セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「夜明け告げるルーのうた」

2017-06-11 22:51:51 | 映画日記/映画雑記
 「夜明け告げるルーのうた」(2017年、日本)
   監督 湯浅政明
   脚本 吉田玲子  湯浅政明
   キャラクターデザイン原案 ねむようこ
   キャラクターデザイン・作画監督 伊東伸高
   美術監督 大野広司
   音楽 村松崇継
   声  下田翔大(カイ)
       寿美菜子(遊歩)
       斉藤壮馬(国夫)
       柄本明  伊藤静

 さびれた漁港の街に住む作曲好きな中学3年生のカイ。
 或る日、カイは街でバンドをやってる同級の遊歩と国夫にバンドへ加わる
ことを勧められる、そんな時、やはり音楽大好きの人魚の子供ルーに出会う・・・。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=KtjO31UpTPU

 現代が舞台だけどファンタジーに振り切った作品。
 大したコト描いてる訳でもないのに観てる間は結構、感情を刺激してきます。
 別に泣かしに来てないのに不思議と涙が出てきて困る、隣の20代の女性
も結構泣いてたし、似たタイミングでおじさん(自分)も一緒に泣いてた。(女
性からしたら「勘弁!」だよね(笑))
 只、この作品、暗い映画館で集中して観てるから涙も出て来るんで、家の
明るい中で見たらこれほど感情を刺激するかは、ちょっと疑問。

 個人的問題点を挙げると、一番は主人公カイに魅力が乏しいコト。
 いつも下を向いてる内向的で閉じこもった性格は観ていてイライラしてしまう。
 それが終盤、上を向いてイキイキしてくる変化がカタルシスなんだろうけど、
そもそも、ああいう鬱陶しいのは自分を見てるようで同族嫌悪になります。(笑)
 「君の名は。」との類似性も少し気になる。
 勿論、時空移転も入れ替わりもない。
 けれど、伊佐木(都会へ出て戻った女性)の性格、雰囲気は奥寺ミキだし、
国夫の家は神社、危急の時、町内放送を使って避難というシーンは既視感
ありありで何だか。(汗)
 「君の名は。」はファンタジー・ロマンの形を使った優れたボーイ・ミーツ・ガ
ールだと思うけど、これは三人の出会いと旅立ちをファンタジーの形で描い
た作品。
 作者のセイでは全然無いけど、僕の好みとは違ったし、違う人間をねじ伏
せる程のパワーもなかった、悪くはないけどファンタジー苦手な自分には、
ちょっと醒めてしまう所がありました。

 ファンタジー好きにはお薦めかもしれない。
 「101匹わんちゃん大行進」の犬達みたいだけど、「ワン魚」は可愛いく特
にルーにべったりくっついてるワン魚はお約束だけど可愛いよ。(笑)

※手塚、石森世代の僕には作画が合わなかった。
 アニメの場合、実写と違い、これが合う合わないのかなりの理由になっち
 ゃうんですよね。
 この作品にやや低めの評価を付けたのは、それが主因、今の人達は気に
 せずに。

 H29.6.11
 池袋HUMAXシネマズ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「マンチェスター・バイ・ザ... | トップ | 「バーレスク」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画日記/映画雑記」カテゴリの最新記事