栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

権力の甘い蜜の罠に堕ちた男達(3)~日本にもいる「ホセ・ムヒカ」

2016-06-28 09:39:17 | 視点
舛添前都知事と「号泣議員」の共通点

 「号泣議員」と舛添氏には共通点がある。
まず「号泣議員」の記者会見の様子を思い出してみよう。彼は号泣しながら、自分が議員になった理由、議員になり何をやりたかったのかを次のように訴えた。

 舛添氏も同じようなことを言っている。
「東京を世界一の街にするために知事になった」。
      ・
      ・
この辺りにも彼の理念のいい加減さが窺えるが、舛添氏自身は気付いていない。

 辞任するにあたり「最も懸念いたしましたのは、オリンピック・パラリンピック大会への影響」というから何とも情けない。都民の生活など端から頭になかったようだ。
 結局、彼が目指したものは「世界一」とかオリンピック等の華々しい舞台で自身が注目を集めることだったようで、その認識のズレが都民との間にあったことに最後まで彼自身は気付いていなかった。

         (中 略)


権力は最も甘い蜜の味

 それにしても人はなぜ権力に執着するのか。
それは甘い蜜の味がするからで、その味は直接、間接を問わずカネと結び付いている。
都知事に限らず国会議員でさえ無料交通パスが利用できるし、様々な名目の下、視察という名の海外旅行が公費でできる。
 舛添氏の公私混同が議会で問題になった後でさえ都議会議員はリオへ大挙して視察に行くことに何の問題意識も持たなかった(辞退したのは共産党議員達だけ)のだから、彼らの頭の中は甘い蜜を吸うことしかないと言われても仕方ない。

 例えば富山市議会。
舛添問題のさなかの6月15日、本会議で議員報酬を10万円引き上げ、月額70万円にする条例改正案を賛成多数で可決

 福岡県北九州市議(自民党)に至っては2年半、市議会を欠席しながら3,340万円の議員報酬を満額受け取

         (中 略)

 まるで蜂が蜜に群がるように、恵まれた給与+特権を求めて議員、知事になる輩がいれば、その周囲にこれまた蜜を求めて群がる連中もいる。
 では、選挙でそういう関係を断ち切るのかと思えば、この国の民もいい加減だから、選挙の時はまた別の物差しを持って来て投票行動をする。
だからいつまでたっても変わりはしない。結局、この国の民自身の中に甘さがあるのかもしれない。

日本にもいる「ホセ・ムヒカ」

 だが、悲観材料ばかりではない。議員、地方首長の中にも数は少ないが清廉の士はいる。
 例えば栃木県那須塩原市の前市長、阿久津憲二氏(72歳)

 和歌山県北山村をご存じだろうか。
奈良県、三重県、和歌山県境にある人口450人程度の小さな村だが、和歌山県といっても和歌山県のほかの市町村と接してない飛び地村だ。
最近では「じゃばら」という柑橘類で有名だから、花粉症で悩んでいる人はご存知かもしれない。

 北山村の奥田貢村長(74歳)が「日本のホセ・ムヒカ」として

         (以下 略)



 ☆全文は「まぐまぐ」内の下記「栗野的視点」ページから
  http://archives.mag2.com/0000138716/20160620232000000.html


 「栗野的視点」はリエゾン九州のHPにも収録しています。



   北山村産すっぱくないじゃばらジュース