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居酒屋さすらい 0976 - 万カツサンドと電車でGO! - 「肉の万世 本店直売所」(千代田区神田須田町)

2016-02-25 20:54:00 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

秋葉原側から万世橋を渡り、万世橋mAAchを超えると急にみすぼらしい建物が現れる。

その落差がものすごい。

「ラジオガァデン」の時代がかったフォントの看板。ラジオの部品商は、かろうじてまだ秋葉原の余韻を残す。

その建物の中にある開け放しの店。

ソフトクリームの巨大な置きもの。赤提灯。そして「ビールあります」との表示。

店の看板を見たら「肉の万世 本店直売所」とある。

「肉の万世」なら、通りを渡った対面に巨大なビルが建っている。それにも関わらず、ここで何を売っているのだろうか。

ボクは足を止めて店の敷地内に足を踏み入れた。

「牛すじ煮」、「もつ煮」が300円。

日本酒400円。

え?これ立ち飲み屋?

4畳半程度のスペースに丸テーブルが2つ。通路を挟んだスペースにお店の人がいる。

ボクはそこで生ビール中(300円)と「もつ煮」を頼んだ。

 

若い男性定員が対応してくれる。

「もつ煮」を出してきて、レンジに入れる。その間に青年はビールを用意する。

ビールはプレモル。この際、文句は言えない。

「もつ煮ができたら、声かけますんで」と青年は言った。

 

ボクはビールを持って4畳半に戻る。

テレビを見ながらコップを傾ける。うまい。

何かの待合所のような部屋でビールを立って飲む。いいなぁ。

 

黄昏の街を帰宅する人々が店の前を通り過ぎていく。

彼ら、彼女らは、立ってビールを飲むボクに冷たい一瞥をくれる。

 

そうするうちに「もつ煮」ができたと告げられた。

お椀に盛られた「もつ煮」。さすが肉屋だけあって、もつの質も悪くない。もつはシロのみ。スープは白味噌。

 

それにつけても、この店は何なのだろうか。

立ち飲みなら「肉の万世」の1階にある。わざわざ道を挟んだ対面に立ち飲みを作る理由はない。

それとも、この土地も「肉の万世」のものなのだろうか。

道を挟むと商圏が変わる。もしかすると、この店は「万カツサンド」を逆サイド側の商圏に訴求した店なのかもしれない。

それがいつしか様々なものを売るようになったとか。

 

「万カツサンド」とビールは相性がいい。

ボクは羽田から飛行機に乗るときはいつも「万カツサンド」とビールで旅立ちの一杯をやる。

 

「もつ煮」を食べながら、ふと店の片隅に目をやると、ゲーム機とディスプレイが置いてあるのが目についた。

「電車でGO!」である。

なるほど。この店を運営する人は余程センスのいい御仁なのかもしれない。

この店の隣にある旧万世橋駅のmAAchはもともと鉄道博物館である。その旧鉄博の矜持の意味が込められているのだろう。「電車でGO!」はその細やかな証なのだ。

このゲーム機、自由に使っていいらしい。

やっぱり、この店の存在自体が謎である。

 

最後に「万カツサンド」をいただく。

カツサンドは数々あれど、ボクは「万カツサンド」が一番好きだ。 

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