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「血は立ったまま眠っている」感想

2010-02-13 | 演劇

寺山修司さん23歳の時の処女戯曲。
森田剛くんが瑞々しい演技で、17歳のテロリストを好演してました。
ネタバレしてます。よろしくね。


「血は立ったまま眠っている」
作:寺山修司
演出:蜷川幸雄
美術:中越司
出演:森田剛、窪塚洋介、寺島しのぶ、遠藤ミチロウ、柄本佑、六平直政、大石継太ほか
Bunkamuraシアターコクーン 2月12日マチネ観劇

テロリストを目ざす良(森田)と灰男(窪塚)そして良の姉、夏美(寺島)
そこに、ダイナマイトを持った男(大石)が・・・

寺山修司さんの初戯曲作品だけど、
「身毒丸」や去年観た「中国の不思議な役人」にも共通する不思議感がありました。

美術は中越さん、今回はキレイさは封印して、
汚い系で猥雑な感じの舞台でした。

開演直前には、舞台中央奥の搬入口が開いて駐車場がオープン。
ん、何だろう?ってこっちを見てるおじさんも。
車の奥から赤い旗を持った男たちが登場して、
スタートです。

60年に発表された戯曲だそう。
旗を振るのも安保闘争との関係らしいけど・・・
50年も昔の学生運動を想像するのも、ちょっと難しい。

旗をふる男たちの後は馬(に扮した人)が駆けてきたりして、このあたり「身毒丸」的雰囲気。
その後の首つり死体が「身毒丸」の藤原竜也くんに似てる。
白シャツと黒ズボン、髪型の感じもそっくりなのは笑えました。

森田剛くんがステキでした。
17歳の設定にしては、お肌が・・・だったけど(ゴメン)、
真っ直ぐで傷つきやすい感性が感じられて、ナイスでした。

この日はなんと最前列(持つべきものは友達ね)。
超うれしかった・・・けど、森田くんと窪塚くんのシーンでは、
必ずトラックが出てきて、これが出しゃばりすぎ。
2人が下手のベッドのあたりにいると、姿は見えず声だけ。
あそこで、見切り席になるとは思いませんでしたよ。
はぁ~

身毒丸のような情感が少なくて、
汚い系が幅を利かせてました。
舞台中央に公衆トイレの便器が並ぶんだもんね。
それも男用はよごれてるし・・・
客席前面に迫ってるし。

芝居もほとんど、舞台前の方使用でした。
うれしいような・・・困ったシーンもありましたね。

大勢のあやしげな人々の不思議感というか、
雰囲気がイマイチないみたいな気がしました。
そのわりに出番多いような・・・

「中国の不思議な役人」では、名もない大勢の人が効果的に使われてたけど、
これは、もひとつみたい。
寺山さんでも、最初は・・・だったみたい。

ペギー役の蘭妖子さんが濡れ場もアリの達者なところをみせてました。
「身毒丸」の小間使い役だった方。
知り合いを見つけた感じで、ちょっとうれしい。
エロカワイイというか、コワいというか、
君子役の茂手木桜子さんも微妙にコワかったです。
江口のり子さんも、とぼけた感じがよかったね。
女性3人はナイスでした。

茂手木さんと子供役の大橋一輝さん、鈴木彰紀さんたちは埼玉ネクストシアター組ですね。
はい、応援してますよ。

ただし演出はエログロあり。
それも観客にアピールしたくて、無理やり下ネタに持ってくみたいな感じ。
演出家にさせられている役者さんがお気の毒、と思ってしまうのは私だけかな。
舞台を観て、客にお気の毒と思わせてしまうのは、
どうなんでしょうかね・・・蜷川さん。

「中国の不思議な役人」でも裸は出てきたけど、
そういう感じはしなかったですよ。

寺島さんの雰囲気スゴクよかったです。
大石さん出番は少ないけど、舞台を引き締めて◎でした。

うさんくさい灰男の窪塚くんが、なんだか苦手。
もっとピュアなテロリストって感じで、竜也くんをキャスティングしたいな。
良は弟キャラの林遣都くんとか、いかがでしょうか。
うふ・・・
皆さま、お疲れさまでした