07年にうかがった居酒屋の店舗数は延べ56店。06年と比べると10店ほど減少した。それ でも1週間に一度はどこかの居酒屋で飲んでいる計算になる。06年は北は夕張郡から南は那覇まで、全国を文字通り放浪したが、07年の居酒屋行脚は遠出をあまりできなかった。
北は、高崎、西は大阪である。
さて、06年のアワードを発表する際、わたしはこんなことを書いた。
「アサヒスーパードライの取り扱いもシェアに準ずるボリュームがあったかどうかは疑問だ。極力、ブログには、その店が取り扱うビールを明記してきた。それは、その店がどれだけビールにこだわりを持ってお客に相対しているかを計る指針でもあるからだ。今年からは、そうした視点に加えて、ビール会社のシェア争いにも目線を向けてみたいと思う。」
そこで、07年は分かりうる限り、ビールの銘柄を記してきたつもりである。
すると、意外な事実が判明した。
それは、10年連続でビール販売の首位に立つ、アサヒ、スーパードライは全体の17.1%にしか過ぎなかったことである。ちなみに最もシェアが高かったのはサッポロの黒ラベルだ。全体の34.1%を黒ラベルが占めていたのである。ちなみにエビスも含めれば、サッポロのシェアは39%に跳ね上がるのだ。それでは、一体スーパードライはどこにいってしまったのだろうか。ここから先は、あくまで、わたしの私見である。わたしがスーパードライをよくみかけた場所は、ホテルである。ホテルで行われる団体や企業の懇親会の席でよく目にした。なるほど、懇親会ならば、一気にビールの出荷量はあがる。客が好むと好まざるに限らず、ビールは自動的に出されるのだ。
指名買いされてこそ、本当の首位であろうと思う。そして、もしこの仮説が正しいのならば、スパードライに民意は反映されていないと思わざるをえない。
場末の立ち飲み屋などを中心に歩いてきたわたしにとって、最も民意が反映された銘柄はサッポロ黒ラベルではないのか、最近つとにそう思うのである。
換言すれば、スーパードライと言う権威主義的なものへのアンチテーゼがそこにはあるのではないかとうがった見方すらしたくなるのである。
さて、話しは脱線した。
07年の居酒屋アワードを選んでいきたいと思う。
まず、ノミネートを推挙するとするなら以下の5店が特に秀でていた。
■「斎藤酒場」(居酒屋放浪記NO.0115)
■「新 日の基酒場」(居酒屋放浪記NO.0121)
■「信濃路」(居酒屋放浪記NO.0123 )
■「末広町 八」(居酒屋放浪記NO.0128)
■「しお」(居酒屋放浪記NO.0134)
■「とんこつラーメン 貫ろく」(居酒屋放浪記NO.0110、NO.0166)
「斎藤酒場」と「新 日の基酒場」については、多くを語るまでもない。とにかく、両店とも居酒屋の聖地にして伝説である。そこに疑いの余地はない。
一方、「信濃路」と「しお」は厳密なうえで、居酒屋ではない。前者は定食屋、後者がお鮨屋さんだ。だが、両店とも頗る楽しくお酒を飲めたのである。もちろん、楽しく飲むには様々な要素が総体的に良くなければならない。お酒、そして料理、更には人と雰囲気である。その点、定食屋さんもお鮨屋さんもそれぞれ好対照なお店ではあるが、間違いなく高得点であった。
さて、「とんこつラーメン 貫ろく」である。
この店も、名称の通り、純な居酒屋ではない。だが、ラーメン屋の利を生かした料理でお客の期待を裏切らなかった店である。07年の初飲みと飲み収めがこのお店だったという点も特に印象深く、ノミネートに相成った。
そして、最後が「末広町 八」である。
このお店の素晴らしいところは、食材と料理に命を賭けていると感じさせてくれるところだ。まず、居酒屋でありながら、料理が運ばれると、店員さんは料理の説明をしてくれる。かつてこれまでそんな居酒屋は聞いたことがない。
食の安全が揺らぐ中、こうしたお店の姿勢はおおいに評価されるべきである。このお店の店主は、恐らく西洋料理のシェフだったのではないか。そう感じさせてくれる要素がお店の中に詰まっているのだ。
こうした各店の事情を考慮して導き出した結果、栄えある07年の居酒屋の頂点に立つ店は「末広町 八」を輝ける店として選出した。
実は、わたし、同店の訪問が2回目だった。初めては06年に入店。だが、このときは、取り立てていいお店とは思わなかったのである。だが、今回選んだのは、やはり1回行ったことある店として安心感があったのではないかと思う。言い換えれば、初めて行った店はその雰囲気に呑まれ、逆にリラックスできずに楽しいと心から感じられなかった、ことも生じるのである。それが、「斎藤酒場」であり、「新 日の基酒場」でもある。やはり、一回行ったきりのお店で全てを判断することはできないのだ。
一方、立ち飲み部門のアワードだが、ここはあっさりと決めることができた。
「呑2(のむのむ)」(居酒屋放浪記NO.0149、NO.0159)が07年の頂点に立った。

ビールに疑惑はあるが、その確証はない。極めてグレーゾーンではあるが、それ以外の要素でその疑惑をカバーして余りあることから、同店を選出した。ちなみに、五反田店は系列店であるにも関わらず、その雰囲気は全く正反対。やはり、店を作るのは、人なのだ。
今年から、創設した「煮込み オブ・ザ・イヤー」。
その年食べた煮込みから、「これは!」という一品を選ぶというものである。
まずはノミネート。
■「ささの家」(居酒屋放浪記NO.0113)
■「斎藤酒場」(居酒屋放浪記NO.0115)
■「新 日の基酒場」(居酒屋放浪記NO.0121)
■「立ち呑み屋」(居酒屋放浪記NO.0146)
■「呑2(のむのむ)」(居酒屋放浪記NO.0149、NO.0159)
■「居酒屋 鳥益」(居酒屋放浪記NO.0163)
■「とんこつラーメン 貫ろく」(居酒屋放浪記NO.0110、NO.0166)
こうしてみると、名店にはだいたいうまい煮込みがあるのが分かる。
どこがどううまかったかは、それぞれの本文を読んでいただきたい。それぞれがそれぞれに特徴があって、実に興味深い煮込みばかりである。
最終的に、わたしは「呑2(のむのむ)」の高田馬場店を選出しようと考えていた。だが、2回目の来店で食べたとき、生姜が多くはいりすぎて、せっかくのすっきり味が台無しになっていた。もし、これがなければダントツで同店は2冠を獲得していたであろう。
そして、第一回目の「煮込み オブ・ザ・イヤー」は「ささの家」に決定した!実はここも2回訪問した店だった。2回とも食べた煮込みは味、量、値段、どれをとっても申し分のないもの。是非、読者の方も食されることをお奨めする。
この2年のアワードはいずれも、やや料金高めのしっかりとしたお店が栄冠に輝いている。それを大衆居酒屋というには少し違和感がある。だが、本来わたしはこうしたお店こそ望んでいたものと改めて認識している次第だ。
わたしの独断と偏見で選んだお店、是非皆々様も来店され、お酒と料理と雰囲気をご堪能されたし。
北は、高崎、西は大阪である。
さて、06年のアワードを発表する際、わたしはこんなことを書いた。
「アサヒスーパードライの取り扱いもシェアに準ずるボリュームがあったかどうかは疑問だ。極力、ブログには、その店が取り扱うビールを明記してきた。それは、その店がどれだけビールにこだわりを持ってお客に相対しているかを計る指針でもあるからだ。今年からは、そうした視点に加えて、ビール会社のシェア争いにも目線を向けてみたいと思う。」
そこで、07年は分かりうる限り、ビールの銘柄を記してきたつもりである。
すると、意外な事実が判明した。
それは、10年連続でビール販売の首位に立つ、アサヒ、スーパードライは全体の17.1%にしか過ぎなかったことである。ちなみに最もシェアが高かったのはサッポロの黒ラベルだ。全体の34.1%を黒ラベルが占めていたのである。ちなみにエビスも含めれば、サッポロのシェアは39%に跳ね上がるのだ。それでは、一体スーパードライはどこにいってしまったのだろうか。ここから先は、あくまで、わたしの私見である。わたしがスーパードライをよくみかけた場所は、ホテルである。ホテルで行われる団体や企業の懇親会の席でよく目にした。なるほど、懇親会ならば、一気にビールの出荷量はあがる。客が好むと好まざるに限らず、ビールは自動的に出されるのだ。
指名買いされてこそ、本当の首位であろうと思う。そして、もしこの仮説が正しいのならば、スパードライに民意は反映されていないと思わざるをえない。
場末の立ち飲み屋などを中心に歩いてきたわたしにとって、最も民意が反映された銘柄はサッポロ黒ラベルではないのか、最近つとにそう思うのである。
換言すれば、スーパードライと言う権威主義的なものへのアンチテーゼがそこにはあるのではないかとうがった見方すらしたくなるのである。
さて、話しは脱線した。
07年の居酒屋アワードを選んでいきたいと思う。
まず、ノミネートを推挙するとするなら以下の5店が特に秀でていた。
■「斎藤酒場」(居酒屋放浪記NO.0115)
■「新 日の基酒場」(居酒屋放浪記NO.0121)
■「信濃路」(居酒屋放浪記NO.0123 )
■「末広町 八」(居酒屋放浪記NO.0128)
■「しお」(居酒屋放浪記NO.0134)
■「とんこつラーメン 貫ろく」(居酒屋放浪記NO.0110、NO.0166)
「斎藤酒場」と「新 日の基酒場」については、多くを語るまでもない。とにかく、両店とも居酒屋の聖地にして伝説である。そこに疑いの余地はない。
一方、「信濃路」と「しお」は厳密なうえで、居酒屋ではない。前者は定食屋、後者がお鮨屋さんだ。だが、両店とも頗る楽しくお酒を飲めたのである。もちろん、楽しく飲むには様々な要素が総体的に良くなければならない。お酒、そして料理、更には人と雰囲気である。その点、定食屋さんもお鮨屋さんもそれぞれ好対照なお店ではあるが、間違いなく高得点であった。
さて、「とんこつラーメン 貫ろく」である。
この店も、名称の通り、純な居酒屋ではない。だが、ラーメン屋の利を生かした料理でお客の期待を裏切らなかった店である。07年の初飲みと飲み収めがこのお店だったという点も特に印象深く、ノミネートに相成った。
そして、最後が「末広町 八」である。
このお店の素晴らしいところは、食材と料理に命を賭けていると感じさせてくれるところだ。まず、居酒屋でありながら、料理が運ばれると、店員さんは料理の説明をしてくれる。かつてこれまでそんな居酒屋は聞いたことがない。
食の安全が揺らぐ中、こうしたお店の姿勢はおおいに評価されるべきである。このお店の店主は、恐らく西洋料理のシェフだったのではないか。そう感じさせてくれる要素がお店の中に詰まっているのだ。
こうした各店の事情を考慮して導き出した結果、栄えある07年の居酒屋の頂点に立つ店は「末広町 八」を輝ける店として選出した。

実は、わたし、同店の訪問が2回目だった。初めては06年に入店。だが、このときは、取り立てていいお店とは思わなかったのである。だが、今回選んだのは、やはり1回行ったことある店として安心感があったのではないかと思う。言い換えれば、初めて行った店はその雰囲気に呑まれ、逆にリラックスできずに楽しいと心から感じられなかった、ことも生じるのである。それが、「斎藤酒場」であり、「新 日の基酒場」でもある。やはり、一回行ったきりのお店で全てを判断することはできないのだ。
一方、立ち飲み部門のアワードだが、ここはあっさりと決めることができた。
「呑2(のむのむ)」(居酒屋放浪記NO.0149、NO.0159)が07年の頂点に立った。

ビールに疑惑はあるが、その確証はない。極めてグレーゾーンではあるが、それ以外の要素でその疑惑をカバーして余りあることから、同店を選出した。ちなみに、五反田店は系列店であるにも関わらず、その雰囲気は全く正反対。やはり、店を作るのは、人なのだ。
今年から、創設した「煮込み オブ・ザ・イヤー」。
その年食べた煮込みから、「これは!」という一品を選ぶというものである。
まずはノミネート。
■「ささの家」(居酒屋放浪記NO.0113)
■「斎藤酒場」(居酒屋放浪記NO.0115)
■「新 日の基酒場」(居酒屋放浪記NO.0121)
■「立ち呑み屋」(居酒屋放浪記NO.0146)
■「呑2(のむのむ)」(居酒屋放浪記NO.0149、NO.0159)
■「居酒屋 鳥益」(居酒屋放浪記NO.0163)
■「とんこつラーメン 貫ろく」(居酒屋放浪記NO.0110、NO.0166)
こうしてみると、名店にはだいたいうまい煮込みがあるのが分かる。
どこがどううまかったかは、それぞれの本文を読んでいただきたい。それぞれがそれぞれに特徴があって、実に興味深い煮込みばかりである。
最終的に、わたしは「呑2(のむのむ)」の高田馬場店を選出しようと考えていた。だが、2回目の来店で食べたとき、生姜が多くはいりすぎて、せっかくのすっきり味が台無しになっていた。もし、これがなければダントツで同店は2冠を獲得していたであろう。
そして、第一回目の「煮込み オブ・ザ・イヤー」は「ささの家」に決定した!実はここも2回訪問した店だった。2回とも食べた煮込みは味、量、値段、どれをとっても申し分のないもの。是非、読者の方も食されることをお奨めする。
この2年のアワードはいずれも、やや料金高めのしっかりとしたお店が栄冠に輝いている。それを大衆居酒屋というには少し違和感がある。だが、本来わたしはこうしたお店こそ望んでいたものと改めて認識している次第だ。
わたしの独断と偏見で選んだお店、是非皆々様も来店され、お酒と料理と雰囲気をご堪能されたし。
http://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha/
バドワイザーはすっごく軽すぎて、好んで飲みたいとは思わないんですが、地ビールはどうなんですか?
おいしいんですかねぇ?
あのラベルをみると、どうも食指は伸びません。
売り場もバドワイザーが一番面積を占めてるかなぁ。
でも、ちょっとした高級スーパーやオーガニックスーパーに行くと、見事にバドワイザーが消え、地ビールばかりになるのです。
だから、サントリープレミアムモルツは採算が合わなくても、販促に力を入れる、と。
今年もビール会社調査は引き続き行っています。
ワシントンDCでは、どの銘柄が多いのですか?
バドワイザーってことはないでしょうね。地ビールかな?
ホテルなどの宴会がほとんど、って聞いたことあります。事実なのではないでしょか。
実際、居酒屋に行くと、けっこうアサヒビールって見ない気がします。
今年は、なんかありそうですよ。
監督の、コネクションをフルに使えば、すごい居酒屋が今後出てきそうな感じですね。
個人的にも是非、行きましょうよ。