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My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

風力エネルギー利用シンポジウム(その4)

2008-12-07 22:07:53 | 風車日記
シンポジウム2日目はより専門的な発表が続き文系の自分には理解できない内容ばかりですが、ガラードハッサンジャパンの方から興味深い話を聞くことができました。

ヨーロッパやアメリカではファイナンスやウインドファームの買収の関係で風車の稼働率(設備利用可能率)の調査にニーズがあるそうで、10年以上に渡り調査を続けているそうです。14GWを超える運用中の風車を調査した実績がデータベースになっているということで、データベースには世界各地の250を越えるウインドファームの稼働率の月次統計が、単機出力300kwから3MWの主要な全ての風車メーカの風車が1機から100機を越えるさまざまな規模で蓄積されています。

結論を言うと世界のウインドファームの業界水準は設備利用可能率97%だそうです。50%のウインドファームで97.5%以上で90%のウインドファームで92.5%以上ということです。

また、大型風車では初期トラブルが多いが一度問題を解決してしまえば1メガワット未満の中型風車と同水準の稼働率が期待できることや、大規模(40機以上)ウインドファームでは運用初年度は稼働率が低いが2年目からは小規模ウインドファームより高稼働率となっている。

この他、風速が14m/sを超えて風が強くなるに従い、稼働率が低下していくデータなども示されました。これは高風速による過負荷によって、振動保護警報、ピッチメカニズムの不具合、発電機の過熱などが発生している上に、強風が長く続くと安全上の問題から修理にかかる時間も長くなることが影響しているようです。

発表後、日本の風車に関しては平均稼働率が97%も無いように思うが国内の風車について何かわかることがあれば教えて欲しいと質問したのですが、国内のデータは無いので推測になりますがとの断りつきで、国内のウインドファームが小規模で常駐の整備スタッフがいないサイトが多いことや、国外の風車メーカも販売機数が少ないのでメンテナンス体制の構築が進まないことが原因ではないかという予想通りの回答でした。

日本の風車に関するデータが無いというのも、ファイナンスやウインドファーム買収などのビジネス上のニーズが今まで無かったということでしょう。こういう面を見ても日本の風力発電産業がまだまだ発展途上だということがわかります。

ところで当町風車の設備利用可能率は平成16年度から
90.21%→96.64%→95.38%→86.84%→96.89%(本年11月末現在)と推移しています。今年度は5年目なので7月に部品の交換を伴う定期点検を実施して月次の利用可能率が88.08%だった以外はまずまずです。11月には1年点検も終了したのでこのまま何とか運開後初の年間設備利用可能率97%を達成できるかもしれません。