栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

売れる書店、売れない書店の違い

2006-12-11 18:59:38 | 視点
 かつて書店経営はうらやましがられた。
仕入れ努力の必要がなく、売れ残った本は返本できるし、再販制度に守られて日本全国均一の価格だし、多少古くなっても定価販売。
こんな楽な商売はないというわけだ。
 ところが最近では書店経営は儲からないどころか、いまや書店は不況業種に分類されている。
まあ長年努力せずにきたツケが回ってきたわけだ。
それでもまだ実質的には再販制度に守られているから本当の意味で競争しているとはいえないが。

 だから、どこの書店に行っても本は自分で探せという店の論理がまかり通っている。
棚もせいぜいジャンル別、著者のアイウエオ順に並べる程度で、NTTのタウンページ、ハローページと変わりはない。

 ところが、たまたまTsutayaに行く機会があり、棚を見て感心した。
ここでは棚に「ロングセラー」「いま売れています」「おすすめ」などといったタグが挟んであったのだ。(写真)
「いま売れています」とか「おすすめ」といわれれば、つい手に取ってみようかという気になる。
「客の立場に立つ」とはこんなことをいうのだ。
分かってしまえば「コロンブスの卵」と同じで、それなら誰でもできるが、それでもやらないのが普通の人。
それが証拠に未だ他の書店ではこの程度のことさえやってない。
やはり革新的なことは新規参入者、異業種からの参入者にしかできないようだ。

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