曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

確かな野党連合を育てる政策連合

2019年12月21日 19時05分38秒 | 政治

                                

                      「植草一秀の『知られざる真実』」

                                       2019/12/21

          確かな野党を確かに育てる政策連合

           第2510号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019122106000061892
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第2次安倍内閣が発足してから7年の時間が経過する。

この7年に極めて重大な事態が進行した。

日本政府が40年以上も維持してきた憲法解釈が憲法改定なしに改変された。

集団的自衛権の行使が容認され、米国が引き起こす戦争に日本が加担する法制
が整備された。

国民の知る権利を侵害する特定秘密保護法が制定され、憲法が保障する国民の
知る権利が侵害された。

共謀罪が創設され、政治的敵対者が、犯罪が存在しないなかで犯罪者に仕立て
上げられる制度が創設された。

原発の稼働が推進された。

日本の一次産業、食の安全、公的保険医療制度を破壊し、国家主権が毀損され
る条約の締結が強行され、国会での承認が強行された。

大資本の利益極大化を目的に労働法制が改変され、圧倒的多数の国民が劣悪な
賃金と労働環境を強制されるようになった。

税制においては逆進性が極めて強い消費税の負担が激増される一方で、法人税
および富裕者所得税が著しく軽減されてきた。

「戦争と弱肉強食」が徹底して推進されてきたのだ。

この日本政治の事実を肯定する者も存在するが、これに反対する主権者も多数
存在する。

選挙では主権者の約半分が参政権を放棄してしまっている。

主権者の半分しか意思表示をしていない。

そのうち約半分が安倍内閣与党の自公に投票し、約半分が反自公勢力に投票し
ている。



この選挙結果として、与野党伯仲の状況が生まれるのが順当であるが、現実に
は自公が国会議席の約3分の2を占有して、独裁的な政治が行われている。

選挙において約半数の票を得ている反自公勢力の獲得議席が全体の3分の1に
とどまっているのは、1人しか当選者が出ない選挙区に反自公勢力が複数の候
補者を擁立しているからだ。

しかし、安倍内閣が推進している政治の方向に絶対反対の主権者が多数存在す
る。

選挙で投票する権利を放棄してしまっている主権者を含めて考えると、安倍政
治に絶対反対の主権者が圧倒的に多いと考えられる。

安倍政治に絶対反対であるのに参政権を放棄してしまっているのは、選挙に際
して自公圧勝というメディア情報が流布されているからだ。

選挙に行っても結果が変わらないと判断して選挙に参加することをやめてしま
う主権者が多数なのだと考えられる。

この現実を踏まえれば、選挙に対しての戦術を変更すれば、政治の現状を直ち
に変えられる。

重要なことは、

主権者のすべてが選挙に行くこと

反自公勢力を一本化すること

である。

この二つの条件が整えば、次の選挙で政権を刷新することも可能になる。



反自公勢力が結集することが非常に重要になる。

これが実現すれば、安倍政治を終焉させて、新しい政権を樹立することができ
る。

野党の結集は極めて重要だ。

しかし、野党が結集して、政権を刷新すれば、それで問題が解決するわけでは
ない。

新しい政権が政策運営を一新することこそが最終的な目標になる。

政策を一新するとは、

1.日本を「戦争をする国」に改変させないこと

2.原発を稼働しないこと

3.「弱肉強食推進」をやめて国家がすべての国民に保障する最低水準を大幅
に引き上げること

である。

政権が刷新されても政策路線が変更されないのでは意味がない。

この点が決定的に重要になる。

立憲民主党と国民民主党が合流するとの話が浮上しているが、元の民主党、民
進党に戻るということなら、主権者はこれをまったく支持しないだろう。

反安倍政治の政策公約を明示して、その上で合流するというなら意味がある。

しかし、そうでないなら、単なる選挙目当ての数合わせに過ぎないということ
になる。

この点の見極めが何よりも重要になる。



国民民主党の背後に控える「連合」は「御用組合連合」である。

「連合」は原発稼働推進を主張し、消費税増税を主張している。

つまり、安倍政治の応援団になっている。

TPP、日欧FTA、日米FTAにも反対していない。

臨時国会で日米FTAの第一弾協定が承認された。

安倍首相が国会でやらないと繰り返した「日米FTA」の第一弾協定が承認さ
れたのだ。

桜疑惑が拡大し、野党は審議を止めることができた。

審議再開の条件に首相出席の予算委員会集中審議を求めることもできた。

ところが、野党は体を張った抵抗を示さなかった。

世間の関心を桜疑惑に引きつけて、日米FTA問題に国民が関心を持たないよ
うに仕向け、日米FTAを承認することを助けたと言える。

「連合」は「経団連」と表裏一体の組織であり、原発推進、消費税大増税推進
の基本路線を採っている。

安倍政治を変える可能性よりも安倍政治継承を支持する可能性の方が高い。



いま何をするべきなのか。

これをはっきりさせることが先決だ。

「政策連合」(=オールジャパン平和と共生)は三つの重点政策を掲げてい
る。

1.消費税廃止へ

消費税増税が何に使われてきたのか。

11月15日に「いま消費税を問う!」院内集会を開催した。

https://bit.ly/373RSFR

「不公平な税制をただす会」の湖東京至氏、荒川俊之氏が講演くださった。

消費税が導入された1989年度から2019年度までの31年間の税収推移
の事実をお示しくださった。

消費税収累計が397兆円。

これに対して、
法人三税減収累計額が298兆円
所得税・住民税減収が275兆円
である。

消費税収累計額397兆円に対して法人三税および所得税・住民税減収累計額
合計値が573兆円である。

この数値がすべてを物語っている。

消費税の巨大な税負担は法人税減税と所得税減税を実現するために実行されて
きたものなのだ。

このことは、法人税と所得税の制度を元に戻すだけで消費税を廃止することが
できることを意味している。

消費税率が引き上げられるほど、輸出大企業が獲得する国家からの還付金が拡
大する。

輸出製造業は巨大な政府からの補助金を獲得するために消費税大増税を推進し
ている。

これが経団連と連合の消費税増税推進方針の最大の背景だ。



2.最低賃金全国一律1500円の政府補償での実現

年収200万円のフルタイム労働者の年収を300万円に引き上げるのに必要
な金額は10兆円である。

安倍首相がトランプ大統領に命令されて爆買いしている兵器だけでどれだけの
金額になるのか。

F35戦闘機147機、オスプレイ35機、地上型イージス(SAM3迎撃ミ
サイル搭載)2基だけで合計5兆円になる。

海外に行って血税をバラマキ続けている。

その一方で、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を倍増させることが検討さ
れ、要介護1および2の介護保険の財政支出を排除しようとしている。

労働法制を改悪し、大資本が労働者を最低のコストで使い捨てにできる制度構
築が推進されている。

この基本方向が間違っている。

労働者に補償する最低水準を大幅に引き上げることで日本社会が変わる。

出生率の急激な低下は人々が未来に夢と希望を持てなくなっていることの表れ
だ。



そして、

3.原発稼働を即時ゼロにする。

温暖化論議は原発稼働推進の口実に使われる可能性が高い。

日本における優先順位は、まずは原発の稼働完全停止だ。

この三つの政策を明示する勢力でなければ主権者が全面的に支援するに値しな
い。

初めは小さい勢力でも良い。

明確な政策路線を明示する政治勢力を育てることが大事だ。

そして、最終的にこの勢力に国会過半数勢力を付与する。

このような政権交代でなければ、単に自公政治が第二自公政治に変わるだけに
終わる。

自公と第二自公の二大勢力体制こそ、日本の支配者が狙っている日本政治の基
本図式であることを忘れてはならない。

 

 

     



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