まろの公園ライフ

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懐かしき文化住宅

2015年10月13日 | 日記

板橋区の某所である。
お掃除バイトの昼休みに近所をブラブラしてみた。
古いアパートに出くわした途端、無性に懐かしさがこみあげて来た。



木造モルタル塗りの集合住宅である。
東京ではアパートだが関西では「文化住宅」と呼ぶ。
寝屋川や門真といった住宅密集地ではこのタイプの建物ががひしめき合う。
なぜ文化住宅と呼ぶのかは諸説あって定かではない。
従来の長屋や木賃アパートより多少「文化的」というほどの意味で
「文化包丁」や「文化鍋」などと同様かも知れない。



昔から私はずっと「文化住宅」暮らしだった。
貧乏だったということもあるが
木造住宅の落ち着いた質感がとても肌にあって気に入っていた。
結婚して最初の新居も文化住宅だった。
当時としてはまだ珍しいメソネットタイプで家賃も高かったが
あまりに狭すぎて、せっかくの婚礼道具である「桐のタンス」が家に入らず
ホトホト、途方に暮れた記憶がある。(笑)



このアパートは元は「みゆき荘」だったらしい。
インターネット設備を導入する際に「コーポ」に格上げしたと推察される。
大家さんにインターネット環境の必要性を説いたのは
不動産屋の「丸徳」さんだったのだろうか。
せっかくだからその社名も一緒に「CI」したらよかったのに・・・(笑)



その文化住宅も「阪神大震災」を境に一斉に姿を消した。
6000人を超える犠牲者の大半が
木造住宅の住人で死因のほとんどが圧死だった。
以来、猫も杓子も鉄筋のマンション暮らしとなって時代は変わった。



なぜか立ち去り難く
懐かしい文化住宅の匂いにあれこれ思いをめぐらせていた。
今度引っ越しをする機会があれば
文化住宅に住むのも悪くないなあ、などと思ったりした。
残念ながら「文化」は感じなかったが、その「空気」は捨てがたかった。
文化住宅も今や「死語」になりつつあるが
私たちはその代わりに本当に豊かな生活を手に入れたのだろうか・・
などと大仰なことを思ったりしたした。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつも… (gakky)
2015-10-13 12:07:13
拝見していた記事がfacebookにアップされないのは寂しいものですね (u_u)
返信する
そう言われると・・・ (まろ)
2015-10-13 14:21:26
gakky様
申し訳なくて心苦しい限りです。
先日のブログでも書いたように、いろいろ大変でして、facebookのコメントまで対応出来ないのが実情です。
そのあたりをご勘案の上、ご容赦いただきたくお願い申します。
余裕ができたらまた復活します。
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