空色に塗られた木の扉を見て、すぐさま入ることを決意した。パステル調の明るい空色である。ボクは、こういう店に弱い。自分がカフェをやるなら、やはり欧州っぽい店にしたい。
「cafe de peruche」。
う~ん。カフェ ド ポルシェ?
いや、ポルシェではなさそうだ。だが、読み方が分からない。スマホで調べてみると、ペルシュと読むらしい。興味深いのは、ペルシュを指す地域がいくつもあること。ひとつはパリ北部と書いてあるが、違うサイトにはパリ南西部ともある。情報が錯綜しているが、要するにパリ近郊なのだ。
お店の中も洒落ていた。
材質が固そうな、黒みがかったテーブルと椅子は格調が高く。店の雰囲気をグレードアップさせている。椅子の背もたれがユニークで、矢鱈と背が高い。程よくアールがついた細い格子の背もたれの椅子は、気品に満ちている。
テーブルについて、ボクは「ブレンド」(400円)をオーダーした。夫婦で経営しているのだろうか。オーダーを伝達する振る舞いに、ちょっとした愛を感じてしまった。
オーダーを聞いた旦那さんは、その愛を受け止め、コーヒーのドリップに愛を注ぐ。
どれどれ。愛のハンドパワー、じゃなくてハンドドリップのブレンドは、うん。うまい。さすがフレンチ仕込み。やや酸味のある、絶妙なブレンドである。
愛を淹れるコーヒーと言えば、「ふしぎな岬の物語」で、主演の吉永小百合さんが言っていた。「愛が入っているからおいしい」と。
コーヒーカップに、さりげなく入った店名。まるで小鳥のハミングのような、その字体に、またホッとする。そう、ここはまるでオアシスのよう。
この雰囲気の良さはなかなか。
他所でランチを食べてきたが、今度は、ここでランチを食べてみようっと。
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