あなたは
どうしようもなく
恋をした
ことがあるだろうか
くるしくて
詩もひとつの物語
技法は様々あるが
流れは心地良さを含ませる
ひとつの言葉から
ひとつの文がうまれ
ひとつの文から
ものかたりが疼きだす
ひきこめるものは響きがとても心地良い
尊厳と畏怖と共感と
こえた今、現代に流れている
時代の感受性は必需といえる
決して感情のはきだめであってはいけない
そうなると詩ではなくなるのだ
感情を外せといっているのではない
今、ここの心根をぶつけるなとはいっていない
ぶっつけるのだ
必要なのは言葉の流れである
雲の水の風の光の人の時間の
万物の流れの愛しさが
それを物語っているような気はしないだろうか
人からどうこう言われようと
詩は僕から離れることはない
あの日から常に共に
同じことばかり書いている
ほら
理解できるものしか
でてこないのは当然だ
はたまた言葉は
詩ではなく
しいていうなら器だろうか
よく出てくる言葉はうざったく
いっそそこは黒く塗り潰してしまおうか
何かをのべても
かわらない
あのはじまりのときのまま
ちんぷな詩とは
とうていよべない
今更ながら気付いてしまった
おそかったか
詩だけは
自由にかけるのだ
わがままに、へんくつに
それでも詩には
それぞれの要素は必要だ
その中でも特に必要なものがあるだろう
床につくなかで
だれかに送る手紙のように
郵便配達の人が待ち遠しく
思うように
つきつめればそうなのだと思う
僕の詩は稚拙である
ように思う
世にでてきた詩人よ
私はせまく怠惰である
誇れるものはあった気がするが
欲しいものはなんだったか
あの人は何時の世界にいるのだろう
願うなら
一つでも僕の詩にも あるとよいのだが
僕の全ての詩には
2人がいつもいる
生の果ての死への入り口
そこで待つのは黒い影
囁きあっては睨み付け
誘われるままに落ちていく
彷徨いながら落ちていく
ジョーカーは死の副作用
生真面目な僕は思っていた
喜んで獣道を歩いてゆこう
凍り付いた四つの印
取り巻いた三人の兵
流れ着く甘美十三
緩やかな坂の手前
数歩後退して
崇拝の真似事と
首輪をはめまして
負けず
僕負けず