たちまちに
狐の嫁入り
天気雨
アンチテーゼが
また五月雨る
てっぺんで
答えをあわせてみたよね
頬にふれる
どちらにしようね
獣になる
雷がなる
獣がなる
雷になる
ガロロロロ
目が右往左往
胸が上下連動して揺り動かされる
空中浮遊する感情ピアノ
手に導かれて
行方を捜しながら彷徨って
匂いを追って
追うことに求めを焦がれる
マヤカシだろうね
雷と獣と
手が呼んでいる
こっちよ
いかなくちゃ
恋をするよ
そこに永遠をくっつけて
花がおちたよ
永遠の近くまで
手のなる方からはみだして
花の方へ惹かれていく
泳ぐように落ちながら
喘ぎながら呼吸を忘れて
鼓動は雷に打たれて
はやまるけれど
胸の上下はないままに
息の白さは失われて
空とは反対に夢のように
波の音が声になり
できるなら青が欲しいと願う
赤くなる月の色は
まるで隠れて泣いているようで
月の裏側も泣いている
雷がなる
天啓の閃きは
忘れていた音楽さながら
音符を連れて物語り
獣は泣く
相応しからぬその容貌
爪を腕にあて
深く傷をつける
あの頃の温もりが
不思議な心の古里となって
湖となって
ほとりで佇んでいる
ねえと
手を伸ばす
湖に向かって
ねえと
うつる鏡のその向こうに
月のうつる向こう側に
柔らかな微笑がゆらり動いて
その光景は蜃気楼
蜃気楼は靄とまざり
ひと滴こぼれる
青い眠りの温もりを
そこに赤をひとしずく
意味や理由のないまぜに
あとで飾りつけるため
ふたつの事象が物語り
出会うために
最後に水辺の花をおく
過去とは訣別したけれど
この詩だけはもっていこう
タイムマシーンになれるのだから
美しさに彩りを添えた
桜、美しい君
色はそう
神秘のベールに包まれる
奥の奥に誘われて
とわの眠りの魔法は解けかけ
呼吸の音色がそこにある
目覚めるためにはおとぎのキスを
ビターな風がさわり吹き
時が止まる
可憐のために
鍵の失くした箱を抱えて
桜は季節をまたぎ咲き続ける