「 植草一秀の『知られざる真実』」
2015/09/26
戦争法廃止共同戦線妨害するエセ反自公勢力
第1254号
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安倍首相は「戦争法」の呼称を批判するが、安倍政権が強行制定した安保法制
は「戦争法制」と表現するのが妥当な内容を伴っている。
日本政府は1974年に日本の自衛権行使について公式な政府見解を示した。
そして、40年以上の長期にわたってこの見解を維持してきた。
このことにより、この政府解釈が日本国憲法の、文字通り内実そのものになっ
ているのである。
1974年見解は、
・日本は主権国家として個別的および集団的自衛権を有している。
・憲法9条が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛
の措置をとることを禁じているとは解されない。
・しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右
にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されない。
・わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、
1)外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根底から
くつがえされるという急迫、不正の事態に対処、
する場合に限られ、その措置は、
2)国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置として、はじめて容認
され
3)右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべき
とした。そのうえで、
・他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的
自衛権の行使は、憲法上許されない
としたのである。
安倍政権が強行制定した安保法制は、日本の集団的自衛権行使を容認するもの
であり、憲法解釈に反するものである。
したがって、安倍政権が集団的自衛権行使を容認する必要があると判断するな
ら、憲法改定を提案し、必要な手続きを経てその実現を目指すべきであること
は当然のことだ。
山本太郎氏が参議院本会議場で喪服を着て自民党の死を弔う演出を行ったこと
について、参院議長が厳重注意したと伝えられているが、そんな表現の自由を
取り締まるよりも前に、安倍政権による憲法破壊行為を厳重注意するべきであ
ろう。
米国は世界で戦争を創作している。
そして、その戦争において、国際法違反の残虐行為を繰り返している。
この米国の命令によって、安倍政権が自衛隊を海外派兵し、その武力行使を容
認することになる。
日本が積極的に海外での戦争に加担することになるのである。
そのための法制を「戦争法」と呼ぶのは、極めて順当な用語法であると言え
る。
安倍政権が強行制定してしまった戦争法を廃止しなければならない。
恐らく、過半数の日本の主権者がそう考えていると思われる。
問題は、どのようなプロセスを経ることによって戦争法を廃止できるかであ
る。
そのための道筋は、日本国憲法に則ったものでなければならない。
具体的には、衆参両院の議席構成において、戦争法廃止を求める議員が、それ
ぞれ過半数を占有するすることが必要である。
衆参両院の過半数の賛成を得ることができれば、戦争法を廃止することができ
る。
戦争法反対を唱えるなら、このための具体的プロセスを踏まえることが必要不
可欠である。
この点に着目して共産党が、戦争法廃止を基軸に、来年夏の参院選での選挙協
力を提案した。
戦争法廃止を目指すなら、この提案を真摯に受け止めることが必要である。
自公が衆参両院で過半数議席を占有している最大の理由は、1人区選挙区で、
候補者を一人に絞っていることにある。
自公の政策に反対する勢力において、共産党が必ず候補者を擁立し、他の政党
が別の候補者を擁立すれば、自公候補が圧倒的に有利になることは明白だ。
現在の支持率情勢を踏まえると、自公のただ一人の候補者擁立に対して、共産
党とそれ以外の非自公候補者が擁立されると、自公候補者が圧倒的に有利にな
る。
この現状を踏まえれば、安倍政権の政策に反対する勢力が候補者を一人に絞り
込むことが極めて重要になる。
このことを踏まえて共産党が提案を示したのである。
この基本戦術に同調しないことは、すなわち、自公路線の側面支援の行動であ
ることを意味する。
これまで指摘してきたように、現在の民主党と維新の党のなかには、
多数の自公補完勢力が潜伏している。
民主党などでは、自公補完勢力が党の実権を握っているのである。
安倍政権の政策路線に対峙する主権者は、このような政党を支持することはで
きない。
このような勢力をせん滅しなければならないのである。
主権者にとって大事なのは、
政党ではなく政策
である。
政策を基軸に、党派に関わりなく、一選挙区一候補者の体制を構築する。
これは主権者主導でなければ実現できない。
これが
オールジャパン:平和と共生
AJPaC
https://www.alljapan25.com/
の連帯運動である。
10月8日(木)午後6時 憲政記念館での総決起集会に一人でも多くの主権
者に声をかけていただき参集賜りたい。
民主党や維新の党を丸ごと支援できないのは、この両党のなかに、
「隠れ自公派」=「自公補完勢力」
が多数潜伏しているからである。
主権者にとって大事な五つの政策を掲げてきた。
原発
集団的自衛権
TPP
辺野古基地
格差
だ。
TPPは大資本を栄えさせ、大衆を虐待するための制度である。
辺野古問題の本質は沖縄差別であり、格差問題のひとつである。
原発・憲法・TPP(格差)
と置き換えてもよいだろう。
民主や維新の政策方針は
原発・憲法・TPP
において、極めて不明確である。
不明確と言うよりも、
原発推進・集団的自衛権容認・TPP容認
近い。
だからこそ、戦争法廃止を目標とする選挙共闘に積極的でないのだと推察され
る。
共産党の側は、民主や維新が提案に乗らない場合には、戦争法廃止を明確に目
指す「たしかな野党」として共産党のさらなる躍進を目指せるとの読みを働か
せているのかも知れない。
しかし、主権者にとって大事なのは、こうした党利党略ではない。
「政党より政策」
が主権者の
「核心的利益」
に関わるのである。
維新と民主と連合が画策して、野党合流を図ろうとしているが、
単に、元の自公補完勢力としての民主党に戻ろうとするだけのものだ。
次の選挙に向けて、主権者は、こうした永田町の党利党略行動から一線を画す
必要がある。
基本は、
政策基軸
超党派
主権者主導
だ。
原発稼働阻止
戦争法廃止
TPP不参加
格差是正
の公約を明示する候補者を、一選挙区にただ一人選定するのである。
民主党籍、維新の党籍を排除しない。
もちろん、共産党も排除しない。
この基本公約を明示できる候補者をただ一人選定する。
そして、主権者の投票をこの一人の候補者に集中させるのだ。
これが
【オールジャパン:平和と共生】
AJPaC(エイジェイパック)
https://www.alljapan25.com/
の基本戦術だ。
一人でも多くの主権者の賛同を募集している。
https://www.alljapan25.com/approval/
本名を使わないニックネームでの登録も可能であるから、ぜひ賛同の輪を広げ
ていただきたい。
10月8日(木)午後6時から、
東京永田町の憲政記念館で総決起集会を開催する。
鳩山友紀夫元首相
山田正彦元農相
平野貞夫元参院議員
政治学者の白井聡氏なども参集される。
弁護士の伊藤真氏も賛同人に加わって下さった。
安倍政権への対峙を明確に示す国会議員にも参集を呼びかけている。
主導するのは主権者である。
主権者が
政策を基軸に
党派を超えて
基本政策公約を明示する議員を国会に送り込むのである。
同一の政策公約を明示する議員が国会過半数を占有しなければ、政策を転換す
ることはできないのだ。
党利党略で動く局面ではないのだ。
党利党略で動く現職議員に対しては、
厳しい落選運動を展開することも有効であると思われる。