余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

見交わして

2021-02-16 23:14:29 | リンゴのいろ(短歌)
見交わして
あなたのそらす
視線から
言葉の祈りを
確かめている
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愛の夢とか

2021-02-16 22:49:28 | マイブック(か)
「愛の夢とか」
      川上未映子 著

口語ですすめられる七つのおはなし。
近づいてきて、放れていって。
人物たちがすこしぼやけて過ごしている。
恋をして、さよならをして、
また出会いが訪れる。
トントンと胸がたたかれ心が開く。
通り過ぎていく日常は影になり、
影はあらわれ、または消えて。
息の詰まるときを家のドアをあける。

アイスクリームの冷たさに、ピアノの音色、
わたしのおうち、ゆうれいになって、
夢はいまを模索するよう。

コロナは触れることを禁じ、
見詰めることをためらわせる。
次第に変容していく世界のカタチになって、
言葉は無力となっていくよう。
見詰め続ける内面の宇宙は、
吐息の儚き夢とかになる。
あなたとわたしは星の光年ほどの距離を
指先で踊る。
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