◎「日本一新運動」の原点―423
日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観
〇 時局妙観
1)最高検察庁から内乱予備罪告発状の返戻
10月10日付で最高検察庁から、山口弁護士事務所に平野・
山口両告発人宛「書面の返戻について」の文書が送付されてきた。
内容は次の通りである。
貴殿から送付された「刑法第七八条内乱予備罪の告発状」と題
する書面(平成30年9月7日付。正本1通、副本2通、各告発
状訂正申立書を含む)及び添付資料を拝読しました。
貴殿が作成した文書は、具体的な犯罪事実が判然としないこと
から、返戻します。
山口弁護士が10月の月末までアフリカ旅行が予定されていて、
16日には、今後の方針を協議して帰国後に具体的な対応を相談
することにしていた。
基本方針は「我々は生涯、安倍氏を告発し続けることを決めて
おり、検察庁の返戻は想定内の対応なので、我々は智慧と努力に
より告発の正式受理を要請していく」こと。
まずはこの最高検からの返戻文書について、私の感想を申しあ
げておきたい。ひと言でいえば「鄭重な門前払い」である。それ
は告発状及び添付資料を「拝読しました」という文章からいえる。
告発状の返戻に、この用語を慣例的に使っているか否か、前例を
知りたい。一番気になっているのは「具体的な犯罪事実が判然と
しない」との返戻理由である。友人のジャーナリストの意見は、
「具体的な犯罪事実を論証した告発状なら受理する」と読めると
いうものの、常識としてはその通りだが、世の中そうは甘くない。
東大で憲法を教えている石川健治教授は2015年7月1日の、
憲法9条を解釈改憲して「集団的自衛権を容認」したことを「法
秩序の連続性が切断され、憲法の論理的限界を突き破った」閣議
決定で「法学的にはクーデターだ」と論じているが、ここら辺を
「具体的犯罪事実」として、どう論証するのか、拙い智慧と老躯
を振り絞る努力の見せ所である。
(西原春夫元早稲田大学総長のアドバイス)
西原先生は戦後の早大で刑法学の教鞭を執っていた権威者であ
る。90才を超えても尚お元気で、武力によらない積極的平和貢
献国家こそ、日本の生きる道との考えで、「世界における日本の
役割」をテーマに、各地で講演を行っている。高知での講演依頼
に四ッ谷の事務所に伺ったところ、安倍首相刑事告発問題が話題
となった。
最高検からの返戻への対応として、専門家らしいアドバイスを
頂戴した。
①安倍首相の破憲行為は限界にきた。非常に危険な状況になった。
内乱予備罪の具体的犯罪事実を論証することは簡単ではない。呈
示すれば、不十分といって議論が続くことになる。
②明治憲法時代立憲君主制と独裁君主制の両面があった。昭和に
なって、軍部とそれに協力する政治家や官僚が、立憲主義を破滅
させ、天皇を利用して軍部独裁の軍事国家に変質させた。そのや
り方はマスコミを利用して情報を誘導し、国民が知らないうちに
ことは進み、気づいたら戦争になっていた。
③現在も同じような手口が使われている。安倍首相は「戦前の軍
事国家にする」とはいわずに、虚言と騙しで米国の軍事態勢に従
属してしまった。あらゆる方策で、実体を国民に理解させて、こ
の流れを阻止すべきだ。内乱予備罪告発も国民の啓蒙に役に立つ。
2)西澤潤一元東北大総長から教えられたこと
半導体研究の神様といわれた西澤先生が、10月21日に逝去
された。思い出話をしたい。平成九年の秋新進党時代に西澤先生
を招いて先端技術について政策勉強会を開いた。質問の場面にな
っても誰も質問する議員がいない。こんな時、突然に質問を強要
させられるのが私の運命だ。
司会の二階俊博議員が「誰も質問しないと新進党の面子に関わ
る。何か言ってくれ!」と迫ってきた。そこで私は「かつて田中
角栄先生から、東京電力と東北電力がつくる『電気の質』に違い
がある。東北電力の方がすぐれているのを知っているかと問われ、
そんな馬鹿なことはないでしょう、と答えると、君は勉強が足り
ないと叱られました。そんな不思議なことがありますか」と質問。
西澤先生の答は「さすが、田中先生だ。ものごとの本質を知って
いる。半導体の優れた製品をつくれるのは日本や韓国の儒教国だ。
先端技術ほど、生産にあたる人間の精神性が反映すると私は確信
している」という答であった。 (了)
クリックお願いします。(*_*)??Σ(・□・;)