当町には少なくなったとはいえ、年間120万人の観光客が訪れる。
来年には食品リサイクル法により外食産業、ホテル・旅館、食品加工業などの事業者は排出する食品ごみを20%削減しなければならない。(罰則が科せられるのは年間排出量100t以上)
しかし、罰則の対象にならない規模だからといってこの問題に真剣に取り組まないような意識の低い観光業者は淘汰されていくだろう。
当町でこの問題への取り組みがなされているのか心配していたが、本日とても良い話を聞きうれしくなった。というのも、稲取温泉旅館組合に加盟している23の宿泊施設ですばらしい取り組みが始まっているのだ。
旅館からでる可燃ごみのうち、食品残渣だけを分別して、それを熱処理して養鶏場の飼料にするそうだ。これが上手くいけば、稲取地区の宿泊施設から年間1,000トン近く出ている食品残渣がすべて鶏の餌になる。
そして、その餌を食べた鶏が産んだ卵はまた、稲取地区の旅館で使われることになる。これだけでもすばらしい取り組みだが、そこはさすがに民間の経営者の集まりでこれだけでは終わらない。
この取り組みを、教育現場の教師や、行政関係者等に勉強してもらう機会を宿泊とパックにしてモニター旅行形式で商品にしようというのだ。
しかも、この取り組みはまったくの民間主導で行政はタッチしていない。なんとすばらしいことだろう。久々に興奮しました。
しかし、我々行政もこんなすばらしいアイデアを指を加えてみていたのでは能がない。というか、つまらない。そこで、本日、この取り組みを説明していただいた、旅館の社長に次のような話をさせていただきました。
この取り組みは、ストーリのある(情報発信のためには、ストーリの有無が非常に重要です)、すばらしい取り組みですが、旅行商品として売り出す場合には、食品リサイクルだけでは少し弱いのではないかと思うので、これに、当町の風車を組み合わせ、地球温暖化や風力発電の仕組みについての内容を町が提供し、なおかつ風車の見学も組み入れたらもっと商品競争力(話題性)が向上するのではないでしょうか、というような内容です。
社長はこの話に大変乗り気の様子で、今後、旅館業界と行政のコラボレーションを検討しましょうということでした。
このような取り組みから産まれてくる卵にもブランド力がありそうだし、これで呼べるお客さんの数は、たいしたことがなかったとしても、取り組み自体が観光地としてのイメージアップにつながることは間違いありません。
環境問題に取り組んでいないメーカとは取引しないというヨーロッパの企業が増えているそうですが、これから日本人の民度が高まれば、環境問題に積極的に取り組んでいる旅館に泊まりたいというニーズが生まれてくるかもしれません。
風車建設を推進する私にとって、バードストライクは、景観問題とともにもっとも悩ましい事柄の一つです。
そもそも地球温暖化の原因は人間です。
地球温暖化を防ぐことが最重要であり、そのためには多少の犠牲を払うのはやむをえないというのは明らかに人間の傲慢です。
希少な鳥類を守るより、人間の生活を守るほうが大事だというのは人間の傲慢です。
ある種が絶滅するということの意味をもっと真剣に考える必要があります。というかこのことを真剣に考えられない人に本当に地球温暖化を含む環境問題に取り組むことはできないと考えます。
地球温暖化の元凶である人間が、その防止のためにある種(ここでは鳥類)を犠牲にしてもいいというのは倫理的にあきらかな誤りです。
そんなことなら、風車を建てるより人間がもっと欲望を抑制することによってできることがあるはずですし、そちらが優先されるべきです。
なぜ私が「倫理的」とか「傲慢」とかいう言葉を使うのかといえば、これらのことは地球温暖化の本質的な解決にとってもっとも大事なキーワードだと思うからです。
地球温暖化は危機的な状況です。もしかしたらもう手遅れかもしれません。ですから私は普段からできることはなんでもやるべきだと考えています。風力発電も地球温暖化防止の1つの手段です。
しかし、風力発電の導入は地球温暖化の本質的な解決の手段とはなり得ません。 人類が、すべてが人類中心という「傲慢」さを捨て、人間以外の種の保存という「倫理的」な責任を果たす決心をして行動に移すことのみが、地球温暖化問題を解決するための手段です。
風力発電は地球温暖化の進行を遅らせるための手段の一つに過ぎず、地球温暖化の本質的な解決の手段ではないというのが私の考えです。
当町の風車は非常に過酷な条件下で運転しています。風の乱れが強く、また、運用開始から1年7ヶ月たちますが、たしか、風速30m/s以上の風が吹かなかった月は1度しかありませんでした。ですから、消耗品の交換が想定よりかなり早くなりそうな気配です。風車の耐用年数に影響がないか心配です。
静岡県の風力発電のことについて書くということだったので、当町の風力発電の資料一式を渡し、質問に応じました。
その中で、次期風力発電計画についても聞かれましたが、以前北海道にいたとかで、バードストライクの話になりました。ここのところ、日本各地で大規模なウインドファームの計画が明らかとなり、それに伴い、野鳥の会などから、バードストライクに関する問題提起が行われています。
非常に難しい問題です。私は、基本的に風力発電を推進したいと考えています。とにかく、地球温暖化問題は待ったなしの危機的状況なので、できることは何でもやらなくていけないと思います。
最近、愛知万博の影響か、星の王子様の著者、サン・テグジュペリの「地球は親の代から譲り受けたものではなく、子供の世代から借りている」ということばを目にします。
子供の世代から借りている地球を少しでもきれいな状態で子供たちに返さなければなりません。そのために、風力発電の推進は役に立つと思いますが、一方で風車の建設が原因で、現在、絶滅危惧種に指定されている、希少な動植物を子供たちの世代になったら見ることができなくなったのでは、元も子もありません。
やはり、月並みですが、風車建設の際には十分な調査を実施し、希少な動植物に重大な影響を及ぼす場合には風車の建設をあきらめることも必要だと思います。しかし、重大な影響を及ぼすか否かの判断が難しいのだとは思いますが。それぞれの立場の人が真摯に取り組むしかありません。
しかし、今になって考えると、6,000万円×90%(複雑地形)×95%(設備利用可能率)×96%(売電可能率)で4,900万円程度が妥当だったのではないかと弱気になっています。
今更ながらに気になるのは、当初コンサルが示した、90%の根拠です。NEDOへの補助申請時に確認した時は確か、風向に対するヨーの追随遅れなどの発電ロスだと言ってたような気がします。
もう一つついでに言えば、収支計画の中で風車の保守は200万円×3台で600万円となっていましたが、これには消耗品の交換などに係る部品代などは一切含まれていませんでした。風車建設中に風車メーカーから取り寄せた資料によると、運用開始後10年目には保守費用は部品代込みで2,500万円(受変電設備等含む)ほどかかることになっています。
こうして見ていくと、当初コンサルが作成した収支計画は甘かったというか、導入検討の際の当町の検討ではどういう議論があったのか疑念が頭をもたげてきます。民間事業者は風況調査の結果からどういった方法で収支計画を作成しているのでしょうか。
全国で風車関係の仕事をしている人の中で、自宅の自分の部屋から、風車が見える人ってどれぐらいいるんだろう。おそらくそんなに多くはないだろう。自分は数少ない幸せ?な該当者の一人です。
風車がクルクルとよく回っているときは、とても気分がいいのですが、今月のように風がない日が続くと、けっこうつらいです。今日は、風車がばらばらな方向を向いていますから、風向を追従するほどの風も吹いていないようです。
明日の晩は、宿直当番で職場に止まります。発電データを見るのがつらいです。
夏は毎週土曜日にやるので問題ないが、冬は仕事に行く前か、仕事が終わってからやるしかない。仕事が終わる時間は読めない部分があるので、基本的には、朝少し早めに起きてやるが、冬の早朝はチョットつらい。前の晩に風車が止まったりするとなおさらきつい。
温泉掃除が終わったあとは最近調子が悪かった温泉のポンプ周りの配管を、父と一緒にやり換えた。とにかく、我が家の温泉はすべて父の直営だ。源泉掃除も、父が某団体の代表となり、あまりに忙しくたいへんそうなため、3年ほど前から自分が代わりにやるようになった。
将来、すべてが自分の代になったときは、父のようにはできそうも無い。そう考えるとなんだか気が重い。
この問題解決の指針とする目的でNEDOが日本型風車のガイドライン策定の業務委託を公募している。もしかしたら、この研究が当町の風車で行われることになるかもしれません。もしかしたらですが。もし、実施されることになったら詳細を報告します。
しかし、パソコンはどこまで安くなるんだろう。今日、風車の遠隔監視装置を持ち歩けるようにするためのノートパソコンを購入するのに見積書を開封した。12.1インチ以上の液晶サイズで、2kg以下の重さでメモリは512MBにオフィスのスタンダードエディションをつけて180,600円で購入を決定した。ノートパソコンでも重さが2kg以下のタイプはなかなか値段が下がらないものと思っていたが、びっくりです。2週間以内に納入される予定なので手元に届いたら、パソコンを長崎へ送って遠隔監視装置をインストールしてもらう予定です。
これで、風車が故障停止しての夜中の呼び出しがなくなります。もちろん、再起動に現場の確認が必要な重故障は別ですが。軽故障であれば、家で風車を操作することができます。これからは、寝ぼけまなこにコンタクトレンズをはめて、車を運転して夜中の寂しい職場に行く回数は激減するはずです。しかし、家でも出張先でも、風車の運転状況が見れるということは、なんとなく24時間、仕事に拘束されているような気もするので、気分転換を上手くしないと、疲れてしまいそうな気もするなあ。
日本全国に急速に風力発電が建設されているが、伊豆半島は首都圏から比較的近いし、また、首都圏に住む人々にとってなじみのある場所であるので、そこにウインドファームが建設されれば、意味のあることだと思います。
また静岡県の天城放牧場では牛の糞と生ごみも使ってのバイオマスプラントが試験運転を始めている。今後、天城に降った雨水を利用した小規模水力発電や、大規模な太陽光発電システムの設置など伊豆半島全体で取り組めれば、首都圏近くの新エネルギー基地として注目を集めることができるのではないだろうか。
伊豆半島は県内でもっとも人口の減少率が大きく、基幹産業である観光業も不振が続いているが、過去の延長線上にある政策では現状を打破することはできない。伊豆半島全体を地球温暖化防止エリアとすることができればおもしろいと思う。
グリーン電力基金を応援するための企画だそうで、全4回シリーズの第3回目に我が風車が登場することになるそうです。8月上旬には取材が行われます。
また、現在、風力エネルギー協会の協会誌と月刊グリーンビジネスへ掲載予定の原稿を書いています。様々な媒体に取り上げていただくことは、当町の取り組みを広く知ってもらうチャンスが増えるということですから、たいへんにありがたいことです。
最近2歳になったばかりの末っ子(4人目)のおしゃべりがだいぶ達者になってきました。気に入らないことがあると「バカ、バカ」というので、そんなこと言うなと睨むと「こわい、こわい」と言っています。日々成長していくわが子を見るのはとても嬉しいことですが、末っ子が大きくなっていくのはなんだか寂しい気もします。