曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

戦争法廃止共同戦線妨害するエセ反自公勢力

2015年09月26日 16時34分18秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

   「      植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/09/26

  戦争法廃止共同戦線妨害するエセ反自公勢力

               第1254号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015092615000028902
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-29527.epub
────────────────────────────────────
安倍首相は「戦争法」の呼称を批判するが、安倍政権が強行制定した安保法制
は「戦争法制」と表現するのが妥当な内容を伴っている。

日本政府は1974年に日本の自衛権行使について公式な政府見解を示した。

そして、40年以上の長期にわたってこの見解を維持してきた。

このことにより、この政府解釈が日本国憲法の、文字通り内実そのものになっ
ているのである。

1974年見解は、

・日本は主権国家として個別的および集団的自衛権を有している。

・憲法9条が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛
の措置をとることを禁じているとは解されない。

・しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右
にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されない。

・わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、

1)外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根底から
くつがえされるという急迫、不正の事態に対処、

する場合に限られ、その措置は、

2)国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置として、はじめて容認
され

3)右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべき

とした。そのうえで、

・他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的
自衛権の行使は、憲法上許されない

としたのである。



安倍政権が強行制定した安保法制は、日本の集団的自衛権行使を容認するもの
であり、憲法解釈に反するものである。

したがって、安倍政権が集団的自衛権行使を容認する必要があると判断するな
ら、憲法改定を提案し、必要な手続きを経てその実現を目指すべきであること
は当然のことだ。

山本太郎氏が参議院本会議場で喪服を着て自民党の死を弔う演出を行ったこと
について、参院議長が厳重注意したと伝えられているが、そんな表現の自由を
取り締まるよりも前に、安倍政権による憲法破壊行為を厳重注意するべきであ
ろう。

米国は世界で戦争を創作している。

そして、その戦争において、国際法違反の残虐行為を繰り返している。

この米国の命令によって、安倍政権が自衛隊を海外派兵し、その武力行使を容
認することになる。

日本が積極的に海外での戦争に加担することになるのである。

そのための法制を「戦争法」と呼ぶのは、極めて順当な用語法であると言え
る。



安倍政権が強行制定してしまった戦争法を廃止しなければならない。

恐らく、過半数の日本の主権者がそう考えていると思われる。

問題は、どのようなプロセスを経ることによって戦争法を廃止できるかであ
る。

そのための道筋は、日本国憲法に則ったものでなければならない。

具体的には、衆参両院の議席構成において、戦争法廃止を求める議員が、それ
ぞれ過半数を占有するすることが必要である。

衆参両院の過半数の賛成を得ることができれば、戦争法を廃止することができ
る。

戦争法反対を唱えるなら、このための具体的プロセスを踏まえることが必要不
可欠である。



この点に着目して共産党が、戦争法廃止を基軸に、来年夏の参院選での選挙協
力を提案した。

戦争法廃止を目指すなら、この提案を真摯に受け止めることが必要である。

自公が衆参両院で過半数議席を占有している最大の理由は、1人区選挙区で、
候補者を一人に絞っていることにある。

自公の政策に反対する勢力において、共産党が必ず候補者を擁立し、他の政党
が別の候補者を擁立すれば、自公候補が圧倒的に有利になることは明白だ。

現在の支持率情勢を踏まえると、自公のただ一人の候補者擁立に対して、共産
党とそれ以外の非自公候補者が擁立されると、自公候補者が圧倒的に有利にな
る。

この現状を踏まえれば、安倍政権の政策に反対する勢力が候補者を一人に絞り
込むことが極めて重要になる。

このことを踏まえて共産党が提案を示したのである。

この基本戦術に同調しないことは、すなわち、自公路線の側面支援の行動であ
ることを意味する。

これまで指摘してきたように、現在の民主党と維新の党のなかには、

多数の自公補完勢力が潜伏している。

民主党などでは、自公補完勢力が党の実権を握っているのである。

安倍政権の政策路線に対峙する主権者は、このような政党を支持することはで
きない。

このような勢力をせん滅しなければならないのである。

主権者にとって大事なのは、

政党ではなく政策

である。

政策を基軸に、党派に関わりなく、一選挙区一候補者の体制を構築する。

これは主権者主導でなければ実現できない。

これが

オールジャパン:平和と共生

AJPaC

https://www.alljapan25.com/

の連帯運動である。

10月8日(木)午後6時 憲政記念館での総決起集会に一人でも多くの主権
者に声をかけていただき参集賜りたい。



民主党や維新の党を丸ごと支援できないのは、この両党のなかに、

「隠れ自公派」=「自公補完勢力」

が多数潜伏しているからである。

主権者にとって大事な五つの政策を掲げてきた。

原発

集団的自衛権

TPP

辺野古基地

格差

だ。

TPPは大資本を栄えさせ、大衆を虐待するための制度である。

辺野古問題の本質は沖縄差別であり、格差問題のひとつである。

原発・憲法・TPP(格差)

と置き換えてもよいだろう。



民主や維新の政策方針は

原発・憲法・TPP

において、極めて不明確である。

不明確と言うよりも、

原発推進・集団的自衛権容認・TPP容認

近い。

だからこそ、戦争法廃止を目標とする選挙共闘に積極的でないのだと推察され
る。

共産党の側は、民主や維新が提案に乗らない場合には、戦争法廃止を明確に目
指す「たしかな野党」として共産党のさらなる躍進を目指せるとの読みを働か
せているのかも知れない。

しかし、主権者にとって大事なのは、こうした党利党略ではない。

「政党より政策」

が主権者の

「核心的利益」

に関わるのである。



維新と民主と連合が画策して、野党合流を図ろうとしているが、

単に、元の自公補完勢力としての民主党に戻ろうとするだけのものだ。

次の選挙に向けて、主権者は、こうした永田町の党利党略行動から一線を画す
必要がある。

基本は、

政策基軸

超党派

主権者主導

だ。

原発稼働阻止

戦争法廃止

TPP不参加

格差是正

の公約を明示する候補者を、一選挙区にただ一人選定するのである。

民主党籍、維新の党籍を排除しない。

もちろん、共産党も排除しない。

この基本公約を明示できる候補者をただ一人選定する。

そして、主権者の投票をこの一人の候補者に集中させるのだ。



これが

【オールジャパン:平和と共生】

AJPaC(エイジェイパック)

https://www.alljapan25.com/

の基本戦術だ。

一人でも多くの主権者の賛同を募集している。

https://www.alljapan25.com/approval/

本名を使わないニックネームでの登録も可能であるから、ぜひ賛同の輪を広げ
ていただきたい。

10月8日(木)午後6時から、

東京永田町の憲政記念館で総決起集会を開催する。

鳩山友紀夫元首相

山田正彦元農相

平野貞夫元参院議員

政治学者の白井聡氏なども参集される。

弁護士の伊藤真氏も賛同人に加わって下さった。

安倍政権への対峙を明確に示す国会議員にも参集を呼びかけている。

主導するのは主権者である。

主権者が

政策を基軸に

党派を超えて

基本政策公約を明示する議員を国会に送り込むのである。

同一の政策公約を明示する議員が国会過半数を占有しなければ、政策を転換す
ることはできないのだ。

党利党略で動く局面ではないのだ。

党利党略で動く現職議員に対しては、

厳しい落選運動を展開することも有効であると思われる。



                


主権者が目を醒まさない限り悪政を断てない

2015年09月26日 16時10分59秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                 

               「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/09/26

主権者が目を醒まさない限り悪政を断てない

               第1253号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015092600342828878
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-29503.epub
────────────────────────────────────
新三本の矢」などと言うが、

「旧三本の矢」

はどうなったのか。

金融緩和でインフレ率2%を実現するという話はどうなったか。

財政出動と言いながら消費税大増税で日本経済を不況に転落させたのはどこの
どいつだったか。

成長戦略とは、労働者を雑巾のように絞り切って、大資本と富裕層が潤う話
で、主権者国民には百害あって一利もない政策である。

これが「旧三本の矢」で、「旧三本の矢」が日本の主権者にひとかけらの恩恵
も与えていないのに、

「新三本の矢」

とは、厚顔無恥を絵に描いたようなものだ。

主権者の過半数が反対し、主権者の大半が説明不十分だとする戦争法制を強行
制定し、その直後に経済政策を打ち出すというのは、岸信介時代のパクリなの
だろう。

大衆は理解力を持たないが忘却力を持つとの判断もヒトラーのパクリ。

プロパガンダは単純化して繰り返すに限るというのもヒトラーのパクリ。

エンブレムもパクリ。

安倍パクリ内閣がパクっていないのは、戦争法制を強行制定して辞任しないこ
とだけだ。



「新三本の矢」は、

GDPを600兆円にする

子育て支援

介護支援

で、

「一億総活躍社会」

と言うが、

一億の圧倒的多数を新しい貧困層に送り込んでおきながら、「一億総活躍」と
は、寝ぼけているとしか言いようがない。

日本の国税=酷税の構造がどう変化しているのかを、主権者は把握しているの
だろうか

1989年度から91年度ころの国税構造はこうだった。

所得税 27兆円

法人税 19兆円

消費税  3兆円

これが2015年度は

所得税 16兆円

法人税 11兆円

消費税 17兆円

になっている。



政府が何をしているのかは、これで一目瞭然なのだ。

消費税の最大の特徴は、超富裕層と超貧困層の税率が同じという点にある。

超富裕層にとっては無税に等しい。

ところが、超貧困層にとっては、生存権を奪う、酷税なのだ。

軽減税率うんぬんとメディアが騒いでいるが、消費税を導入した時点で、生活
必需品を無税にするのは当然のことだった。

消費税が高い北欧でも、生活必需品は無税が常識である。

税の負担には二つの考え方がある。

能力に応じた負担と、受益に応じた負担だ。

自由主義経済の発展と共に、経済政策のあり方は変化してきた。

はじめは、政府は経済活動に関与するなという考え方が強かった。

自由放任だ。

しかし、自由放任にすると弱肉強食が強まり、格差が際限なく拡大した。

富裕者は際限なく富裕になり、他方で貧困者は、生存できない状況に追い込ま
れた。

この反省から、政府が経済活動に介入して、

結果における平等

を実現することを目指すようになった。

その考え方から生まれてきたのが

能力に応じた税負担

の考え方だ。

これを全否定するのが消費税中心主義なのだ。

まさに、弱肉強食推進の象徴が消費税中心主義である。

こんな政策を推進しておいて、

「一億総活躍社会」

などと言うのは、詐欺師の証明でしかない。

日本の主権者は、一秒でも早く、安倍政権を退場に追い込まなければならな
い。



安倍政権が推進する

「成長戦略」

とは何か。

柱は五つだ。

農業の自由化

医療の自由化

解雇の自由化

戦略特区の創設

法人税減税

である。

すべてに共通するのは、

大資本の利益を優先し、

大衆の利益を踏みにじることだ。

これと表裏一体をなしているのが

TPP

である。



安倍政権を無邪気に支持する人々がいるが、よく見ると、虐げられた人々が多
い。

安倍政権の政策で虐げられていながら、その安倍政権の政策を支持しているの
だ。

自虐趣味か、思考能力の欠如か、理由は明らかでないが、残念な人々であるこ
とは間違いない。

安倍政権は主権者全体の幸福など微塵も考えていない。

大衆は略奪する対象なのだ。

しかし、大衆は理解力がなく、忘却力に富んでいるから、この特性を生かさぬ
手はない。

そう考えているのだと思われる。



日本の農業を外国資本に献上する。

医療の自由化を進めるということは、大衆から必要十分な医療を剥奪すること
である。

安倍政権万歳を叫ぶ人々は、年老いて、病気に苦しむときに、医療を受けるこ
とができず、苦しみながら死ぬことになるのだ。

その悲惨な運命を自分自身で誘導しているのである。

「多様な働き方を選択できる制度」

などの耳に心地の良い言葉に踊らされて、多数の永久ワーキングプアが生み出
されてゆく。

大多数のワーキングプアに分類され、大資本とひとにぎりの富裕層の極楽成立
に献身するワーキングプアは、大資本と富裕層にとっての、最愛の僕であり続
けるだろう。

「経済特区」の響きを斬新だと感じる人々は、「経済特区」が不幸をもたらす
ゲットーになることを夢想だにしない。

国際的に負担が重くない法人負担をさらに引き下げて、貧困層から生存権を奪
いながら税金をむしり取る、悪魔の税制が日本全体を覆い尽くしつつある。



日本の国家財政は、借金1000兆円と言われるが、資産も1000兆円ある
ことを知る人はほとんどいない。

財政が破綻すると言いながら、建設する必要が皆無の国立競技場に2500億
円もの予算を投下するようなことが、白昼堂々と展開されているのである。

「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と言っていた者が、
「シロアリを一匹も退治しないまま、消費税大増税に突き進ん」だ。

総理になりたい一心で、主権者を裏切った者が総理大臣になってしまうほど、
この日本は廃れてしまっているのだ。

主権者が目を醒まし、真実を見抜かなければ、主権者は地獄に落とされたま
ま、二度と浮上することもできなくなるだろう。

日本の主権者の力が問われている。

安倍政権に対峙する国民連合政権樹立の提案がなされているのに、これを真剣
に検討しないのは、既得権に足を突っ込んでいる証拠でしかない。

日本の主権者は目を醒まし、主権者のための政権を樹立しなければならない。

過半数の主権者の連帯は難しいだろう。

だから、25%の結集を図る。

25%の結集は不可能でないだろう。

そして、25%の結集が実現するなら、政治権力の刷新が可能になるのだ。

 


9月26日(土)山本太郎代表のテレビ出演のご案内

2015年09月26日 10時56分53秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                   

 9月26日(土)山本太郎代表のテレビ出演のご案内
====================================================================================

こんばんは、生活の党と山本太郎となかまたちです。
山本太郎代表がテレビ東京の『田勢康弘の週刊ニュース新書』
に出演します。『ひとり牛歩…山本太郎がホンネ激白!!』
がテーマです。是非ご覧ください!

◆番組名:テレビ東京『田勢康弘の週刊ニュース新書』

◆日 時:平成27年9月26日(土)午前11:30~12:05
     (BSジャパン:午後1時30分~2時5分)

◆内 容:『ひとり牛歩…山本太郎がホンネ激白!!』

※番組の詳細はこちらから
http://www.tv-tokyo.co.jp/shinsho/

-----------------------------------------------------------------------------------
配信先アドレスの変更や配信の解除を希望される場合は、こちらから
http://www.seikatsu1.jp/community/mailmagazine

生活 メルマガ編集部
mm-admin@seikatsu1.jp

生活 公式ホームページ
http://www.seikatsu1.jp/

 
 
 

○安保法制騒動総括記! 日本一新の会・代表 平野 貞観

2015年09月26日 10時55分13秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 

○安保法制騒動総括記! 日本一新の会・代表 平野 貞観

◎「日本一新運動」の原点―284
 
                                 日本一新の会・代表 平野 貞観

○安保法制騒動総括記!

 9月19日(土)未明、戦後70年の我が国の再建と平和の根
底であった憲法9条を我が国の国会が崩壊させた。安保法制諸法
案の成立である。日米新ガイドラインからいえば、足掛け6ヵ月
にわたる阻止運動に日本一新の会の皆さん、本当によく頑張って
活動していただいた。連載した「廃案への死角」は「廃止への死
角」と変身して再出発したいのでよろしくお願いしたい。先ず、
廃案に追い込めなかった敗因を総括しておきたい。

1)自民党全体が「岸派化」した悲劇!

 戦後70年のうち約40年は自民党という政党が一党で独占的
に政権を続けた。それができたのは、自民党内のタカ派とハト派
の擬似的に政権を交代させるという「振り子の原理」といわれる
ものであった。その対立点は憲法問題で、その中でも第9条(戦
争の放棄)が中心であった。「60年安保改定」(昭和35年)
の岸信介首相の狙いは、米国と軍事的一体化を強引に実現しよう
とするもので、『60年安保』と称される政治史に残る政治騒乱
の中で引退し、憲法改正に着手はできなかった。
 この騒動を反省した保守本流は「戦前の軍事国家に戻してはな
らない」とする理念のもとに米ソ冷戦下米国とのかけひきにより、
政権を担当するようになる、第9条改憲論の中曽根康弘氏が自民
党政権の総理となった時(昭和56年)でさえ、「中曽根政権で
は憲法改正を提起しない」と公言し、政界引退後はむしろ護憲的
発言をするようになる。
 自由民権運動の発祥地を故郷とする私は、幼児の頃から、土佐
自由党の古老たちから話を聞いて育った。そんな関係で吉田自由
党の政治家たちに反発したり、世話になって青春時代を過ごした。
就職先も衆議院事務局で、偶然か必然か、吉田茂・林譲治・池田
勇人らの理念と政策を継承する前尾繁三郎が衆議院議長の時期、
秘書役となる。前尾議長は時間があれば戦時中の大蔵省の話、戦
後政界の話を「若い者に歴史の真実を知ってもらいたい」といっ
て話してくれた。

 その中で記憶に残っているのは「岸派系統には福田赳夫君のよ
うな立派な人物もいるが、岸派が主流の政権ができた時、政治運
営が常識や道理で行わない、自己本位の嘘言や不誠実な政治が行
われる」という話だ。そういえば岸首相の出現は、石橋湛山首相
の病気退陣が直接の原因だった。森喜朗首相の出現も、小渕首相
の病気で宏池会を外した談合クーデターだった。かくして保守本
流は消えた。森首相から続く岸派系統の政権、麻生首相は吉田茂
の孫とはいえ、これも前尾議長が「政治家にしてはいけない」と
反対した人物だった。劣化したマスメディアと巨大企業の指導者
たちと共謀しての、自民党の総岸派化といえる。谷垣幹事長(旧
宏池会)、高村副総裁(旧三木派)らは先人の理念を忘れたのか。
自民党は岸信介の怨念の中で生存しているといえよう。

 成立した安保法制諸法案を廃止するための方策のスタートは、
総岸派化した自民党の実態を国民に知ってもらうことである。
そこで私は、八月二十六日の『ぶっ壊せ! アベ安保法制』を機
に、目下『自民党は憲法違反が大好き』(仮題)を執筆中である。

2)安保法制を廃案にできなかった民主党の事情(幻の国会決議)

 安保法制を廃案にする勝負時は提出前にあった。本気で廃案に
する気なら解釈改憲や新ガイドラインの違憲性、日米安全保障条
約改定の必要性で勝負できた。さらに10本を1本の法案にまと
めると国会の審議権を侵害する憲法問題もあった。何故ここで戦
わないのか。原因は多くの幹部が心理的に「限定的集団的自衛権」
に支持・賛成していたからである。

 審議直前の党首討論で岡田代表は「集団的自衛権の限定使用は
理解できる」と発言している。集団的自衛権の本質を知らないか
らだ。憲法学者が『違憲』に火を付け、国民レベルで燃え上がる
と「あらゆる方法で廃案にする」と言い換えた。期待していたが
「牛歩」が変じ、半端な「牛タン」でお茶を濁しただけだった。
問題の重大さに対してどんな抵抗をするかにポイントがある。立
憲政治や法の支配を破壊しようとする安倍自公政権に対しては、
「牛歩」でも不十分だ。安保法制に反対する議員の総辞職でも足
りないくらいだ。「国民の評判」が気に掛かるようであれば懸命
に説得すればよい。衆議院本会議で安倍内閣不信任案が審議され
ている19日夜、国会正門前のデモに参加し、参議院民主党議員
の報告演説を聞いたが、私の周囲では不満を持つ人が多かった。
「民主党のままだと、廃止法は成立しませんな!」と、私に声を
かけた人物もいた。民主党が、本気で党を挙げて廃案にしようと
考えるなら、どうして私に相談に来ないのか。衆参両院にかけて、
強行採決やそれへの抵抗を与野党から相談を受けて45年間、善
事も悪事も、ことこのことなら本邦随一の経験と情報を持つ私で
ある。引退して10年も過ぎると世の中は冷たいものだ。そう思
いながら、17日午後8時頃、妻を亡くして約半年、一人で夕食
をつくり後始末をしていると、民主党の元衆議院国対委員長から
電話。

○元国対委員長 民主党から相談を受けているだろう。いろいろ
 世話になって有り難い。
○平野 当初は何人からか相談があった。8月に入ってから何に
 も言ってこない。
○元国対委員長 小沢アレルギーが残っているんだ。廃案でも廃
 止でも、小沢さんの力が要ることは国民が一番知っているのに
 ・・・・・。
 ところで、参議院の民主党国対委員長が親しくて、廃案にでき
 なくとも〝これは〟という実績を残すようにしてやりたい。
 何か考えて欲しい。
○平野 わかった。気になっていたので、明朝メモをファックス
 するよ。

 ということで、次のメモを届けた。

 安保法制法案をさらに引き延ばすため、従前の先議案件でなく、
政治的先議案件でかつ国民の新しいデモクラシー意識を高揚させ
るため次の決議案を提出すること。上程を与党が拒否しても案文
をつくり公表すること。 それが国会正門前デモの精神の継承と
なる。決議案文は次の通り。

 ○平和憲法擁護に関する決議(案)
  平和憲法を擁護するため安保法制法案を廃案とすべきである。
  右決議する。

 国会議員は、憲法第99条により、憲法を尊重し、擁護する義
務を負っている。去る9月17日、「我が国及び国際社会の平和
安全法制に関する特別委員会」で不法不当に可決された安保法制
諸法案は、安倍内閣が憲法第9条を解釈改憲した集団的自衛権の
行使に基づくもので、平和憲法の根底を崩壊させたものである。
 集団的自衛権の不行使は、日本国憲法の立案や制定の中で確立
され、日本人が戦後70年の平和国家の血肉となった国是である。
衆参両院の審議をはじめ、司法界、内閣法制局の元長官、憲法学
会等各学識経験者のほとんどから違憲との指摘が渦となっている。
大多数の国民は、解釈改憲が戦争の道になると危惧するに至って
いる。
 もし、これらの法案が成立し施行されると、違憲の判決が行わ
れる可能性があると元最高裁判事の公聴会での発言もあり、平和
憲法の法的安定性を確保するために、廃案とすべきである。

 このアイディアは、19日午前中には民主党関係者に知らされ
ている。決議案文が届けられたかどうか確認できていない。いず
れにしても〝幻の国会決議〟となったことは確実・・・・・。

(安保法制国会審議で学んだこと)
 安保法制国会審議の騒動で不快なことばかりであったが、唯一、
非常に勉強になったことがある。学生団体「SEALDs」の奥田愛基
君の参議院公聴会での発言である。
「どうか政治家の先生たちも個人でいてください。政治家である
前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった一人の
個人であってください。自分を信じる正しさに向かい、勇気を出
して孤独に思考し、判断し、行動してください」
 実は私は、生涯の師前尾繁三郎元衆議院議長の遺言、「政治家
である前に人間であれ」を50年前に預かっていた。何となく意
味を理解したつもりだったが、奥田君の公述を聞いて〝これだ〟
と具体的に感得した。傘寿を迎えても学ぶことは多い。