セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「クライング・ゲーム」

2013-10-14 22:11:16 | 映画日記/映画雑記
 「クライング・ゲーム」(1992年・英)
   監督 ニール・ジョーダン
   脚本 ニール・ジョーダン
   撮影 イアン・ウィルソン
   音楽 アン・ダットリー
   出演 スティーヴン・レイ
       ジェイ・デヴィットソン
       フォレスト・ウィテカー
       ミランダ・リチャードソン

 IRAを離反した元兵士と、同性愛者の女(男)の純愛物語。

 前半30分以上を使って兵士ファーガスと捕虜ジョディの交流をじっくり描
いた事が、後半、生きていていました。
 ファーガスがアブ・ノーマルの世界に嫌悪しながら、ホモのディルに引き込
まれていく心の動きが、実によく描けています。
 前半の隠れ家生活におけるIRAの分子組織のリーダー、ピーターの指示
には?が付きまとうし、この組織自体が貧弱なので、イマイチ、IRAの怖さが
出ていないのですが、この作品はサスペンス物ではなくラブ・ストーリーなの
で、その部分は話を転がす道具立てと思えば、それ程、気にならないかと思
います。
 ラブ・ストーリーとして観れば、異質ではあるけど、かなり見応えの有る作品。

 途中、出てきた「カエルとサソリ」の寓話は懐かしかった。(笑)
 この作品で、サソリは最初、「危ない過去」を持つファーガスでディルがカエ
ルの立場に近いと思います。
 それが、最後の場面では立場が逆になってる、その辺も中々、見せている
んじゃないでしょうか。

 ただ、僕、ホモ・セクシャルものって、かなり生理的嫌悪感があって・・・。
 解かるんだけど、早くENDにならないかなって・・・、スンマセン。

 でも、あれですよ。
 女は打算的で純粋な「愛」なんかない、同性愛者の「愛」は抑圧された世界
だからこそ純粋だ、と言いたいのなら、監督、それはファンタジーに過ぎまっせ。
(笑)

※最後の方で、ファーガスがジュディの写真を見ながら、
 「お前さえ、連れてこなければ・・・」って。
 無理矢理連れて来たのはアンタ達で、ジュディには何の罪もない。
 だから、正義と心中してる奴は嫌いなんですよね。(笑)
※渋谷かどこかのHホテルのベットから、転げるように逃げ出した友人が一
 人います。
 (女には不自由しないヤツだけど、「見分けが付かなかった」とか~笑)
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (宵乃)
2013-10-15 12:00:32
こんにちは!
苦手なジャンルだったようで、最後まで観て下さってありがとうございました。
あの組織はホントお粗末でしたね。
もう組織というか、金髪女性の悪人ッぷりの印象しか残ってないです(笑)

>それが、最後の場面では立場が逆になってる

ですね~、ディルの正体だけでなく、鑑賞者の認識を一気にひっくり返す驚きもあって、そこら辺も面白かったです。

>バイ・セクシャルの「愛」は抑圧され
た世界だからこそ純粋だ、と言いたいのなら…

あはは、オカマって男の嫌な部分も女の嫌な部分も併せ持ってると言われたりしますしね~。(ちなみに、バイでなくホモでは?)
でも、ディルのような素敵なひともいると思うし、恋愛ものなんて夢見がちなものが多いですし、そういう事をとくに意識したわけではないような気も…。

>「お前さえ、連れてこなければ・・・」って。 無理矢理連れて来たのはアンタ達で、ジュディには何の罪もない。

わたしも思いました(笑)

今回もご参加ありがとうございました♪
返信する
Unknown (鉦鼓亭)
2013-10-15 22:14:22
 宵乃さん、コメントありがとうございます

教訓
普段、使わない言葉は調べてから使いましょう。(汗)

夕方の休憩の時、慌てて書き直しました。
ご指摘、ひたすら感謝です!!

あの組織はホントお粗末でしたね。>
殆んど「家内工業」。(笑)

ディルのような素敵なひともいると思うし>
サソリですよ(笑)、魅入られたら最後、生きてる限り「地獄の底まで」の腐れ縁タイプ。
まァ、ハニーも、その積りのようだから、メデタシメデタシなんですけど。(笑)

確かに大の苦手ジャンルなのですが、「真夜中のパーティー」みたく、まるっきり受け付けない、という事もなかったし、
作品的には「いい作品」の部類に入ると思います。

自分では、「絶対観ない」作品ですが、
企画のお陰で、また一つ理解を増やす事が出来ました。
ありがとうございます。
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Unknown (きみやす)
2013-10-17 19:48:30
鉦鼓亭さん こんばんは!!

>途中、出てきた「カエルとサソリ」の寓話は懐かしかった。(笑)

・・・はっ!!「009」!!
そのコマを急に思い出しました。

>それが、最後の場面では立場が逆になってる、その辺も中々、見せているんじゃないでしょうか。

ああ~。なるほど。

>だから、正義と心中してる奴は嫌いなんですよね。(笑)

うわぁ・・・(笑)って書いてあっても
言葉の重みがさらっと滲み出る辺りがなんとも・・・(笑)
返信する
Unknown (鉦鼓亭)
2013-10-17 23:04:52
 きみやすさん、いらっしゃいませ!
 コメントありがとうございます

「009」>そうです!(笑)
だから、かれこれ、最初に知ってから47年。
その間にも、何回か目にしたり、耳にした事があります。

カエルとサソリ>
ジョディが見抜いてるように、ファーガスは本質的に「カエル」なんですが、ディルに近づいた時、「厄災」はファーガスに有った気がします。
けれど、最後の場面では・・・。
でも、「カエルとサソリ」と言うより、殆んど「カエルと蛇」。(笑)

「お前さえ、連れてこなければ・・・」
この台詞さえ無ければ、もうちょこっとだけ評価高かった気がします。
かなり、ムカッとしました。(笑)
(それが疎外者の論理ではあるけど)

あの、言葉ですか。(汗)
僕、20代~30代にかけて、名コラムニストだった山本夏彦さんのファンで、あの方の書く事の全てを肯定する訳じゃないけど、頷くものが多くて、結構、影響を受けてると思います。
氏が付けるタイトル(というかフレーズに近いけど)には秀逸なものが多くて、「正義を売り物にする奴には気をつけろ」がその一つで、好きな「フレーズ」なんです。(笑)
(一番好きなのは「何用有って月世界へ」)
返信する
Unknown (マミイ)
2013-10-19 18:26:49
鉦鼓亭さん、こんばんは。

>この組織自体が貧弱なので、イマイチ、IRAの怖さが
>出ていないのですが
ホントにこの組織は貧弱でしたね~。
ストーリーにあまり関係がないとはいえ、
かなりお粗末でした(^^;
しかし、それを掃討できない軍隊も・・・・・。
ココは考えない方が吉ですね!笑

返信する
昨夜はコメントを有難うございました☆ (miri)
2013-10-19 21:10:29
>女は打算的で純粋な「愛」なんかない、同性愛者の「愛」は抑圧された世界
>だからこそ純粋だ、と言いたいのなら、監督、それはファンタジーに過ぎまっせ。 (笑)

まぁ男とか女とか、マイノリティとかではなく、
結局は人間対人間の事ですものね・・・。

この映画は、監督が、見ている人に、
そういうことを問いかけているように思いました☆

ではまた企画でご一緒いたしましょうね~!


.
返信する
Unknown (鉦鼓亭)
2013-10-19 22:00:05
 マミイさん、こんばんは
 コメントありがとうございます

組織(笑)>miriさんと同じですけど、設定の為だけにある存在でした。
軍も、包囲する前にヘリがブッ放すし、何考えてるんだか。
とにかく、「吉」で間違いないです。(笑)

でも、本当にIRAなら、ファーガスは裏切り者としてIRAの抹殺リストに入りましたから、出所後の未来はナイです。
(IRAをアイルランドの武装マフィアと考えれば、解かり易い)

もしディルがヤードに出頭でもしたら、ディルもIRAから狙われます(今でも周辺者としてヤバイけど)。
それは、ジョディに対する贖罪の意味もある「身代わり」をしたファーガスの意に背く気がします。
返信する
こちらこそ、遅くなりました (鉦鼓亭)
2013-10-19 23:56:00
miriさん、こんばんは
 コメントありがとうございました

人間対人間>ケース・バイ・ケースですよね、人間関係、ましてや愛情が絡むコトに正答なんて無いです。
この作品で「台詞」のある女?は二人しか居なくて、
その描き方が両極端なんですよね。
そこに、監督なり脚本家の「思考」が感じられてなりません。

ジョディ>笑い顔に優しさを感じられる人ですね。
でも、あの役に限って言えば、かなりシタタカな男だから、自分がダメだった時の復讐で、ファーガスをディルに近付けて、ディルに「憑り殺させる」積りだったのかも。
どう見ても、サソリ(蛇)の前にカエルですもん。
※「最期まで揺るがなかった自分の気持ちをディルに伝えたい」と切望するケースとして理解できます。
でも、もし自分だったら、どうだろう?
危険な組織だし、そんな組織の人間を「大事な人」へ一瞬でも近付けたくない、そう考えるかもしれませんね。
それじゃ、映画になりませんが。(笑)
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