三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

江ノ島へ〈前編〉

2012-06-30 08:50:06 | ちょっと遠くに行きました。
〈5月26日の食事〉
朝:ビオカフェのベーグルにカッテージチーズ 目玉焼き コーヒー
昼:ハンバーガー ポテト アイスティー @モスバーガー 店舗名は失念
間食:ようかん
夜:ビール チーズのプルスケッタ ピーマンのアンチョビ焼き 鶏のグリル @ピエーノ・クッチーナ/藤沢

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国道246を自転車で走りながら、頭上の看板を見上げる。
「↑厚木 44km」と、ある。
一日に走った最長距離がそのときは45kmだったから、厚木って自転車でも行ける距離にあるんだな。
その辺まで自転車で行って、一泊してまた帰るっていう旅行、出来るんじゃないかな。
と、ぼんやりと思いついてはや幾年月。

そんなぼんやりとした思い付きが結実したのは、同い年の友人女性が自転車での一泊旅行をしたからである。
早い話が感化された。
梅雨入り前にやらないと、次の好機は秋になってしまう…モチベーションが続くうちにやらないと!と思い立ったが吉日。
決行と相成った。

などと言いつつ、行き先は江ノ島に変更したのであった。
我が家からだと厚木の方がよっぽど近いのだが、名物料理を検索したら、タニシと出たのである…。
偏食傾向のある私が食べるに抵抗を感じるものが、さんざん走ったあとにありつける食べ物だというのは、ちょっとゲンナリしてしまうのではないか。
だったらそれより遠くとも、さんざん走ったあとの目にはパーンと海が映り、新鮮な海産物を食べた方が喜ばしいのでは。
食で行き先を変えたような人間だからこそ、こんなブログを書いております。

前置きが長くなったが、宿をとり、詳しいひとのアドバイスのもと色々装備を買い込み、いよいよ出発である。

私の住む家は、東京都内でも南寄りに位置した地域にある。
だから、10kmも走れば神奈川県にはすぐ入れてしまう。
だから余裕綽々で神奈川県入りしたのだが、結構広いぞ手強いぞ神奈川、と思ったのは横浜市であった。
川崎市もすぐ抜けて横浜市内に突入したのだが、走れど走れどいつまでも横浜市なのである。
道を間違えたのも含めると、都合30kmは横浜市に充てたのでは。
途中、あれは山崎パンの工場だったか、道沿いに大きな工場がそびえ、辺り一面にとても芳しいパンの匂いが拡がっていたのが印象的だった。
そう、横浜市には工場も農業地帯もあるんである。
赤レンガ倉庫だとか中華街だとか横浜アリーナだとか、私の知る横浜はなんて狭いエリアだったのか痛感した次第だ。

乗りなれているつもりだったが、40kmも漕げば疲れもピークに達する。
まだかまだかと思っていた藤沢市境の看板が見えたときには、泣きそうになった。
いやはやもう少し。

宿泊予定の藤沢駅を抜ける。
江ノ電の線路を跨いだときには、胸が高まった。
サーフボードを積んだ車をよく見かけるようになる。
このまま海の方へ。
そして、到着。
江ノ島の海岸である。

やはりゴールを海にして正解だった。
海なし県で生まれ育ち、海と関わらない生活をずっとしている私にとって、海はいっきに「ここではないどこか」が味わえる場所である。
普段だったら怖いはずの鳶の鳴き声さえ、いっそ清々しい。
はあ、自転車でここまで来たんだ…じつに感慨深かった。

と言いつつも、海を味わうのも一人では限界があり、割とすぐに藤沢駅へと舞い戻り、ビジネスホテルにチェックイン。
ひとっ風呂浴び、着ていたものを洗濯したら、待望の夕食である。

行き先変更にあたり「新鮮な海産物」と前述したが、実際のところ食べたのは洋風の肉に野菜である。
パンチのきいた味の猛々しいものが食べたかったのだ。
沢山運動して狩猟の民みたいな気分になったのか、汗をかいたぶん塩分を欲していたのか。
そしてやはりビールが美味しかった!

食事後早々と宿に戻り、ぬるま湯につかってまっさーじし、明日に備えて就寝。
旅は明日へと続く。