ふわふわ気分で

舞台、シネマ、藤原竜也くん、長谷川博己くん、成河くんのことなど気ままに・・・

『敵討』吉村昭著

2011-03-02 | 藤原竜也
今日近くの書店を覗いたら『敵討』発見。
なんと藤原竜也くんの帯。
迷わずゲットしました。
アマゾンさんはキャンセル。
悪しからず・・・
ふふ・・・

2月26日に放送された「遺恨あり」の原作本です。
新潮文庫 400エン。
吉村昭さんの作品が2本収められてます。
表題作の「敵討」と「最後の仇討」。

竜也くんが演じたドラマ「遺恨あり」は「最後の仇討」を脚色したもの。
さっそく読みました。
テレビとはかなり、というかゼンゼン違ってました。

一番びっくりなのは、六郎の仇討を手助けするなかがいません。
「下女のなか」が出てくるのは、臼井亘理が襲撃された時に、
 「異様な物音とあわただしい足音を耳にして」
亘理の父に知らせたという場面だけ。
その後は登場しません。

六郎はたったひとりで仇討を決意して、決行したのね。
ぜんぜんイメージ違うわ。
ちょっとがっかり・・・

そもそもこの小説、女性が出てきません。
山岡鉄舟夫人が亡き夫に代わり、六郎の出獄祝いの席を設けた場面だけ。
なあんだ、原作は従来の男だけの歴史小説だったんですね。

鉄舟と六郎の道場シーンも皆無です。
鉄舟は仇討のことなど、ゼンゼン気づいてませんでした。
形見の短刀もなし。

一瀬だって仕込杖持ってません。
ここ結構気にいってたのに・・・
六郎の存在も知らないで突然切りつけられるし、立ち回りも無しだし。
「遺恨あり!」の決め台詞は「父の仇」ですって。
う~ん、ベタすぎる・・・

あの大感動の場面の数々は脚本家の方の創作ですか。
びっくり~です。

それに六郎は人力車の車夫には、なってません。
竜也くんを車夫にするってのは「黙阿彌オペラ」の五郎蔵を観た人のアイデアかしらん。
はい、ちょっとうれしかったですよ。

これ脚本がホントによくできてるので感心しました。
元の材料だけで、エピソードなんかほとんど創作しちゃったんですね。
登場する女性もキャラ立ちして、1本筋が通った人ばかりなのも、オール創作。
スゴイ、お見事大成功ですよ~

脚本の後藤法子さんと、源孝志監督大拍手です~
パチパチ・・・

後藤さんと源監督、このセンで竜也くん主演、どんどん作ってくださいね。
仇討シリーズでもいいし・・・
あ、よくないか・・・ごめん。

ていねいに作った大人向けの良質な作品、これからもお願いしますね~
よろしく~