座間市の某企業様から、社内報制作のお仕事をいただいており、昨年度から2ヶ月に一度の割合でお邪魔している。
小田急相模原線の相武台前駅より某企業様まで歩く道すがらにある「みわちゃんラーメン」。店舗外観の小汚さからして、「この店、ただ者ではない」と思わせる。外からは一切内観が見えなくて、店内が果たしてどうなっているのか、いつも気になっていた。気になる要因は、もう一つ。同店のイチオシと思われるメニューに、「サンマーメン」があった。神奈川県のご当地ラーメンとして名高い、「サンマーメン」である。これは絶対食べなければと思い続けたものの、なかなかタイミングが合わず、毎回店を素通りしてきた。
そして今回、店舗の前を通ると入口に貼紙があった。嫌な予感がした。単なる年末年始の営業の案内ならいい。けれど、嫌な予感は当たった。そこには12月29日をもって営業を終えると記されていた。
なんということか。
仕事を終え、ボクは店に急いだ。入口の扉を開けると、そこには小宇宙があった。カウンター席と小上がり。店はそれほど広くない。いや、むしろ狭い方だ。オーバーオールの大将と、その奥方とおぼしき女将さん。「みわちゃん」とは、奥様のお名前なのか。それとも大将。いや場合によっては娘さんの可能性もある。
ボクはカウンターに腰かけて、待望の「サンマーメン」をオーダーした。いや、実は「チャーハン」という選択肢もあった。実は、この日のランチが「チャーハン」だったのだ。そのランチは僅か500円。今時、ワンコインで昼飯は食べられない。しかも、ボクの隣に座った常連さんが、その「チャーハン」を食べていた。盛りが美しい「チャーハン」で、いい香りが漂ってくる。この「チャーハン」を見ただけで、「みわちゃんラーメン」の実力はうかがい知れた。
「チャーハン」と「サンマーメン」で心は揺れたが、予定通り、「サンマーメン」をオーダーした。
その「サンマーメン」も美しい盛りだった。とろりとした餡が、丼いっぱいに広がる。まるで、それは海だった。海原にもやし、きくらげ、にんじんを浮かべ、その餡を掻き分けると細麺が顔を出す。その熱々のスープをいただくと、じんわりと優しい味が体にしみわたる。塩分のバランスが絶妙。うまい。断然うまい。
そのあとは、もう一気呵成だった。スープをいただき、餡と麺を絡めて食べる、すするを繰り返す。体は芯から温まり、額から汗が浮かんだ。その箸は一向に止まらない。そのまま、完食まで一気に突っ走った。
これがたったの700円。素晴らしき、みわちゃんワールド。
この技術が誰にも受け継がれることなく、ひっそりと消滅していくのかと、少し寂しい気持ちになる。
待望の「サンマーメン」は断然、うまかった。
長い間、お疲れ様でした。
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