要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

資本が先か利益が先か。

2011-01-25 18:32:14 | 投資日記
バリュー投資における超過リターンの源泉は価格が価値に近づくからとなるんだけど、この価値っていうのは一体何なんだろうか…?おそらく利益と資本の価値の事なのだろうが、一体どちらがどれほど強いのか、かなり興味ある。

鳥が先か卵が先か。
資本が先か利益が先か。

前の書き込みでも示した通り、この価値と価格の差の収縮はかなり時間を要する。完全に解消されるまでに20年くらいはかかるのではないかと思う。



10年経ってもこの程度だからね(と言っても年率4%程度ずつ調整されている)。確かに5年前にかなり急速に収束したけど、これはある種のバブルだと思う。また来るかもしれないしまた来ないかもしれない。でもまぁ、こう言う不連続な形で強い収束&弱い拡散を経験しながら緩やかに収束していくのかもしれない。「ウォール街で勝つ法則(方法?)」のデータを見ても、大体年率5%程度の調整率だったし、まぁこんなもんなのかもね。

所で、何で調整が働くのか。うーん仮説として低PBR銘柄(&並PER)の場合、利益ベースでディスカウントするから資本が減額されてしまうと思う、であれば、評価が覆るのは資本の収益性の改善した時だろう。利益率が向上した時に、その利益が評価されて株価が上がると言う道筋が描けるのではないかと思ったり。と言う事であれば、低PBR&低PERは上記の過程のド真ん中にまさにあると言えるのかも?

長期で利益率が収縮すると言うのは10年間の利益率の推移をみてみると、何となく分かる気がする。と言うのは直近の5年間は非常に調子が良くてもその前の5年間は瀕死の状態だったりするので、このギャップが何とも…逆を言えば、今絶頂でも5年後に瀕死になっている可能性もあると言う事なので、この点は肝に応じておかねばなぁとも思う。あ、でもそれでは収縮していると言うよりは、拡散していると言う方があっているのかも?

とは言っても、まぁ日本経済の中で生まれる年間利益の量は20兆から40兆位で比較的安定している。これを事を考えると、この利益の取り合いを資本が行っていると言えなくもない。そして長期で見れば資本はかなり流動的である事を考えると、まぁ、社会での、資本の様々な方面への拡散によって利益がこしとられると考えれば、資本当たりの利益率が平均化するのもまぁ、考え方としてはとりあえず成り立つね。さいころ転がして次の出るコマは分からないけど、1000回振れば平均値は3.5回になりますよー、大数の法則的な何かが働いているのかもしれない。

PER6倍と10倍の差は、10倍のそれと30倍の差に等しい。

2011-01-25 08:21:18 | 投資日記


PER6倍と10倍の差は、10倍のそれと30倍の差に等しい。

株式投資にものれん計上を。

2011-01-24 09:54:08 | 投資日記
一般の株式投資にものれんと言う概念を適応できるのではないかと思ったりしている。そしてのれんの計上も出来るのではないかと思う。のれんの償却年数は5年~20年位で考えて、年間のルックスルー利益から引当して考えるとか、使い方は色々あるように思う。
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個別企業への集中投資に関して

2011-01-24 01:30:43 | 投資日記
私が個別企業の分析を乗せないのは素人には企業査定は不可能だと思うから。だからなかば放棄してしまっている。

やろうと思えば出来ると思う。財務諸表をひっくり返して有価証券報告書を読みあさりIRに電話して情報を収集し、業界に勤めている知合いに聞き込みを行う事は可能だろうし、バリュー投資家の方々でやっている方は結構いる。時間が許せば、理論的にまとめれば週刊誌の記事並に色々書く事も出来るだろう。でも、その精度は求めるゴールに対して本当に高いのだろうか?私は高いようには思えない。

精度が高いとは何を意味するか。例えば、精度を測る尺度として企業利益を使う事が出来る。そして、それは通常、資産に対して数%だ。競合との差はさらに小さい。その数%の利益は、売上と原価と言う絶妙のバランスの上に成り立っている。販売数量が1%落ちれば利益はその数倍落ちる。販売価格が1%落ちれば下手をすれば十数倍の下落になる。そして売上は不特定多数の消費者の動向に依存している。全国、世界中の老若男女の嗜好が売上を左右する。競合も打ち負かす為に様々な商品を投入し、販売促進キャンペーンを張ってくる。企業側も応戦し同じようにする。技術は日進月歩で進化し、政府はちょっかいを出し、景気は上下する。全ては動的に常に動いている。たかだか1%の不確定要素が利益を数割も動かす。

将棋で言えば、多数のプロ棋士が縦横36マスの盤で真剣に打っている状態だ。素人が的確に勝敗を分析する事が出来るだろうか?無謀だろう。本当に無謀だとしか言えない。

個人投資家の方で視察と称して店舗を見に行かれる方々がいらっしゃる。そして何か評価を付ける。私が思うに、おそらくこの方々の評価は店舗に行く前に既に頭の中にあり、それを“確信”する為の儀式に他ならないのではないだろうかと思う。これは、アマゾンで自分が欲しい商品に「お薦め度★★★★★のコメント」に「参考になった」を付けるのと同じプロセスではないかと思う。もうすでに買う気なのである。もしくはもう買っていて、さらなる確信を得たいだけなのである。後押ししてくれる何かが必要なのである。

そもそも店舗視察をして、閑散としていたとか、客の入り様が凄かったとか言うのも、正直どうかなぁと。だって投資家はその店舗を買うのではなく企業を買う訳で、店舗毎の収益、損益のバラつきは並々ならぬ物があるのを忘れてはいけない。高収益企業でも赤字店舗や赤字企業はある。どの事業者も80対20の法則よろしくな状態だろう。それらを加味せずに、あそこの企業の店舗に視察に行ったと言っても、何を得られたのかと言えば、視察した満足感しかないと思う。

とにもかくにも、無謀な事は避けるべき。個別企業への過度な期待は避けるべき。バリュー投資と企業投資を一緒くたにしてはならない。バリュー投資がお守りになってあなたの個別企業投資を成功に導く事は無い。それとこれとは別なのである。

例えるならば、バリュー投資をしつつ個別企業への集中投資をするのは、競馬でオッズの加重平均が1以上の時にわざわざ個別の馬に駆けるような行為と同じだ。確実に勝ちに行ける状況なのに欲張ってわざわざ負ける確率を増している。自分が企業分析に優れていると思ってはいけない。それは典型的な心理バイアスだ。大抵みんなそう思っている、自分は平均以上だと。
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自社株還元と配当還元、どっちが良いか?

2011-01-23 10:22:02 | 投資日記
答えは税率が同じであればどっちでもいい。

配当還元にせよ、自社株還元にせよ還元度合は還元性向と“投資家の購入時”PERを軸に決定される。配当されても自社株買いされてもどちらにせよ、還元は還元。経路の違いでしかない。

で、自社株買いにより株価が上がるかどうかというのは、正直不明。買付時の需給によって株価が上昇する事はあるけど、その後下がる事もあるだろう。ただ長期的に見れば上がる。少なくとも配当された時と同じだけの上がり幅は期待できる。待てないのであれば自社株買いされた分、投資額を減らせばいい。売ればいい。逆に配当であれば配当された分、権利落ち日に株価が下落する。

って、つらつら書いてもしょうがない、ちょっと面白い記事があったので情報共有に。

自社株買いは株価上昇につながるか
配当と並んで、株主に利益配分・還元する方法の1つとされる自社株買い。しかし、自社株買いは株価上昇に貢献するのだろうか? ファイナンス理論から考えてみた。

有利子負債調達による資本構成の最適化を目指すっていうのがなかなか面白いなーと思った。低PBRであれば自社株買いは超低コスト且つ有望な成長戦略なわけだし、そこそこの利率を払っても有利子負債に置き換える事で高いリターンが生まれる。株主にとっては。やり過ぎは禁物だけど、適度にはOKだと思う。特に時価総額が簿価割れしている場合は。

ただ、資本構成の最適化と言う考え方がいまいちしっくりこない。負債の節税効果は確かに個別企業分析時に実感できるけど、果たして最適化とは?と言う感じ。土台になる前提いかんで最適な数値は違うだろうと思うし事実そうじゃないかと。。銀行屋の陰謀か何かと思ってしまう。でもま、今の日本にはこういう考え方がもっと必要だとも思う。

株主還元されない利益は株価に反映されるか?

2011-01-23 10:04:38 | 投資日記
株主還元されない利益は株価に反映されるかと言えば、される。
どの程度かと言えば、PBR倍率程度。

時価総額100万、資本簿価200万の会社が
20万の年間利益を100%内部留保したら…

資本簿価は220万になる。PBRが一定であれば、
株価は110万になる。

低PBRは基本基調として上昇する傾向がある。
となると、長期的に下がりつづける事は考えにくい。

PBR0.5倍の銘柄が10年後にPBR0.1倍になるかと言えばそうはならない。
平均すればPBR0.5倍以上になる。

その間に蓄積された資本はPBR0.5倍で評価される。
また資本の蓄積率が高ければ高い程、PBRも釣られて高くなる。

最終的にはPBR1倍になった時、時価総額ベースで残りの価値が回復する。
残りの価値と言うのは低PBRベースで評価されなかった資本価値部分。
PBR0.5倍の、残りの0.5倍の方。未評価部分。

低PBRで資本が蓄積されればされるほど、この未評価の部分が大きくなる。
後でPBRが引き上げられた時、この資産の評価も計上される。

先程の

“資本簿価は220万になる。PBRが一定であれば、株価は110万になる”

と言うのは裏を返せば未評価分が110万ある事になり、その年の利益10万円分が
未評価額として追加されている事になる。数年これが続くと無視できない規模になる。

解散価値が必要になる時。

2011-01-22 22:31:29 | 投資日記
解散価値が必要になる時っていうのは、会社が解散する時なんですが、果たしてくるのだろうか?多分来ない気がする。
それよりも、用途用途に応じて的確に必要な指標を作り出し、財務諸表から引出して展開できる方が重要。

例えばちょっと前の中堅マンションデベの倒産劇。あそこで必要だった指標は解散価格ではなく、棚卸資産の下落にどれだけ耐えられるかどうかの耐久性を測る指標だとか、売残りによる資金繰りの悪化にどれだけ耐えられるかどうかの指標だとか、その他の資産で流動性が高く容易に返済に充てられるだとか、そう言うピンポイントの指標の方が重要だったのではないかと思う。勿論、解散価値も大事だけど。


バリュー投資の落とし穴

2011-01-22 21:23:20 | 投資日記
バリュー投資の落とし穴、それはリターンを市場の自浄効果に委ねている点。

産業資本市場にせよ、金融資本市場にせよ、バリュー投資はこれらがしっかり競争原理を機能させて自浄させる事を前提にした投資であると言える。資本は主に二つの市場を循環する。循環する中で研磨され平準化されていく。河原の石ころみたいにまるくなり皆同じような形になる。水量にもまれて角が取れて特徴が無くなる。資本にも同じ事が言える。ただ、逆に言えばこれが働かなければ駄目だと言う事。そして働かない事も結構ある。

例えば最近の金融市場の例で言えば、過去2-3年間、バリュー系指標は意味をなさなかった、と言うか、むしろ劣っていたし、過去10年間を通してみても、割高企業は引き続き割高であり、割安企業も引き続き割安であった。(※下記はPBRを3位に分けてその後のリターンを追跡したもの、第2位とのベンチマークで第1位と第3位を表示している。)



確かに、全体としてスプレッドは縮小する傾向にあるが、やはり実際の調整にはかなりの時間がかかる。

あ、でもこれは金融市場マターと言うよりも産業資本マターの部分が大きいかもしれない。要するに、利益率はそんなに簡単に変わらず、高い利益率を出す企業は引き続き高い利益を出している、と言う事が言えるかもしれない。その逆もしかり。前のエントリーで提示した図を参照頂きたい。高収益企業の次の5年の“利益の平均値”はやはり一般企業のそれと比べて高くなるし。後、産業資本市場で言えば、死亡する資本と言う物もあるのを忘れてはいけない。割安株であるのはそのリスクを内包している可能性が高い。例えば直近の中堅マンションデベの死亡劇。あれはバリュー株と言えばバリュー株だがバリュー株では無い。

まぁ、いずれにせよ、調整の波は穏やかで時折、逆を行く。さらに長期的にもその逆行が継続する可能性もある。そしてその間に死亡する企業も出てくる可能性がある。もしかしたら戦争で市場どころでは無くなっているかもしれない…いずれにせよ、これらをいかに耐え、逃げ、マネージするかがバリュー投資家の腕の見せ所なのかもしれない。


※因みに産業資本=一般企業の帳簿に載っている資本の事。“価値”に近い。
※因みに金融資本=流通市場における一般企業の株券の売買に使われる資本の事。“価格”に近い。

売上があるのであれば黒字化は達成可能。

2011-01-22 18:50:20 | 投資日記
どんなに糞みたいな会社でも売上が立っているのであれば利益を生む余地はある。売上営業利益率10%はどこでも可能。売上の分(付加価値分)、客から必要とされているのであるのだから。後は社内の問題。人を切るなり合理化するなりすればよみがえる可能性は高い。

例えば、企業が赤字と言うのは家計簿が火の車の状態。生活保護を受けない程度の収入があるのであれば支出を削れば貯蓄は出来る。

…見たいな事をアメーバ経営(京セラ会長の著書)で読んだ気がする。ふと思い出した。


バリュー投資は二重の競争原理を糧にする。

2011-01-22 18:45:50 | 投資日記
市場原理を追い風にするのがバリュー投資。競争原理が働いた市場にある資本は原則として“平等”に評価される。即ち、資本当たりの利益率は収斂する。

収斂すると言う事は、高収益の資本は低収益になり、逆に低収益の資本は高収益になり、平均利益率に収束すると言う事。だからこそバリュー投資が儲かる。金融市場でも産業資本市場(実経済)でもそう。二重の競争原理をその超過リターンの糧とする。