これまで、上野界隈において数多くの立ち飲み屋を巡ってきた。
御徒町のガード下からアメヤ横町まで8軒の立ち飲み屋だ。これだけ立ち飲み屋を擁するエリアも恐らく珍しいのではないか。
上野という住所表示は確かに広い。南は御徒町と秋葉原の間くらいまで伸び、北は上野寛永寺まで南北2キロ以上はあるのではないか。
そして、日本でも有数の盛り場として名高い「アメ横」を擁し、周囲にはコリアンタウンも点在する。魚介類の安い小売店とホルモンを販売する店が立ち並ぶ、という要素が上野界隈の飲食店を盛況にしてきた理由のひとつでもあろう。
その巨大な飲み街ともいうべき上野にも、訪問していない立ち飲み屋がまだ幾つか点在するのである。
今回は、そのうちのひとつを訪問した。
上野駅前のマルイ。
その周囲を取り囲む道は昔ながらの風情を今に残す。古い旅館や蕎麦屋などこぎれいなマルイが際立つほど、その周囲の時代から取り残された店構えは際立つ。
マルイの西側の小路は大変賑わっているが、東側の通りは少し寂れかけている。 やはり、アメ横に近い通りの方が活況を呈しているのだろうが、しかし一本道を隔てるとこれだけ人の流れも変わるのか、と驚いてしまう。
「立ち呑み処 TASUICHI」は、そんな寂れた通りに店を構える。
間口は狭く、2間ばかりの入口は、注意して見ていないと行きそびれてしまうほど。鰻の寝床のように店は奥に続いている。従ってカウンターと通路は共用でとても狭い。カウンターで飲み、人が後ろを通際は少し姿勢をよくしなければならない。
わたしは、その狭いカウンターの中間あたりに陣取った。
目の前は厨房。
2人の男が甲斐甲斐しく働いている。わたしと同世代くらいだろうか。
一人はニコニコ笑顔を振りまきながらただ一人いるお客と話しをしている。もう一人の男は頭にタオルをまいて、黙々と料理を作ってる。Tシャツからはみ出た二の腕からはタトゥーがのぞいている。
わたしは、まず生ビールを頼んだ。するとニコニコと愛想を振りまいていた男が「あいよ」と合図をして、手際よくサーバーから生ビールを注いできた。
ジョッキはすこぶる小さい。
だが、300円だから、妥当なところか。
上野界隈のビール価格は総じて安い。どこも企業努力を重ねて、頑張っている。
銘柄はアサヒスーパードライ生樽。メニューにそう書いてある。
つまみに「もつ煮込み」(400円)を頼んだ。
果たして「もつ煮込み」激戦区上野でどんな味に仕上げているのだろうか。
小さな小鉢で出てきたそれは、スープがやや赤い。味噌味だ。
早速、スープと一緒にもつをつまんでみた。肉は生もつを煮たものか、それともボイルしたものを煮たのか判断できなかったが、スープの味がとにかく若かった。コクがないと言ってもいい。
味はオーソドックスなものであるが、深い味わいとは言えなかった。
作り手が、まだ若いな、そんな印象を持った。
だが、ひとつ感心したことがある。箸が割り箸ではなく、しっかりとした竹箸だった。きっとその都度洗って出しているのだろう。
しばらくして、2人の会社員が店に入ってきた。
彼らは、わたしの左側に陣取り、ニコニコ顔のお兄ちゃんと相対した。
その時のお兄ちゃんの対応が絶妙だった。
とにかく、面白い。
あらゆる語彙を集約した会話は確実に会社員らのハートを掴んだはずである。
しかし、この会社員らは、恐らく初めて同店に足を踏み入れたという感じなのだが、この高いテンションをいきなり発するとはすんごい。
「煮込み」を2杯のビールでたいらげ、店を出ることにした。
店内には黒人ロックの雄、リヴィングカラーがガンガンにかかっている。
「お勘定」とお愛想するとニコニコ顔は更に満面の笑顔になってお礼の言葉を配る。
タトゥーをいれた強面の兄ちゃんもニッコリと笑顔を浮かべて挨拶をくれた。
その挨拶の清々しさったら。
若い2人で切り盛りする若い店はとにかく頑張ってんなぁ、という強い気持ちが伝わってきた。
そして、とにかく面白いお2人が店内を明るく彩る。応援してあげたい、そんな気持ちにすらさせてくれる好感の持てる店だ。
Suicaが使える点もgood!
-追記-
08年5月1日閉店を確認!
御徒町のガード下からアメヤ横町まで8軒の立ち飲み屋だ。これだけ立ち飲み屋を擁するエリアも恐らく珍しいのではないか。
上野という住所表示は確かに広い。南は御徒町と秋葉原の間くらいまで伸び、北は上野寛永寺まで南北2キロ以上はあるのではないか。
そして、日本でも有数の盛り場として名高い「アメ横」を擁し、周囲にはコリアンタウンも点在する。魚介類の安い小売店とホルモンを販売する店が立ち並ぶ、という要素が上野界隈の飲食店を盛況にしてきた理由のひとつでもあろう。
その巨大な飲み街ともいうべき上野にも、訪問していない立ち飲み屋がまだ幾つか点在するのである。
今回は、そのうちのひとつを訪問した。
上野駅前のマルイ。
その周囲を取り囲む道は昔ながらの風情を今に残す。古い旅館や蕎麦屋などこぎれいなマルイが際立つほど、その周囲の時代から取り残された店構えは際立つ。
マルイの西側の小路は大変賑わっているが、東側の通りは少し寂れかけている。 やはり、アメ横に近い通りの方が活況を呈しているのだろうが、しかし一本道を隔てるとこれだけ人の流れも変わるのか、と驚いてしまう。
「立ち呑み処 TASUICHI」は、そんな寂れた通りに店を構える。
間口は狭く、2間ばかりの入口は、注意して見ていないと行きそびれてしまうほど。鰻の寝床のように店は奥に続いている。従ってカウンターと通路は共用でとても狭い。カウンターで飲み、人が後ろを通際は少し姿勢をよくしなければならない。
わたしは、その狭いカウンターの中間あたりに陣取った。
目の前は厨房。
2人の男が甲斐甲斐しく働いている。わたしと同世代くらいだろうか。
一人はニコニコ笑顔を振りまきながらただ一人いるお客と話しをしている。もう一人の男は頭にタオルをまいて、黙々と料理を作ってる。Tシャツからはみ出た二の腕からはタトゥーがのぞいている。
わたしは、まず生ビールを頼んだ。するとニコニコと愛想を振りまいていた男が「あいよ」と合図をして、手際よくサーバーから生ビールを注いできた。
ジョッキはすこぶる小さい。
だが、300円だから、妥当なところか。
上野界隈のビール価格は総じて安い。どこも企業努力を重ねて、頑張っている。
銘柄はアサヒスーパードライ生樽。メニューにそう書いてある。
つまみに「もつ煮込み」(400円)を頼んだ。
果たして「もつ煮込み」激戦区上野でどんな味に仕上げているのだろうか。
小さな小鉢で出てきたそれは、スープがやや赤い。味噌味だ。
早速、スープと一緒にもつをつまんでみた。肉は生もつを煮たものか、それともボイルしたものを煮たのか判断できなかったが、スープの味がとにかく若かった。コクがないと言ってもいい。
味はオーソドックスなものであるが、深い味わいとは言えなかった。
作り手が、まだ若いな、そんな印象を持った。
だが、ひとつ感心したことがある。箸が割り箸ではなく、しっかりとした竹箸だった。きっとその都度洗って出しているのだろう。
しばらくして、2人の会社員が店に入ってきた。
彼らは、わたしの左側に陣取り、ニコニコ顔のお兄ちゃんと相対した。
その時のお兄ちゃんの対応が絶妙だった。
とにかく、面白い。
あらゆる語彙を集約した会話は確実に会社員らのハートを掴んだはずである。
しかし、この会社員らは、恐らく初めて同店に足を踏み入れたという感じなのだが、この高いテンションをいきなり発するとはすんごい。
「煮込み」を2杯のビールでたいらげ、店を出ることにした。
店内には黒人ロックの雄、リヴィングカラーがガンガンにかかっている。
「お勘定」とお愛想するとニコニコ顔は更に満面の笑顔になってお礼の言葉を配る。
タトゥーをいれた強面の兄ちゃんもニッコリと笑顔を浮かべて挨拶をくれた。
その挨拶の清々しさったら。
若い2人で切り盛りする若い店はとにかく頑張ってんなぁ、という強い気持ちが伝わってきた。
そして、とにかく面白いお2人が店内を明るく彩る。応援してあげたい、そんな気持ちにすらさせてくれる好感の持てる店だ。
Suicaが使える点もgood!
-追記-
08年5月1日閉店を確認!
「なにかワクワク」という気持ちを抱いてしまうんですよね。
でも、このお店も、そんな淡い期待を満たしてくれそう~。
やっぱり笑顔で接してもらえると気持ちがいいです。
いつも、ありがとうございます。
酒場の雰囲気はやっぱり人ですね。
よく、一回しか行ってないのに全て分かったように書くのはどうか、といわれます。でも、一回行けば雰囲気は分かります。また行くか、もう行かないか、お店も全力でお客に相対しないといけませんよね。
温もりがあるお店を応援していきたいです。
ホント久しぶりですねぇ。
今年1度も飲んでいません。
最後に飲んだのはいつだったっけ?
そうそう、去年のクリスマス、上野のラーメン居酒屋「貫ろく」以来。
あれから半年です。
今pともあれ以来会っていないし。
近々、弾けましょう!
そうそう、是非この店に一度行ってみてください。
行きましょう、のみに^ー。
申し訳ございません。
7月第二週より解禁です。
住吉に乗り込みますよ。