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居酒屋放浪記NO.0132 ~ケチケチ団再び京都で~「炭焼串・串揚げ きんぎょに」(京都市下京区)

2007-08-20 13:31:12 | 居酒屋さすらい ◆地方版
 京都に初めて行ったのは、2000年の暮れだった。
 当ブログでもお馴染みのふらいんぐふりーまん師のご実家にお邪魔し、20世紀から21世紀にまたがる瞬間を過ごさせてもらった。
 師のお宅の近所に宝ヶ池という溜め池があり、夕暮れ時や朝に師の愛犬インディさんと散歩をしたものだった。
 宝ヶ池の向こう側には近代的で大きな建物があり、「あれは、国立京都国際会館だよ」と師は教えてくれた。
 それから7年後、まさかその国際会館の催しを取材することになるとは夢にも思っていなかった。

 取材は4時半頃終わった。
 帰りの新幹線は7時半にとっておいたのでまだ3時間近くも余裕がある。
 師に連絡をとると、彼は速攻で国際会館にやってきた。
 飲みに行こう!
 我々は地下鉄に乗って京都駅まで出た。

 師は1枚の紙切れを握り締めていた。
 その紙片はクーポンだった。
 どうやら、パソコンから印刷してきたらしい。
 さすがケチケチ、抜かりはない。
 京都駅から徒歩10分。目当ての店「きんぎょに」に到着した。
 このお店は中京区にある「きんぎょ」の2号店とのこと。
 お店は板張りの外観に、赤く可愛らしい金魚が数匹泳いでいる。
 店に入り、カウンターに腰掛けると時刻は5時20分を回った頃だった。

 店内は右手にカウンター、左手には複数のテーブル席でそれほど広くはない造り。
 店は清潔にしており、清々しい雰囲気が伝わってくる。
 昔はワルだったぞ、そんなお兄ちゃんに生ビールを注文した。
 注文から生ビール到着まで1分を切る早さに感動。この日は湿度が高く、梅雨のジトジトに喉がカラカラ。そんな客の気持ちを考えるのは、居酒屋を生業とする者の務めである。
 生ビールは寸胴のジョッキで供され、冷えすぎず、さりとて温くもない、適度な飲み口だった。
 しかし、このビールは?
 飲んでみて、分からなかったものだから、さっきの店員さんに聞いてみる。
 「キリンラガーです」と返ってきたが、すぐさま前言を撤回。
 「一番絞り」とのこと。
 ん~、バナナフレーバー!

 肴を頼む段になって、師が真っ先に口にしたのが、「汲み上げ湯葉」(400円)だ。
 さすが、都の人である。
 京都の大抵の居酒屋には、この「汲み上げ湯葉」が存在する。
 都人は「汲み上げ湯葉」から始まり、「ぶぶ漬け」で締めるのが定石だ(本当かよっ!)。

 同店のウリはその店名から窺い知れるように、炭焼の焼き鳥である。ここで、我々は「おまかせ盛り合わせ」の5本(500円)も追加しておいた。
 鶏のももを早速食べてみると、パリっとした食感が実に心地よい。ガスで焼くとこうはならないだろう。まさしく、同店自慢の炭焼である。

 生ビールは速攻で飲み干した。
 さて、違うものを、と思い店内をきょろきょろ見回すと、わたしの頭上に見覚えのある一升瓶が飾られている。
 麦焼酎の「釈云麦」(西吉田酒造)である。
 久しぶりに飲んでみたい、と思いロックで注文した。
 早速、飲んでみると、初めて飲んだときの鮮烈さがない。
 おかしいな、と思い、もう一度口に含んで舌で転がしてみたけれど、やはり味がよく分からない。
 このところ、ずっと芋焼酎ばかり飲んでいるせいで、麦のうまみが分からなくなっているのか、それとも、明るい所で保存されているようなので、味がすっかり飛んでしまったか、それは分からないが、とにかく、がっかりしたので、次はまた生ビールに戻ったのだった。

 腹が落ち着いてくると会話もはずむ。
 師とは4ヶ月ぶりに会うが、そんなブランクを抱かせない貴重な友人だ。
 会話をはずませているのは、店の雰囲気にもよるだろう。
 店内の空気とは、決して狙ってできるものではなく、お店の方それぞれの人柄が現れるものだ。
 金魚は大衆の鑑賞魚だが、飼い方はそんなに易しくない。
 金魚が住み易い水を作るのは結構大変だ。お客が元気よく酒を飲めるのは、店の水作りが上手だからなのだろう。
 
 気がつくと時刻は7時20分を回りかけている。
 こうしてはいられない。帰りの新幹線は7時32分発なのだ。
 急いで、お勘定を済ませ、京都駅に走った。師も全速力で併走してくれた。
 まるで、ドラマ『太陽にほえろ』のオープニングみたいに。
 ちなみに師がつけてくれた熊猫刑事はその『太陽にほえろ』がゆえん。
 俺たち、おっさんになったけど酒飲んで全力疾走できるなんてまだまだいけるんじゃない?
 結局、約10分間を走りきり、俺は新幹線に飛び乗った。
 師よ、ありがとう。 
 しかし、殉職しないでよかった。




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2 コメント

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あのダッシュは (ふらいんぐふりーまん)
2007-08-20 23:45:26
きつかったねえ。引きこもりには・・・。
けど、まだそこそこ走れる事がわかって
なかなかいい経験だったよ。

さて、当時はそんなだった俺も、最近の
肉体労働でそこそこ体力を回復したようだよ。
トルコ出発前灼熱修行作戦は一応成功だ。

明日からトルコ。トルコの安食堂で、また、
こないだ師と楽しんだように、美味いビール
飲んでくるぜ師よ!

なお、俺も殉職しないように気をつけるよ。(笑)
返信する
今頃。 (熊猫刑事)
2007-08-21 13:41:16
もう機上の人だな。

健闘を祈っているゾ。師よ。

そして、美酒を存分に飲んでくるのだ、師よ!

安食堂、安酒情報を待っているよ。
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