
ぼうぼうと冷たい風が吹き付ける。
かなり、強い風だ。
東京湾から吹きすさぶ強風はどこかもの悲しい。
駅に向かって歩いているのに、人っ子ひとり通りすぎる者がなく、寂寥感が心を包む。
時間はまだ21時を少し回ったばかりなのに。
吹上通りは電灯もまばら。駅前にもぽつりと家路を急ぐ人がいるだけで、あとはタクシーが数台客待ちをしているだけだ。
とにかく、温もれる場所を求めて居酒屋を探した。
市原市五井。
千葉駅から電車で十数分しかかからない距離にあるにも関わらず、その空気は一変する。
総武本線を降り、内房線に乗り換えると、気分はすっかり旅気分。総武快速にもボックスシートはあるが何故かこうはいかない。それが、古ぼけた内房線の鈍行に乗れば、どこか遠くまで行く気持ちになってくる。
隣の席にはベビーカー。
周囲の人々がかける乳飲み子への目はとにかく優しく、限りなく温かい。
五井駅を降りると、クリームと赤のツートンカラーの電車の姿。
小湊鉄道だ。
そうか、ここはもう南房に向かう入り口なのだ。
さてさて、まだまだ宵の口だというのに漆黒の闇に包まれているJR五井駅。
居酒屋は案外簡単に見つかった。
引き戸をガラリと開け放つと酔客で賑わう店内。
駅前は閑散としているのに、ここは活気がみなぎっている。そうか、五井の住民はここに隠れていたのだな。
お店手前にだだ広いカウンター。その後方には卓が幾つか。お店奥は座敷になっており、一見満席にもみえた。
しかし、運良く。ホント運良く座敷にひとつだけ空席あり。
これはラッキー!
店の雰囲気は頗るいい。
やはり集う客によって店の空気は決まってくる。
「天下一」の場合、常連さん風もいれば、女性だけのお客もいるし、皆それぞれ楽しそうに飲んでいる。
なにしろ活気があってお店員の雰囲気にもリズム感がみられるのだ。
さて、無事座敷に腰を落ち着かせた私熊猫と当ブログにも度々登場するヨッシー。ヨッシーがウーロンハイ、私はマグナムドライの中ジョッキをそれぞれ頼んだ。
しかし、こうしてちゃんと「マグナムドライ」と表記してある点がおおいに偉い!
たまぁに、発泡酒をさもビールのように出すお店があるが、これが本来のサービス業の姿なんやわなぁ。
ちなみに発泡酒を別けて出すお店はここで2店目。もうひとつのお店は大阪なんばの立ち飲み「赤垣屋」。ここではほとんどの人が「麒麟淡麗」を頼む。
「ツマミを何か」と思ったが実は我々もうお腹いっぱいだった。
ほんの数十分前にスパゲッティだの、牡蠣のクリームソース和えだのといったものを散々食べたもんだから、これ以上はちともう入らない。
ホントは魚とかおもいっきり堪能したかったのだが、ちょっち厳しいッス。
しかし、この辺りの魚ってやっぱり江戸前のモノかしら?それとも国道297号で一本道だから勝浦漁港直送モノなのかしら?
いずれにせよ魚はうまいのでしょうナ。
そうはいっても、ツマミなしというのは体裁が悪い。とりあえず、冷奴をひとつだけ頼む。200円也。
しばらくすると、客が一斉に帰りはじめた。
時刻は22時半。
まるで潮がサーっとひいていくかのように、あれだけ大勢いた客が数える程度になった。
五井の夜は早いのか。
一方、数少ないお客の中で異彩を放つ御仁が。
上下スエットのおっさん。下のスエットの裾を靴下の中に入れている。
いかにもご近所さんといった風情だ。
焼き鳥の串を手に持ち、タクトのようにそれを振り回しながら、席の近くで待機している若い女性店員にくだをまいている。
曰く「ジーコじゃ予選リーグの突破は無理だろ」
可愛そうに女性店員はなす術もなく聞いている。
しかし、男の独演会は容赦ない。とにかく延々と講釈は続き、終わりそうな気配すら感じられない。さすがサッカーJ1リーグ、ジェフユナイテッド市原・千葉のお膝元。その勢いでは 「ジーコよりオシムだろ」と言いたげな様子だ。
そんなおっさんの講義を脇目に我々も勘定を済ませて店を後にした。
風はいまだ強いままだった。
かなり、強い風だ。
東京湾から吹きすさぶ強風はどこかもの悲しい。
駅に向かって歩いているのに、人っ子ひとり通りすぎる者がなく、寂寥感が心を包む。
時間はまだ21時を少し回ったばかりなのに。
吹上通りは電灯もまばら。駅前にもぽつりと家路を急ぐ人がいるだけで、あとはタクシーが数台客待ちをしているだけだ。
とにかく、温もれる場所を求めて居酒屋を探した。
市原市五井。
千葉駅から電車で十数分しかかからない距離にあるにも関わらず、その空気は一変する。
総武本線を降り、内房線に乗り換えると、気分はすっかり旅気分。総武快速にもボックスシートはあるが何故かこうはいかない。それが、古ぼけた内房線の鈍行に乗れば、どこか遠くまで行く気持ちになってくる。
隣の席にはベビーカー。
周囲の人々がかける乳飲み子への目はとにかく優しく、限りなく温かい。
五井駅を降りると、クリームと赤のツートンカラーの電車の姿。
小湊鉄道だ。
そうか、ここはもう南房に向かう入り口なのだ。
さてさて、まだまだ宵の口だというのに漆黒の闇に包まれているJR五井駅。
居酒屋は案外簡単に見つかった。
引き戸をガラリと開け放つと酔客で賑わう店内。
駅前は閑散としているのに、ここは活気がみなぎっている。そうか、五井の住民はここに隠れていたのだな。
お店手前にだだ広いカウンター。その後方には卓が幾つか。お店奥は座敷になっており、一見満席にもみえた。
しかし、運良く。ホント運良く座敷にひとつだけ空席あり。
これはラッキー!
店の雰囲気は頗るいい。
やはり集う客によって店の空気は決まってくる。
「天下一」の場合、常連さん風もいれば、女性だけのお客もいるし、皆それぞれ楽しそうに飲んでいる。
なにしろ活気があってお店員の雰囲気にもリズム感がみられるのだ。
さて、無事座敷に腰を落ち着かせた私熊猫と当ブログにも度々登場するヨッシー。ヨッシーがウーロンハイ、私はマグナムドライの中ジョッキをそれぞれ頼んだ。
しかし、こうしてちゃんと「マグナムドライ」と表記してある点がおおいに偉い!
たまぁに、発泡酒をさもビールのように出すお店があるが、これが本来のサービス業の姿なんやわなぁ。
ちなみに発泡酒を別けて出すお店はここで2店目。もうひとつのお店は大阪なんばの立ち飲み「赤垣屋」。ここではほとんどの人が「麒麟淡麗」を頼む。
「ツマミを何か」と思ったが実は我々もうお腹いっぱいだった。
ほんの数十分前にスパゲッティだの、牡蠣のクリームソース和えだのといったものを散々食べたもんだから、これ以上はちともう入らない。
ホントは魚とかおもいっきり堪能したかったのだが、ちょっち厳しいッス。
しかし、この辺りの魚ってやっぱり江戸前のモノかしら?それとも国道297号で一本道だから勝浦漁港直送モノなのかしら?
いずれにせよ魚はうまいのでしょうナ。
そうはいっても、ツマミなしというのは体裁が悪い。とりあえず、冷奴をひとつだけ頼む。200円也。
しばらくすると、客が一斉に帰りはじめた。
時刻は22時半。
まるで潮がサーっとひいていくかのように、あれだけ大勢いた客が数える程度になった。
五井の夜は早いのか。
一方、数少ないお客の中で異彩を放つ御仁が。
上下スエットのおっさん。下のスエットの裾を靴下の中に入れている。
いかにもご近所さんといった風情だ。
焼き鳥の串を手に持ち、タクトのようにそれを振り回しながら、席の近くで待機している若い女性店員にくだをまいている。
曰く「ジーコじゃ予選リーグの突破は無理だろ」
可愛そうに女性店員はなす術もなく聞いている。
しかし、男の独演会は容赦ない。とにかく延々と講釈は続き、終わりそうな気配すら感じられない。さすがサッカーJ1リーグ、ジェフユナイテッド市原・千葉のお膝元。その勢いでは 「ジーコよりオシムだろ」と言いたげな様子だ。
そんなおっさんの講義を脇目に我々も勘定を済ませて店を後にした。
風はいまだ強いままだった。
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