえるわけですね。たとえ、内閣がかわっても、自民党政権はそれを踏襲してきたという側面をみておく必要があるでしょう。
小沢の主張は、政治主導の名で、官僚の介在を排除し、時の内閣の判断ですなわち見解となるようなしかけにしてしまおうというものです。官房長官の踏み込んだ集団的自衛権についての発言は、議論をその方向に加速させる役割を担っているといってよいでしょう。集団的自衛権は、自国の防衛とは無関係の、他国の「防衛」に参加する行為で、憲法九条が定める「自衛のための最小限」の実力行使を超えるものであり、「憲法上認められない」(1981年の政府答弁)というのが現行解釈です。
ですから、官僚答弁の禁止という手段によって自民党政権時代の対応を切断しながら、歴代の自民党政権が縛られてきた内閣法制局見解からの解放を図る。政府の判断によって解釈をかえるというねらいが透けています。
しかし、自民党政権時代にも、法制局見解に縛られる一方で、以下にあげるような検討が加えられてきたのです。現在に近いほうから、2つをあげておきます。
麻生首相(当時)は昨年9月末、首相官邸で自民党の中山太郎憲法審議会長らと会談しています。そのなかで、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使について、「国会に設置されている憲法審査会を早く動かして、与野党一体となって国民のために議論してほしい」とのべています。中曽根外相(当時)は、麻生首相の憲法解釈変更の考えについて問われ、「安全保障の環境は変わってきた。国連平和維持活動(PKO)で一緒にいる外国軍、近海で共同演習している米軍が攻撃された場合、どうするかを考えておかないといけない」とのべているのですから、その後、交代という形式的な政権の非連続性があるものの、憲法を解釈によって変えていこうとするベクトルは少しもかわっていないと判断せざるをえないでしょう。
さらに遡れば、その1年前のことです。
安倍晋三は首相として、米軍と海外で共同作戦を行うことを念頭に、公海上で併走中の米艦船が攻撃を受けた場合など四類型で集団的自衛権の行使の可否についての研究を指示しています。諮問を受けた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は08年6月に、福田康夫元首相に対し、憲法解釈の変更によって「可能」とする「報告書」を提出していました。その報告書は、「憲法9条は明文上、集団的自衛権の行使を禁じていない」「安全保障環境が変わった」などの理由を挙げて、集団的自衛権の行使は憲法上「可能」としているのです。
政権がかわって飛び出した一連の発言は、その意味で忠実に過去の検討を継承したものです。
新政権の動きに敏感に読売新聞が反応しています(参照)。
本日社説で内閣法制局答弁にしばられないという政府の態度を歓迎する立場を明確に表明しました。
これもまた、脱官僚の名の下に隠されている危険なしかけなのですが、ようは、官僚にたいする批判を逆手にとって、自民党政治がやれなかったことをやろうとする任務を新政権が担う、それを端的に示す問題です。
(「世相を拾う」09250)
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政権交代のなせる技か。
以下の2つの問題において、交わされる言葉はどちらも否定形ですが、政権の非連続、自民党政権から民主党政権にかわったという客観的な変化があったわけですから、それを考慮すると、同じ平野官房長官の態度は、以下の2つの問題で真逆だとみえます。
1番目の官房機密費問題では「公表しない」という態度は、文字どおり自民党政権の継承だといえます。その内容を国民・有権者に明らかにしない。まさに機密ということでしょう。
逆に、2番目の問題では、これまでの自民党政権が準拠してきた一つのモノサシともいえる法制局長官の答弁に拘泥しない、これを否定することもあるというわけです。従来の自民党政権とは、これは明確に異なります。
ただし、ここまでの展開は、自民党と民主党とは異質のものだという前提があったればのことです。たしかに異なる政党です。その主張には、重なりあう部分もあり、斥けあう部分もないこともない。ところが、そうしたちがいを一端、横において、二大政党間の政権交代に積極的な、あるいはこの2つの政党間の交代(こそ)は許容できるという立場にたてば、この2つの問題は上にのべた展開とは違ったものとして解釈できるのではないでしょうか。
機密費の問題は、権力の維持に必要不可欠だという認識があるから、公表しない、自由な行政の運用があってよいという判断になる。権力について、死守してきた部分です。
一方での、内閣法制局見解を見直すかのような発言はどうでしょう。これまでの自民党政権が、乗り越えようと思って乗り越えられなかった部分ではなかったのか。可能であれば、これを見直したかった、そうした意見が内部に存在したのはたしかでしょう。それを、政権交代という現象が可能にしたわけです。私たちの周りでもよくあることでしょう。上司が交代した途端に、従来のやり方を一変させてしまうという。そこに、傍目には何の根拠も提示されていないというのに、席に座る人物が交代しただけという理由で環境が変わるのです。
こうして考えると、平和、防衛・安全保障にかかわっては、この日本国には日本国憲法という他にかえることのできない、重い存在があったし、今もあります。だからこそ、この日本国憲法にたいして常に、さまざまな攻撃が加えられてきたのが日本戦後史の一つの側面でしょう。そもそも自民党という政党は改憲を党是としているのですから。
しかし、戦後史は、それを今日まで不可能にしてきたわけです。65年にもなろうとする長い歳月のなかで、自民党はその意味で足枷をかけられてきた。国会答弁のなかで「約束」させられてきたわけです。その一つが、この内閣法制局見解でしょう。仮に自民党が総選挙でも勝利し、政権を保持していたとしても、このタイミングで平野氏よろしく「過去の法制局答弁にしばられず」とはいえたでしょうか。いえない。なぜなら、これまで法制局答弁に従うことをのべてきたのですから。打ち消すには、重大な責任が伴うし、その意味で勇気が要るのです。
責任はないかのようにふるまい、勇気を出すこともなく見直しをいえるのは、そこに交代という現象があったから。しばしば民主党現政権は、閣僚の答弁のはしばしに前政権は、前政権の、という言葉をのべる。そういって一端、責任を逃れておく。これは政治にとっては有効な手段といえましょう。
そうして、前政権のいったことと突き放し、自民党がしようとしてできなかったことを民主党がやってのけることも想定できる。しかし、そんなことは無条件に許すものではないでしょう。いちいち吟味が必要です。
つまり、機密費を公表しないのは、政権につくもののこれまでの常識であって、法制局答弁を無きものにしようとするのも同様に、少なくともこれまで政権についたものの、できればそうしたいという連続する考えであるだろうということです。
結局、民主党には、自民党がやれなかったことを自民党以上の右寄りの姿勢で乗り越えようとする意思もはっきり存在することを示しましたし、改めて注目したいのは、以上の2つの問題には自民党政治を継承しようという強い意思が貫かれているということです。
官房機密費の使途・金額「公表せず」 平野官房長官 平野博文官房長官は5日の記者会見で、歴代内閣が使途を公開せずに使ってきた官房機密費(内閣官房報償費)について、鳩山内閣でも使途や金額を公表しない方針を明らかにした。民主党は野党時代の01年、官房機密費流用防止法案を国会に提出、03年統一地方選政策集にも機密費改革を盛り込むなど、使途の透明性確保を主張していた。 平野氏は会見で、河村建夫前官房長官から官房機密費の引き継ぎを受けたことを明かしたうえで、「報償費という性格上、少なくとも相手があることだし、オープンにしていくことは考えていない。私が責任をもって適切に判断しながら対処する。発表は差し控えたい」と語った。前政権からの引き継ぎの際の残高についても「発表は差し控えたい」と述べた。 官房機密費の必要性については「内閣・政府にとって重要な情報収集、その情報収集に対する対価」と説明。透明性の確保は「私をご信頼いただきたい」と強調したうえで、「可能な限り今でも会計検査院でチェックを受けている」と述べ、使途を公表しなくても、疑義は生じないとの認識を示した。 歴代政権は、内閣法制局の了解がなければ、事実上、憲法解釈の変更には踏み込まなかった。今回の発言は、憲法解釈も政治主導で行う原則を示したとみられるが、時の政権の都合で憲法解釈が安易に変更される恐れもある。 平野氏は会見で「これまでの法制局長官の憲法解釈には内閣はしばられないのか」と問われ「もちろんそういうことだ」「政治主導だから、政治判断で解釈していく」と述べた。 集団的自衛権の行使を違憲とするこれまでの政府解釈については「現時点では過去に解釈されたことを踏襲する」と述べた。一方で「踏襲はするが、無条件で内閣はしばられないということか」と問われると、「もちろん」と答えた。解釈変更の可能性については「世界情勢が大きく変わったときにはその時点で判断する」と述べた。 |
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NHKスペシャル- 新政権への、先行き不安を解消してくれという発信
ですから、政権を担う民主党が考えなければならないのは、マニフェストにかかげた項目のうち、国民・有権者の多くが期待している政策項目を優先的にとりあげ、実行に移すロードマップを確定することではないでしょうか。現状は、それがはっきりせず、期待をかけた人びとをその限りで裏切っているともいえるでしょう。
たしかに、長い間の自民党政権を引き継いだわけですから、旧弊・悪弊が山ほどあるのかもしれませんし、そう簡単ではないだろうことも推測されるわけです。が、たとえば野党時代の共同提案したはずの後期高齢者医療制度の廃止も現時点ではその目処がたったとはいえない状況です。世間では、これを担当する長妻氏の野党時代の咆哮が、政権についたとたんに消沈し、なかには氏自身の身を懸念する意見も散見されるような状況です。ミスター検討中という彼にたいする揶揄は、政権のいわば逡巡を象徴する代名詞と理解してもよいほどです。
NHKが連夜、放映しているNスペ「永田町・権力の興亡」。昨日、視てみました。国会議員、というよりも世間一般でいう大物たちのインタビューと映像による前段の構成に新味を感じることはできませんでした。面白かったのはむしろ、後半に配置された、高村薫(*1)と山口二郎(*2)、御厨貴という二人の政治学者の小対談。
高村が、冒頭にあげた国民・有権者のおそらく今現在の思いを代弁して的確な意見をのべていました。彼女の発言の要旨は、新政権は何をやろうとするのか、なぜそれをやるのか、やるとどうなるのか、きちんと国民に説明してほしいと、おおむねこんなものではなかったでしょうか。そして彼女は、それがなければ、新しい政権ができたメリットがないと言い切りました。まったくそのとおりでしょう。
新しい政権ができたことをそのこととして国民が受け止めるのは、それ以前の政府とやり方がかわったり、めざす方向が異なっていたり、実行に移された結果においてでしょうから。それが今は、はっきりと国民が感じ取れるものになっていないところに問題がある。
さらに将来図を描いてほしいと新政権に彼女は求めました。
この高村の発言の向こうで、たとえば鳩山首相の、(普天間基地移転問題での)「いつまでに結論を出せると申し上げる段階にない。米大統領が来るまでに決めなければならないとは思っていない」という答弁に、国民が不安を抱く発言の典型を私はみるのです。
つまり、高村は、将来がみえない不安を国民・有権者の声を代弁して語っている。
先行き不安の解消こそ、政権交代に多くの国民が賭けたものだといえるのでしょうから、民主党にとっても焦眉の課題のはずです。
(「世相を拾う」09248)
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*1;とりあえずウィキペディア参照。
高村については、以下のエントリーで言及しています。
「無党派」は保守だった-高村薫の見立て
この国の07年政治-安倍退陣から大連立へ
*2;山口二郎が、民主党による政権交代を主張してきたのは周知の事実です。彼はこの小対談で、民主党には今、思想・理念が問われているということをのべていました。つまり、この山口の発言は、彼が、民主党の思想の不在を承知の上で政権交代を唱えてきたということもあわせて証明しているわけですね。ご丁寧に、主張を鮮明にすると反対する人もでてくる、嫌われることより好かれることを(民主党は)選んだと同党をフォローする彼の姿は私には滑稽に映りました。
山岡国対委員長は、強行採決ではなく、国会監視・包囲をよびかけよ。。
民主党・山岡国対委員長は、小沢の子飼いみたいですから、当然といえば当然の発言なのかもしれません。小沢自身はこれまでのエントリーでふれたように、国会運営の効率化を理由に、さまざまな手練手管を準備しているようですね。たとえば、先のエントリーでは小沢自身の著書で、委員会定例日の廃止、国会の会期制、大臣の義務づけ廃止などを主張していたわけです。
法案審議「強行採決も辞さぬ」 民主・山岡国対委員長 民主党の山岡賢次国会対策委員長は1日、金沢市で行われた同党県連パーティーであいさつし、2日から始まる衆院予算委員会と法案審議について、「何があっても3日間で終えるつもりだ。(野党が)邪魔をするなら国民生活を守るため、強行でも法案は可決していくという固い決意でこの国会に臨む」と述べ、野党が国会を止めるなどの対応をした場合、強行採決も辞さない姿勢を明らかにした。 国民生活に直結する法案として、山岡国対委員長は新型インフルエンザ対策法案や、中小企業の借入金の返済猶予を促す中小企業金融円滑化法案などを挙げた。 |
その延長線上に山岡氏の発言はあるでしょう。「国民生活を守るため」という口実は、繰り返されてきたマニフェストは信任を受けたのだからという言い分の裏返しだと思えるのですが、つまり多数を得て信任された以上、政府の方針を貫徹することが国民を守ることと短絡的に解釈され、よって国会運営も政府の思惑を第一に貫くというわけです。与党議員の議員立法提案も、質問の省略も、この類の発想です。
けれど、ここには落とし穴がある。誰も民主党に白紙委任をしてはいないということです。なかには民主党のやることはすべて正しいのだから、すべてオーケーと考えている人、一部のブロガーのような絶対的信奉者がいないとはいいません。
分別のつく人なら、同党のマニフェストの一々を吟味してみれば、すべてが同意できるという人は率直にいって少ないのではと思います。逆に民主党の
マニフェストで示されている公約の)すべてにオーケーを出せる人とは、いったいどんな立場の人なのか、と疑わざるをえません。つまり、それほどマニフェストは統一性が保たれているとは思えなのですから。それは、同党の議員の構成をみるだけで了解しうるのではないかと思うのです。
朝日社説(2日付)が国会改革にふれています(参照)。その論調は、明らかに民主党政権を支援する立場です。これまで二大政党の確立をめざして旗をふってきたのが同紙ですから、あらためて、政権を民主党がとってのち、その立場が強調されています。
それでも、末尾でこう強調せざるをえなかった。
4年前の郵政選挙で自民党が大勝して以来、国会での「巨大与党の暴走」に対する懸念が強まっている。暴走を食い止めるのは、なんといっても政権交代の可能性である。民意の厳しい監視が必要だ。
新時代にふさわしい国会の姿を描くのは、私たち有権者の責任でもある。 |
つまり、国会の暴走が民主党を応援する朝日でも危惧されるのですね。山岡氏のいう強行採決という言葉は、最近でいえば、あの安倍晋三が首班の内閣で繰り返されたきた記憶うぃあらためて蘇らせます。安倍内閣は、たとえば教育基本法の採決のように、数を頼りに強行を次々に繰り返したのでした。
そして、その危惧をさらに後押しする世論調査の結果が本日、朝日朝刊で公表されました(参照、*1)。調査によれば、05年総選挙で民主党に投票した人のうち今回総選挙で同党にいれた人が81%なのは横に措くとして、前回、小泉への圧倒的な支持を表明し、自民党に入れた人の4割は今回、民主党に投票しているという結果です。05年に自民党に投票し、今回も自民党に入れた人は5割にとどまったというのです。
小泉改革にたいする今現在の世論の評価がいかなるものか、同時に調査されているわけではありません。その点がはっきりしておれば、有権者の意識状況はなお鮮明になるのでしょうが、今、それを望むことはできません。
それを前提に考えると、小泉を当時支持した人々が、世間の情報動向を反映しつつ民主党支持に回った人が少なくないということです。当時は、郵政カイカクをやるという小泉の端的な主張が、その中身の吟味はほとんどなく受け入れられたといわれましたが、そうすると、山岡氏のいう「国民生活を守る」という一点の強調だけが再び、先行してしまう可能性も少なくないということでしょう。
有権者の意識は多様化しているといわれながら、選挙制度のありようも手伝って、二極に収斂するしくみが、あれかこれか、自民か民主かという選択肢を現実には強いている。
その現実から、少しでも国会と有権者の距離を縮めるには、今のメディアの情報操作をあらためなければなりません。
国会と国民・有権者の接続をどのように確保していくのか、日本の今日からその点を考えると、可能なかぎり国会の論戦がそのまま、国民・有権者に伝わるようなしくみ、国会中継の制限ではなく、その逆にむしろ国民との接点を広げるような報道、大幅な論戦の紹介が求められるし、各党討論をもっと報道するなどのしかけが求められるでしょう。
山岡国対委員長の発言は、運営の非民主性を当然視するという意味で認められるものではありません。しかも、国民生活を守ると語りながら、国会運営にそれを圧しとどめようとしている点で。
その前提には、国民の信任を受けた、受けたものは自らの政策も支持されたという過信と傲慢さが底流に流れているのではないかと思うのです。国民生活を守るのに反対する政党がいるのなら、その姿をありのままに国民・有権者に伝えること、これが一番であって、それに対抗する世論を形づくる上で民主党がその先頭に立つことが求められているということでしょう。
(「世相を拾う」09247)
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*1;西部版では13面一全面で報道。調査は、現熊本県知事・蒲島氏時代のダイアグラムを用いて各党(候補者)と有権者の政策的な相関、位置関係を二次元で示すなど、実証的手法を継承しています。
しかし、その政策的位置関係は、むろん調査時点の定点的なそれであって、同時に明らかにされている自民党支持から民主党支持への無視しえない流動化(の実態)をこの二次元図では表してはいないということです。縦軸の(従来型-改革型)、横軸の(保守-リベラル)という指標は、有権者にかぎっていえば選挙のたびにかなり動くということでしょう。
首相の偽装献金・申告もれ。単なる脇の甘さではすまされない。
今回の一件は、何を意味しているのでしょうか。
納税は個人のものでしょうが、以下にみるように、平野官房長官の言葉ですますことがはたして妥当なのでしょうか。
鳩山首相:7200万円申告漏れ 08年株売却、修正へ 鳩山由紀夫首相が08年に株を売って得た7226万円余の所得を税務申告していないことが分かった。毎日新聞の取材を受けた首相側が調べたところ判明し、明らかにした。首相の事務所は「売却益の扱いに手違いがあった。ただちに修正申告し、(衆院に提出した08年分の)所得報告書も訂正する」と話している。 政治家の所得や資産を巡っては、確定申告に基づき年間の所得を所属する院に毎年報告する所得報告書▽所有する不動産や株式、定期預金などを選挙のたびに院に報告する資産報告書(増加した場合はその都度補充報告)▽閣僚就任時と辞任時に行う資産公開--などがある。 |
そうとは思えません。なぜなら、首相には、すでに明らかなように政治資金報告について重大な疑義がかけられている。偽装献金問題です。ここでも、彼は修正につぐ修正を重ねているではありませんか。
そうであるなら、どうも鳩山氏は、自らも議員としてかかわったはずの政治資金規正法の改定を歯牙にもかけておらず、くぐり抜けれるものなら、いかなる手を回してでも外形を整えておけばよいくらいの認識ではないか、と考えられるのではないでしょうか。
税金の問題についても同様です。所得税法にもとづき、形式的に納税をしておけば事足りる、こう考えているのではないかと疑われるくらいです。つまり、適正に処理することには、それほどの関心がない、と。いわゆるコンプライアンスです。遵法などという言葉は、私なんかはしっくりこない感情の部分があるのですが、議員という「職業」は、立法府をベースにするものである以上、それが常に問われるであろうことは誰でも分かることです。
7000万円の申告もれをする人物に、たとえば話題になっている、母子加算の復活を心底よろこぶ生活保護受給者の心情がはたして理解できるのでしょうか。
この感覚のちがいは深刻ではないでしょうか。
冒頭に戻ると、これを自民党は鬼の首をとったかのように扱い、民主党攻撃の材料に使うでしょう。首相の偽装献金問題と併せて。政権誕生後まもない今の時期、政権の不祥事を何かと探し出そうとおそらく考えている自民党を助ける事態といえるかもしれません。
私はむしろ、この問題をふくめて、政治とカネの問題で、自民党と民主党を隔てるものはないと実感するのです。もともと鳩山氏は自民党を飛び出した身ですので、その意味で根は一つということもできます。もちろんこういってしまうことは、自民党や民主党の議員の中に適正に政治資金報告をおこない、納税をおこなう人物がいないということと同じではありません。
これは、鳩山氏が代表質問で答弁したように、誰が今日を招いたのか、あるいはあなたたちにはいわれたくない、と一蹴できるものではないでしょう。
一政治家として、それ以上に一国の首相として「政治とカネ」をどのように理解しているのか、申告もれはどんな要因で生まれたのか、国民・有権者に説明する責任があるでしょう。
首相ですから、まあガバナンスの力量が問われることはまちがいないわけで、その意味でも彼自身、周辺で起きる一つひとつにどのような見解をのべ、解決していくのか、説得力のある弁明でないと、その資質を問われる事態だと私は考えます。
(「世相を拾う」09246)
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官僚大ばか論
「霞が関」は大ばか=菅担当相 「知恵、頭を使ってない。霞が関なんて成績が良かっただけで大ばかだ」。菅直人副総理兼国家戦略担当相は31日、民主党都連の会合での講演で、激しい言葉で官僚を批判した。 「効果のない投資に振り向けてきた日本の財政を根本から変える」と財政構造改革に取り組む決意を明かした菅氏は、官僚から「2兆円を使ったら目いっぱいで2兆円の経済効果だ」と説明を受けたことを紹介した後に、「大ばか」発言が飛び出した。官僚嫌いで知られる菅氏は、学業は優秀でも過去の例にとらわれて柔軟な発想に欠けると言いたかったようだが、官僚の反発を招きそうだ。 |
官僚主導を排するという民主党の主張も、こういった言動を聞いてしまうと鼻白む。ほとんど怨念めいた感情に近い。
こうした激しい口調を菅直人が繰り返せば繰り返すほど、これまでのいびつな自民党政治がどこに起因するのか、隠されていく。今日の財政事情をもたらしたのは、官僚がどこの圧力を受けることなく進めてきた結果、ではないだろう。財界の意向を受けて政治が政策づくりを官僚に指示し、任せてきた。
こうした発言をする菅の意図がどこにあろうと、自民党政治を免罪する結果にしかならない。発言すべきなのは、財界の意向を大事にし、財界が主導する政治が現実におこなわれてきたことであって、それを指摘し、財界主導の政治を新しい民主党政権はあらためるということを伝えることだ。
(「世相を拾う」09245)
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きょうは、すくらむさんのブログを紹介します。国家公務員一般労働組合の仲間のブログとあります。
一般労働組合ですから、合同労働組合ということになるのかしら。ようは、所属する職場や雇用形態に関係なく、個人でも加入できる労組ですね。
しばしば、労務政策上は、分断して労働者を管理していく手法がとられてきましたから、それを乗り越え(ようとす)る組織でもあるのでしょう。
さて、すくらむさんのブログは、労働組合の、組合員の実践がそこに集約されていますから強い。ですから、池田信夫大先生も、ホリエモンも、このブログをいわば目の仇にするかのようにとりあげるという名誉をもつブログでもあります。
雇用不安、労働者派遣法の抜本改正の課題、公務員バッシングの連続。この時勢、もっとも活躍が期待されるブログの一つではないでしょうか。
教えられるところ大。
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