くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

参院選に思うこと: 改革のための民主主義の限界

2007年07月30日 | Weblog
私的には、まさかの結果だった、参院選。

民主優勢は分っていた。自民が議席を減ずることも不可避のことと考えていた。常会でそれなりの結果を出さなければ今回の選挙が苦しくなることもここでも既に安部政権成立時に触れたと思う。それでも、昨年来、さほど負けない、3年前の選挙の結果程度にとどまると踏んでいた。

ところがである、その肝心の常会会期中に、年金問題やら、何とか還元水の首くくりやら、失言に事務所経費問題、そして顔のおできをめぐる対応の拙さ・・・。

その結果が、大敗北。それでも、自民の議席減は45前後で踏みとどまると踏んでいた。マスコミの民主優勢の報道に対して、安部バッシングに対して、必ず闘病日になっての揺れ戻しがある、それが投票行動のパターンの一つであり、また、投票日当日投票率が思ったほどの伸びない状況に、民主の得票も伸び悩むと見たのだ・・。

結局私は、有権者の一人でありながら、現今の世論の潮の流れをまったく読めなかった。アンチ民主の私としては、民主の勝利は3年前に運命づけられたもので不可避として、大勝という結果にだけはなって欲しくないとの希望的観測もあったのだ。戦争と選挙と資金繰りに希望的観測を持ち込んではいけないと改めて痛感したしだい。

それにしても、今回の選挙を見ていて感じた一つが、マスコミの偏向ぶり。今に始まったことではないし、我が国だけの問題でもない。2004年の大統領選挙の際の米国マスコミのアンチ・ブッシュ陣営もかなり露骨だった。そこ場合は、ブッシュが300万票という意外の大差で勝利し、マスコミ内部に自己批判を生じたが、今回の参院選は、マスコミの思惑通りの結果とあいなった。マスコミの付け入る隙を与えた安部政権の体たらくは言うまでもないが、それにしても閣僚の失言や消えてもいないのに消えてと報じられた年金問題の騒ぎたてぶり・・、あれには「魂胆無し」と思う方が難しいというものだ。そういえば、開票速報番組で、押し殺そうとするも隠しきれぬ笑みをたたえながら画面に映る某大新聞のコメンテーターもいた。平成5年自民が野党転落した際の総選挙後のテレ朝の某重役の放送法違反発言ではないが、内心「我々が民主を大勝させた」とほくそ笑んでいたのではないのか。その某大新聞、選挙明けの社説では、驚くことではあるまいが、安部退陣の論陣を張っていた。

それよりも気になったのは、ほとんど年金や格差で決せられた形となった今回の選挙の結果をもたらした我々有権者の投票行動である。端的に言って、これが民主主義のあるべき姿なのだろうか?これを民主主義の不可避のコストと見るべきなのかもしれないが、果たして払うべきコストなのであろうか。特に現今の我が国を取り巻く内外情勢を見るに、今払わねばならぬコストなのであろうか。

我が国に「改革」が必要であることに論を待つまでもあるまい。その方向性には諸論あるとはいえ、我が国は変わらねばないない。そしてそのために残された時間も決して多くはないのだが、はたして既存の民主主義的プロセスを経ることによる改革が果たして可能なのだろうか。大化の改新も、明治維新も決してすべてがすべて当時の合法的な意思決定、政策決定プロセツの産物ではなかったはずだ・・・。結果オンリーのやり方は、将来に禍根を残す怖さもある。満州事変のやりくちはそれかr6年後盧溝橋事変勃発に際して、日中衝突の不拡大を阻んだ。今回の選挙が見せた我が国の民主主義の現状では、民主的な手法での改革には限界はあるように思えてならないのだが・・。

正直に言って、強権的手法によるドラスティックな改革を夢見ないでもない。それに近いかたちでかつあくまでも合法に改革を推進しようとするのであれば、大連立による挙国一致的な政権のよる翼賛的政治状況の創出と、その下での改革の断行しかないのではないのか。さもなくば・・・。

小沢民主党に決して多くを期待はしない、いや少しくも期待はしていないが、今回の戦勝の勢いのみに乗じて与党との対決姿勢のみに終始することの愚をさとるべし。むしろ小沢政権を望むのであれば、また救国改革を真に願うのであれば、たとえ党の一部を割り排除する結果になったとしても、自ら自民との大連立を提示し、その実現に模索すべし。もっとも数の論理に拘泥するきらいのあるように見える小沢氏にそれができるとは思えない。であれば、上述の「さもなくば・・・」の選択を視野に入れる必要があるのかもしれない。それもまた政治というものなのだ。
コメント
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