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余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

2022-01-17 22:44:24 | 花弁の詩
とうとう始まったらしいわよ
えっ 何が始まったの?
だから始まったのよ
だから何?
えたいのしれないものたちの
うたげの影がちらほらとよ

蝶と僕

2022-01-17 22:37:48 | 水声の詩
あらゆる君の行動を
夢中になって追いかけて
君の視線の先なんか
見ない振りをしたりして

君はヒラヒラと舞う蝶
「大丈夫よ
あなたには届かないから」
分かっているよ

「あなたは私のための
一つの蜜なのだから
待っておいで」
待っているよ

「あなたと私は違うのよ」
知っているよ

羽をちょうだい
「さよなら」

鱗粉が肩に落ちる
去ろうとする蝶に
思わず羽に触れてしまう
蝶は羽をヒラヒラ動かし
飛ぼうとする
地を這う蝶
心の奥がぞっとする
心の底から湧き上がる
嫌悪と虚無感
分解して紛らわす

思い出ひろい

2022-01-17 22:32:27 | 水声の詩
あなたといた思い出のピースを
拾い集めていく

海岸へ行くなら平日がいい
だって誰もいないから
この海全部が僕のもの

拾いきれない思い出の欠けらは
僕をひどく悲しくさせる

大切な 大切な 思い出
僕の恋

一人海岸にたたずむ影は
きらめく海を広がらせて
風で押される髪が少しだけ
悲しさをとばしてくれる

思い出の欠けらは僕の心の棘になる
痛みと柔らかさと
知っていてもまた繰り返す
同じことを何度でも

海岸に来た
恋人同士の声が耳に重なり
思い出を波でさらわれないように
ぎゅっと抱きしめてあとにする