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他国に介入し政権転覆を図る米国を許さない

2019年05月03日 11時18分55秒 | 政治

                                

                     「植草一秀の『知られざる真実』」
                                  2019/05/02
  他国に介入し政権転覆を図る米国を許さない
            第2321号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019050223052954215 ──────────────────────────────────── 日米関係が日本にとって重要であることを否定しないが、米国が何をおいても 素晴らしい国で、米国のいうことなら何でも無条件に聞き入れるという姿勢は 改めるべきだ。
日本政治の最大の問題点がここにある。
敗戦後、日本政治は一貫して「対米従属」、「対米隷属」のくびきから離れる ことができずに今日に至っている。
政治屋は米国に隷従してさえいれば、政治的、社会的、経済的に安泰でいられ る。
だから、米国にモノを言うことをしない。
与党の政治屋だけでなく、野党の政治屋も多くが、この行動様式から離れられ ない。
日本は米国の植民地、属国という地位から抜け出すことができない。
敗戦後の日本で、米国に対してもモノを言おうとした政治家は少なからず存在 した。
しかし、そのなかの力量のある政治家は、ことごとく激しい人物破壊工作を受 けてきた。
この現実を見て、大多数の政治屋が対米隷属、対米従属の路線に堕してきたの だ。
敗戦後日本の対米隷属路線の父祖は吉田茂と岸信介である。
両名とも、米国が日本の要職に就任させたものである。
このくびきから日本は脱却できていない。
日本政治を刷新するとは第一にこの対米隷属から脱却すること。
すなわち、日本の自立を果たすことである。

米国は米国の利益のために暴虐、非道の道を突き進んできた。
2001年に発生した「同時多発テロ」は米国による自作自演の疑いが濃いも のであるが、この事変を口実に米国はアフガニスタン侵攻、イラク侵攻を強行 した。
対イラク戦争では、イラクが大量破壊兵器を保持しているとして軍事侵攻した が、イラクは大量破壊兵器を保持していなかった。
単なる米国による侵略戦争であった。
イラク戦争でイラクの罪なき人々が50万人も殺戮された一方、米軍の犠牲者 は7000人を下回る。
米国による侵略戦争により、多数の民間人が虐殺されているのだ。
その米国がべネズエラに介入している。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇る資源国である。
チェベス大統領は石油開発会社を国営化して貧困層の医療無料化、土地改革、 統制価格を実現した。
これ以降、米国は人権侵害で悪名高い隣国コロンビアと結託してベネズエラに 干渉して政権転覆を試みてきた。
2013年のチャベス大統領死去を受けてニコラス・マドゥロ氏が大統領に就 任。
チャベス路線を引き継いだ。
ベネズエラは現在、ハイパーインフレと生活物資、医療物資の不足という経済 危機に見舞われているが、そのきっかけとなったのが米国による経済制裁、金 融封鎖だった。

2015年に米国のオバマ政権が一方的に経済制裁、金融封鎖を発動した。
この制裁によってベネズエラ経済が混乱に陥り、これをてこに米国がベネズエ ラの政権転覆を図っている。
1月23日、米国のトランプ大統領はマドゥロ大統領に対抗して暫定大統領を 宣言したベネズエラ国民議会議長のファン・グアイド氏を承認する方針を示し た。
しかし、グアイド氏は大統領選に出馬した経験も有していない。
米国によるあからさまな内政干渉、政権転覆謀略が白昼堂々と展開されている のだ。
ベネズエラの混乱拡大の背後に米国の介入が存在する。
軍部によるクーデターが企てられたと報道されているが、裏で糸を引いている のは米国である。
米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はベネズエラ情勢の緊 張に伴い、米国は「あらゆる選択肢」を検討している、と発言したと報じられ ている。
米国はロシアがベネズエラに干渉しているとしているが、ロシアのラブロフ外 相は、米国の内政干渉が国際法に違反すると批判している。
5月1日に米国のポンペオ米国務長官とロシアのラブロフ外相が電話会談で協 議した。
ロシア側によると、ラブロフ氏はさらなる「積極的な措置」が深刻な結果をも たらすことになると警告したという。
情報空間が米国を支配する巨大資本によって支配されているため、正確な情報 が伝えられないが、米国が米国の利益のために横暴な行動を繰り返しているこ とははっきりしている。
私たちは米国の本性を洞察してこの国と対応する必要があるのだ。

ベネズエラのチャベス政権は反米政権で有名な存在であったが、社会主義的な 施策を実施して、ベネズエラ国民から高い支持を得ていた。
これに対して、米国はベネズエラでの利権が排除され、南米全体に反米の運動 が広がることを阻止するために、暴虐の限りを尽くしてきた。
米国は南米で、民主政権のグアテマラ(1954年)、チリ(1973年)、ハ イチ(2004年)、ホンジュラス(2009年)などの政権を転覆するとい う犯罪に手を染めてきた。
ベネズエラでの政権転覆謀略はこれらの延長線上に位置付けられる暴挙であ る。
日本を含む欧米の主要メディアが米国支配者のプロパガンダ機関と化してお り、正しい情報が伝えられていない。
米国は正義の国家でも、人道的な国家でもないのだ。
単に力にモノを言わせて、世界を好き勝手に支配しようとしているだけであ る。

残念ながら、現在の日本は米国に服従する植民地、あるいは属国の地位に堕し てしまっている。
1952年に形式上は独立を果たしたが、この独立には多くの制約条件が付さ れていた。
サンフランシスコ講和条約の発効と共に日米安保条約が締結され、占領軍の日 本撤退は有名無実化された。
日米地位協定で米軍は日本で優越的な地位を維持したままであり、実質的な米 軍による占領状態はいまなお維持されている。
ただひたすら、宗主国の顔色をうかがい、宗主国の言いなりになってわが身の 安泰を得ようとする者が日本の為政者に居座ってきた。
米国にひれ伏し、米国の言いなりにさえなっていれば、政治的、社会的、経済 的に身分が保障されるのであるから、この安易な道に吸い寄せられてしまうこ とは人の性としてあり得ることなのかも知れないが、こんな政治が続くのであ れば、日本は永遠に自立することはできないだろう。

この意味で、日本政治の最大の課題は
自立の実現
である。
米国と友好関係を維持することは重要である。
しかし、友好関係を維持することは、米国の言いなりになって服従することで はない。
米国に対する自立を達成すること。
これが現代日本政治の最大の課題である。
この意味で、私たちは安倍政治を打破することが必要なのだ。

片山哲、芦田均、鳩山一郎、石橋湛山、田中角栄、鳩山由紀夫という、これま での歩みがある。
石橋湛山は後に続く者が一つの道を絶え間なく歩み続ければ思いは実現すると した。
これを成し遂げることが日本の課題である。
日米地位協定で治外法権が残され、米国に対して出入国管理もできないのが日 本の現実である。
日本は日本上空の制空権すら保持していない。
米国は
「望むだけの軍隊を望む場所に望むだけの期間」日本に配備する権利を握って 離そうとしない。
そして、日本に新しい軍事基地を日本の費用負担で建設させている。
日本は独立国とは言えないのである。

イラクに対する不当な軍事侵略に対しても毅然とした姿勢でこれを認めない姿 勢を示すべきであった。
ベネズエラに不当な軍事介入をするなら、これを糾弾する姿勢を示すのが日本 の正しい対応である。
ただひたすら米国の決定に追従し、米国を礼賛するだけなら、もはや日本は独 立国家とは言えなくなる。
ベネズエラの主権者は米国による介入に反対の意向を示している。
これに対して米国は、ベネズエラ市民の生活を破壊して、内乱が発生するよう に仕向けている。
その内乱に乗じて政権転覆を図る構えを示している。
日本からは遠く離れた地における重大事変であるが、その中核に米国の位置し ていることを踏まえる必要がある。
私たちは米国の正体をしっかりと見極めなければならない。


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