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来夏参院選で安倍陣営改選過半数割れの公算

2018年10月09日 18時14分32秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                            「植草一秀の『知られざる真実』」

                                      2018/10/09

    来夏参院選で安倍陣営改選過半数割れの公算

              第2158号

   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2018100914523748938
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臨時国会の召集が10月24日になるとの見方が強まっている。

当初は10月23日から25日に安倍首相が訪中し、帰国後に臨時国会を召集
する予定であったが、中国が10月23日の安倍首相訪中を拒絶した。

安倍首相の訪中は2日遅れの10月25日になる見通しである。

10月23日は特別な意味を持つ日である。

40年前の1978年10月23日に、日中平和友好条約が発効した。

1972年9月の日中国交正常化に伴う日中共同声明第8項に「平和友好条約
の締結を目的として交渉を行うことに合意」と明記された。

紆余曲折の末、日中平和友好条約は1978年8月12日に北京で締結され
た。

1978年10月18日、日中平和友好条約批准案は国会の衆参両院で共に圧
倒的多数で承認され、10月22日に中国最高指導者の鄧小平副首相が来日。

10月23日に批准書が交換され、同日条約が発効した。

条約発効から満40年の記念日が本年の10月23日である。

安倍首相は、この日に訪中することを計画していたが、中国がこれを拒絶し
た。

9月26日の日米首脳会談後に共同声明が発表された。

その第6項に以下の記述がある。

6.第三国の非市場指向型の政策や慣行から日米両国の企業や労働者を守るた
めの協力を強化する。世界貿易機関(WTO)改革、電子商取引の議論を促進
し、知的財産の収奪、強制的な技術移転、貿易を歪曲(わいきょく)する産業
補助金、国有企業による歪曲化や過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処する
ため、日米または日米欧三極の協力を通じて緊密に作業していく。



この点について、米国のハガティ駐日大使が産経新聞のインタビューで次のよ
うに発言している。

「中国が行動を改める必要がある。日米が知的財産権侵害など不公平な貿易慣
行に連携して取り組むとした共同声明を歓迎する」

日米共同声明の第6項が、中国を念頭に置いて書かれたことは明白である。

9月26日の国連総会での演説でトランプ大統領は次のように述べた。

「私たちはグローバリズムの思想を拒否し、愛国主義の精神を大事にする」

これに対して、中国の王毅外相は、膨大な貿易赤字を理由に制裁関税をかける
アメリカの対応を「保護主義だ」などと時間をかけて批判した。

王毅外相は次のように述べた。

「われわれは現在の多国間主義を維持するのか、単独行動主義に好きにさせる
のか。今の国際秩序を維持すべきか、腐敗にむしばまれることを許すのか。こ
れは人類の運命にとって極めて重要な問題だ」

「中国は一度も多国間主義に対する信念が揺らいだことはない」

「中国は多国間主義への関与を維持し、そのチャンピオンであり続ける」

さらに、ウィンウィンの協力関係、規則や秩序にのっとっての行動、他国の主
権や独立の尊重などの原則が重要であることを述べた。

中国の主張をそのまま鵜呑みにすることはできないが、中国はトランプ大統領
のグローバリズム批判を踏まえて、中国の多国間主義を強調したのである。



こうした経緯があるなかでの日米共同声明発表であり、その内容についてのハ
ガティ駐日大使の発言をも踏まえた中国の対応である。

訪中する安倍首相は習近平主席との首脳会談で何を述べるのか。

そもそも、習近平氏との長時間の首脳会談が設営されるのか。

米国と中国の間で日本は独自外交を展開するべき局面であるが、対米隷属の安
倍首相には、独自外交、対米自立という発想がない。

二枚舌を使えば日中両国から不興を買うだけである。

臨時国会は、こうした経緯から10月24日に召集される可能性が高まってい
る。

会期は12月上旬までが見込まれている。

10月24日に国会が召集される場合、安倍首相が所信表明演説を行い、訪中
後の10月29日以降に与野党の代表質問などが実施されることになる。

臨時国会では、西日本豪雨、台風21号被害、北海道胆振東部地震などの復旧
・復興費を盛り込んだ2018年度補正予算案のほか、外国人労働者の受け入
れ拡大に伴って新しい在留資格を設ける出入国管理法改正案などが審議される
見通しである。

安倍首相は自民党単独で憲法改正案を提出し、臨時国会での憲法改正発議を目
論むが、客観情勢は安倍首相の拙速さが目に余るものであることを示してい
る。

加計疑惑もまったく解消されていない。

麻生太郎財務省の責任問題も放置されたままである。

安倍内閣与党は最大の試金石となった沖縄県知事選に大敗し、凋落の坂を転げ
落ち始めている。

政権終焉が驚くほど前倒しになる可能性がある。



安倍首相は9月20日の自民党党首選で大勝できなかった。

派閥単位で三選への同意を取り付けて、国会議員票の大半を固めたはずだった
が、想定した獲得票から50票ほどがこぼれ落ちた。

それでも議員票は329対73だった。

この国会議員を締め付けて、それぞれの選挙区で党員票のとりまとめを行った
が、投票結果は驚くべきものになった。

党員票は224体対181と、約45%もの票が石破氏に流れた。

反安倍の空気が自民党支持者の間にも大きく広がっていることが浮き彫りに
なった。

石破氏の発言力は温存されたために、今後の政権運営を成り立たせてゆくため
に、党首選で支援を得た各派閥の意向を受け入れざるを得なくなった。

その結果が今回の内閣改造である。

積極的な安倍内閣支援者とイエスマンを重要ポストに留任させる一方で、閣僚
ポスト待機組から派閥推薦の人物を中心に12名の初入閣閣僚を生み出した。

滞貨一掃内閣改造と呼ばれる通りである。



しかし、入閣待望議員は、なお70名も残存しており、改造が実行された瞬間
から、期待は怨嗟に転換する。

安倍首相続投の可能性は消滅し、期待を怨嗟に変換させた議員は、直ちに安倍
降ろしの予備要員に転じることになる。

安倍首相の求心力は低下の一途を辿る。

安倍首相にとっての衝撃になったのが9月30日実施の沖縄県知事選である。

自民党党首選直後の知事選で、新体制のゆくえを左右する決定的に重要な選挙
だった。

安倍内閣は4年前の沖縄知事選敗北の瞬間から2018年知事選での勝利に向
けて動き出した。

二階俊博幹事長、菅義偉官房長官の二名が軸となり、沖縄県知事ポスト奪還に
向けてあらゆる策謀を尽くしてきた。

選挙戦では小泉進次郎氏も三回現地入りした。

二階、菅、小泉を徹底投入したが、8万票の大差での敗北を喫した。

そして、衝撃の大きさは、沖縄県知事選の基本図式が、そのまま来年夏の参院
選に踏襲される可能性が高まることにある。



沖縄県知事選結果が参院選を考える上で重要である理由が三点ある。

第一は、選挙が安倍政治勢力と反安倍政治勢力の1対1の図式で展開されたこ
とであり、反安倍政治勢力が共産党を含むかたちで一本化されたことだ。

第二は、二階・菅・小泉という選挙勝利のためのクリンナップットリオを総動
員して大敗したこと。

第三は、自公政権を支える屋台骨の公明党・創価学会連合の離反が著しく進行
したこと。

この図式が2019年夏の参院選まで持続するならば、参院選で安倍内閣与党
は大敗することになるだろう。

安倍首相は憲法改定を念頭に、連立パートナーを公明党から維新に変更するこ
とを考え始めている可能性があるが、三党体制が二党体制に転換すれば、政権
基盤はさらに弱体化する。

参院選の改選議席は121だが、安倍内閣が参院議席数増加を強行したため、
2019年選挙では改選後議席定数が124になる。

改選議席121のなかの安倍政治勢力は以下の通り。

自民 68
公明 11
維新  5
希望  3
こころ 1

であり、総勢88議席である。

121議席の88を安倍政治勢力が占有し、反安倍政治勢力はわずか23議席
しかない。

この121議席が改選となり、3議席を加えた124議席が選出される。



沖縄県知事選では安倍政治勢力と反安倍政治勢力が真正面から激突し、39.
6万票対31.6万票の大差で反安倍政治連合が勝利した。

政策を基軸に、党派を超えて、主権者が主導して、反安倍政治連合を形成し、
候補者を厳選して選挙戦を展開すれば、改選議席の過半数を反安倍政治連合が
獲得できるだろう。

2022年改選組の安倍政治連合対反安倍政治連合の勢力図は

74対37であり、参議院全体での勢力逆転のハードルは高いが、まずは、参
院選で改選議席の過半数確保を確実に実現するべきである。

そのための主権者運動を高める必要がある。

野党勢力の一部が、反安倍政治連合成立を妨害することが予想され、今後は、
野党勢力のなかにおける共闘妨害勢力をあぶり出すことが重要になる。

注:植草氏はまだ感知していないのであろうか、最近大阪維新の創業者である、橋下徹氏が

「政権奪取論」朝日親書、強い野党の作り方などの著書を出版して、大阪維新の会と距離を

置いているようだが、現在の野党共闘のかく乱要素になるよいにも思われ事から、その点

を十分気をつけて行かねばならないと思われる。

 

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